会社の経費が10万円ふえたら税金・お金はどうなるか
経費10万円で会社の税金がどれくらい減るのか計算してみました。
会社の税金にはどんなものがあるか
資本金1億円以下の中小企業がはらう税金には、次のものがあります。
- 法人税と地方法人税(まとめて法人税とよぶのが一般的)
- 住民税
- 事業税と特別法人事業税(まとめて事業税とよぶのが一般的)
- 消費税
このように4種類の税金があるわけですが、利益におうじて税率が上がるものもあります。
そのため、消費税以外の税率は次のように複雑になっています。
利益 | 法人税 | 地方法人税 | 住民税 | 事業税 | 特別法人事業税 |
400万円以下 | 15% |
法人税の 10.3% |
法人税の 7% |
3.5% |
事業税の 37% |
400万円超 800万円以下 |
5.3% | ||||
800万円超 | 23.2% | 7.0% |
なお、利益が2,500万円を超えてくると、さらに税率が変わっていくものもあります。
詳しく知りたい方はこちらの記事もどうぞ。
(参考記事)【会社の税率】利益のどれくらいが税金になるのか?
では、経費が10万円ふえたら税金・お金はどうなるかをみていきましょう。
会社の経費が10万円ふえたら税金・お金はどうなるか
事業税率には3種類あるので、次の3パターンの利益でみてみましょう。
- 利益 300万円
- 利益 600万円
- 利益 1,000万円
なお、消費税は10%で計算します。
給与や社会保険、損害保険などには消費税がかからないことに注意しましょう。
また、シンプルな原則的な方法で計算しています。
利益が300万円のとき
会社の経費が10万円ふえたとき、税金は次のとおり減ります。
(実際は100円未満切り捨てなどをおこなうため、目安と思いましょう)
税目 | 減る金額 |
法人税 | 15,000円 |
地方法人税 | 1,545円 |
住民税 | 1,050円 |
事業税 | 3,500円 |
特別法人事業税 | 1,295円 |
消費税 | 9,091円 |
合計 | 31,481円 |
お金が10万円でていく代わりに、税金が31,481円へる。
実質的な負担は差額である68,519円だ、ということができます。
いっぽう、経費をつかわなければ10万円がでていかない代わり、税金が31,481円ふえる。
なので手取りが68,519円ふえる、ということもできます。
利益が600万円のとき
利益が600万円のときは、税金は次のとおり減ります。
税目 | 減る金額 |
法人税 | 15,000円 |
地方法人税 | 1,545円 |
住民税 | 1,050円 |
事業税 | 5,300円 |
特別法人事業税 | 1,961円 |
消費税 | 9,091円 |
合計 | 33,947円 |
今回は税金が33,947円へります。
実質的な負担は差額である66,053円。
もし経費をつかわなければ、手取りは66,053円ふえることになります。
利益が1,000万円のとき
利益が1,000万円のときは、税金は次のとおり減ります。
税目 | 減る金額 |
法人税 | 23,200円 |
地方法人税 | 2,389円 |
住民税 | 1,624円 |
事業税 | 7,000円 |
特別法人事業税 | 2,590円 |
消費税 | 9,091円 |
合計 | 45,894円 |
今回は税金が45,894円へります。(実質的な負担は54,106円)
もし経費をつかわなければ、手取りは54,106円ふえる。
ここまでをまとめると、次のとおりです。
利益 | 減る税金 | 実質的な負担 |
300万円 | 31,481円 | 68,519円 |
600万円 | 33,947円 | 66,053円 |
1,000万円 | 45,894円 | 54,106円 |
法人税率があがる「利益800万円の壁」は大きいですね。
もし経費をつかわなければ、「実質的な負担」と同じだけ手取りがふえていたことも意識しましょう。
ところで、経費をつかえば売上や利益はふえるはず……
直接的に売上につながらなくても、会社にとって何かよいことが起こっていたはず……
こんな視点も忘れないようにしましょう。
まとめ
会社の経費が10万円ふえると税金・お金にどんな影響があるか計算しました。
税率がこまかく分かれていますが、法人税率があがる利益800万円は節税をかんがえるときに意識すべきです。
ただ、経費は基本的には売上につなげるものです。
経費を「投資」に置き換えたとき、見返りが「税金がへる」ではちょっと寂しい気もします…(;^ω^)
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。
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