数字は正確じゃないほうが役に立つかもしれない

決算書を見てもよく分からない、というのは当たり前の感覚じゃないかな、と思います。

 

利益の計算が分かりにくい

売上ー経費=儲け

会社がいくら儲かっているのかは、このように計算します。シンプルですよね。

 

ただ、この計算、実際は次のような様式の損益計算書を使って行います。

 

最初の算式のイメージからずいぶん離れてしまった感じがありますが、会計のルールにより、次の順番で儲けを計算するようになっているのです。

  1. まず、本業の儲けを計算する
  2. 本業ではないが、継続的に発生するものを加味する
  3. 臨時のものを加味する
  4. 最後に税金を引く

 

この順番があることにより、会社の稼ぐ力が見えやすいようになっています。

すべてを一緒くたにしてしまうと、本業の力、臨時的な土地の売却などがごちゃまぜになるので、会社の能力の判断が難しくなります。

 

このあたりのこと、理屈としては分かると思います。

ただ、数字にまだ慣れていない、または強くない方が、いきなり損益計算書を見たときってどう感じるでしょうか。

 

正確じゃなくてもよいので

外を歩いているときに、木を見ることって普通にありますよね。

 

特に意識しなくても、木の全体像がなんとなく分かっている、見えている、と思います。

中には「葉の色がいいね!」から入って、全体像は気にしないこともあるかもしれませんが……

 

損益計算書を見たときに、木と同じように、パッと全体像が目に入ってくるものでしょうか?

会計の書類って、とにかく細かく、見にくいです。

「10,000」みたいなゼロ並びの数字はとてもレアで、「21,928」みたいなバラバラの数字でほとんどが構成されています。

言葉のほうも漢字ばかりで、読みにくい。

 

数字を把握する・理解するために大事なのは、まず全体像をつかむことです。

そのためには、損益計算書をざっくりまとめてみましょう。

損益計算書は本業・本業じゃない部分などに分かれていますので、全部ではなく部分ごとでも構いませんし、縦向き・横向きどちらでもよですし、この図のようでなくても問題ありません。

ただ、数字だけより図を使った方が、イメージがつきやすいかもしれないです。

また、「21,928」みたいな数字は「21,000」あるいは「2万」とざっくり丸めましょう。

あくまで全体像をつかむためですが、数字に強くなる方法の一つに「数字をいじる」という方法もありますので、実際に手を動かすのもおススメです。

 

全体像が見えなければ、正確さは役に立たない

全体像をつかまずに「人件費が……」「交際費が……」と気にするのは、葉っぱの部分だけを見ているのと同じです。

新しい枝の葉っぱなら育てなきゃとなるかもしれませんし、剪定した方がいい枝なら検討が必要かもしれません。

そして、幹はどうでしょうか。

枝が多すぎるのか、少ないのか。

また、場合によっては、土壌も気にする必要があるかもしれませんよね。

 

数字は正確でなければならない、という意識はやっぱり大事ですが、正確さを求めれば求めるほど、見にくく・分かりにくくなっていく傾向があります。

数字を経営に役立てるために、まず大事なのは全体像をつかむことです。

そのためには、あえて正確さの逆をいくことも必要です。

 

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