住民税が非課税になる条件は?
コロナが発生してから、給付金や補助金などに関心をもつかたがふえた印象をうけています。
これら給付金などをうけるためには「住民税が非課税であること」が条件となっていることもよくあります。
住民税が非課税になるには、どんな条件をみたせばよいのかを解説します。
住民税が非課税とは
個人にかかる住民税は、次の2つのものからなっています。
- 所得割……収入にかかるもの
- 均等割……そこに住んでいるだけでかかるもの
住民税が非課税というのは、この両方なのか、どちらか一方でよいのか、と気になるところです。
というのも、「住民税が非課税であること」が給付金などをうける条件になっていることがあるからです。
もし収入がゼロなら、均等割だけをはらうことになる。
こういう仕組みなので、住民税が非課税というのは、次の2パターンあります。
- 所得割だけが非課税
- 所得割・均等割ともに非課税
収入がゼロなら、所得割は自動的に非課税になるわけなので、所得割・均等割ともに非課税になるほうがハードルは高くなっています。
(条件は後記しますね)
なお、給付金の条件は「所得割・均等割ともに非課税」になっていることがおおい印象ですが、パンフレットなどをみると「均等割が非課税」という記載もみかけます。
これは「所得割・均等割ともに非課税」の意味ですので、こんがらないようにしましょう。
住民税が非課税になる条件は?
住民税が非課税には2パターンありますが、かりに収入があったとしても、その収入自体が非課税のこともあります。
住民税がかからない収入ですが、たとえば次のようなものです。
- 障害年金や遺族年金
- 雇用保険の失業給付
- 生活保護
- 通勤手当(月15万円まで)
- 相続や個人からの贈与(相続税や贈与税はかかる)
- 児童手当、出産手当金 など
下記の説明では、これらの収入をのぞいて条件を考えましょう。
所得割・均等割ともに非課税になる条件
住民税は、去年の収入をもとに計算されたものを、今年に支払います。
そのため、収入の条件などは、かならず「前年中の」という枕詞がついています。
また、住民税は、今年1月1日に日本に住んでいるとかかる税金なので、収入以外の条件については1月1日時点であてはまるかどうか、と判断します。
次の3つのどれかにあてはまると、所得割・均等割ともに非課税となります。
- 生活保護をうけている
- 障害者、未成年者、寡婦、ひとり親で、前年中の合計所得金額が135万円以下
- 前年中の合計所得金額が、次の金額以下
配偶者・扶養親族がいない……45万円
配偶者・扶養親族がいる……35万円×(配偶者+扶養親族の数+1)+31万円
※ 配偶者や親族は、生計を一(おなじ一つの財布で暮らしている)にしている必要があります。
合計所得金額とは……?
住民税は、所得税とおなじく、すべての収入をまとめて所得を計算するわけではありません。
不動産収入、給与収入、事業収入、副業収入など、それぞれ別々に「収入ー経費=所得」と計算し、それから合算します。
つまりは所得のことなのですが、別々に計算するという前提があるため「合計所得金額」という言葉が存在するのです。
もし収入が給与だけなら、所得割・均等割ともに非課税となる金額の上限は、次のとおりです。
なお、上記の算式にある「35万円」「31万円」といった数字は、生活保護法における級地区分が基準となっているため、お住まいの自治体により変わる可能性があります。
東京都23区、西東京市、武蔵野市、東村山市では上記の数字ですが、そうでない場合は市区町村の役所にて確認しましょう。
所得割だけが非課税になる条件
前年中の「総所得金額等」が次の金額以下なら、所得割は非課税となり、均等割だけがかかることになります。
- 配偶者・扶養親族がいない……45万円
- 配偶者・扶養親族がいる……35万円×(配偶者+扶養親族の数+1)+42万円
配偶者・扶養親族について、生計を一にしているという条件は、上記とおなじです。
算式も一見おなじようにみえますが、合計所得金額ではなく「総所得金額等」という言葉にかわっています。
これは、過去の損失と相殺したあとの合計所得金額、という意味の言葉です。
フリーランスとして事業をしているときは、赤字の年もあったりします。
その赤字は、将来3年以内に黒字となったときに、その黒字から差し引くことができ、その黒字の年の税金をへらすことができるのです。
これを、過去の損失と相殺、と表現しました。
また、算式中の「35万円」「42万円」といった数字は、東京都23区、西東京市、武蔵野市、東村山市のものですので、そうでない場合はお住まいの自治体にてご確認ください。
まとめ
住民税が非課税になる条件について解説しました。
住民税が非課税であることは、給付金などの条件にあげられることもありますが、給付金そもそもの情報はテレビなどで宣伝されることはありません。
ときどきでよいので、お住まいの自治体のホームページなどを確認してみましょう。
※ 記事作成時点の情報・法令等に基づいています。
当事務所のサービス