消耗品費と事務用品費の違い・科目を分けるべきかの判断基準

消耗品費と事務用品費はキッチリわけなくても問題ありません。

消耗品費に統一してもよいのです。

両者の違いと分けるべきかの判断基準について解説します。

 

消耗品費と事務用品費の違い

会計ソフトには、初期設定で「消耗品費」と「事務用品費」が用意されていることが多いです。

この2つは、どちらも似たようなものです。

 

金額が小さく、短期間でつかいきれるもの。

備品や固定資産のように減価償却しないもの。

これらを「消耗品費」や「事務用品費」として経理するのです。

 

この2つの違いは、「事務作業につかうかどうか」だけです。

大きく「消耗品費」というくくりの中に「事務用品費」が存在するのです。

 

消耗品費はたとえば……

  • 机、椅子、パソコンや周辺機器、カメラ、携帯電話、キャビネット、ロッカー、ホワイトボード、時計、観葉植物、加湿器、スリッパ、タオル、トイレ・清掃用品、洗剤、電池、電球、ティッシュ、ゴミ袋 など

 

事務用品費はたとえば……

  • ペン、消しゴム、修正テープ、ノート、メモ帳、封筒、クリップ、のり、テープ、穴あけパンチ、ホッチキス、はさみ、カッター、ファイル、電卓、印鑑、朱肉、請求書・領収証、コピー用紙、インク など

 

さて、この2つの科目を分けなければいけないのか……

 

科目を分けるべきかの判断基準

消耗品費と事務用品費は、分けないといけないわけではありません

事務用品費をつかわずに、消耗品費に統一してもよいのです。

そもそも科目は、よほど奇抜なものでないかぎり自由に決めてもよいからです。

 

もし消耗品費に統一するなら、ムダな時間や手間がけずれます

 

買い物をするとき、消耗品費と事務用品費を分けて買ったりはしないと思います。

「なんでわざわざ…」と思うのが自然ですよね。

 

その買い物の後で、もし分けて会計ソフトに入力するなら、1枚のレシートを電卓をたたいて分けなければいけません。

使い道をかんがえると、ときには迷うときもあるでしょう。

この時間をムダに感じないでしょうか。

 

また、「金額がどれくらいか」という視点もあります。

次のようにすくない場合には、経理の手間をはぶいて簡単な方法でやってもよいというルールになっています。

(ちょっと極端にしています…)

 

逆に、次のように大きくなっているときは、分けたほうがよいでしょう。

これくらいになってきたら、お金の使いかたを考える余地があるので。

 

その他にも、次のようなときは分けた方がよいです。

  • 金額がちいさくても「事務用品費」として予算や計画をたてているとき
  • 「事務用品費」がいくらかを知りたいとき
  • 今はすくなくても将来おおくなる予定のとき

 

ここまでを踏まえて、「消耗品費」と「事務用品費」を分けるかどうかを判断しましょう。

分けるのは義務ではなく、経営者それぞれが決めてよいのです。

 

なお、消耗品費や事務用品費に次のものがふくまれているときは、それぞれの科目で経理しましょう。

  • 広告宣伝費……チラシ、ダイレクトメールなど
  • 交際費……贈り物

これらは経営において重要な位置づけのものなので、後日に振り返るときのためにも分けておいたほうがよいでしょう。

 

まとめ

消耗品費と事務用品費はキッチリわけなくても問題ありません。

消耗品費に統一してもよいのです。

 

  • その作業はムダな時間ではないか
  • その数字は経営の役に立つか

このような観点から、経営者それぞれが決めるものなのです。

 

※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。