【初心者向け】経営分析とは。どう目標をたてるか
経営分析は、事業がうまく回っているかをチェックするためのものです。
とうぜん「目標に照らして」チェックします。
その目標をたてること自体が難しいので、たてかたについても考えてみましょう。
最後に、無料でできる経営分析をご紹介します。
目次
経営分析とは
経営分析は、事業がうまく回っているかをチェックするためにおこなうものです。
もちろん、得られた情報を、経営に役立てること前提で。
決算書や試算表をそのまま見るのではなく、あるものを細分化したり、いくつかのものの関係を考えてみる。
すでに持っている決算書などを、切り口をかえて見るわけです。
すると、今まで見えていなかったものが見えてくることもあります。
自分の行動や判断を、どうすればよいかのヒントが見つかるかもしれません。
自分が知らなかったことや、思わぬ落とし穴を発見することもあるかもしれません。
もちろん、すでに「怪しいな」と感じていることがあれば、その確認もできます。
これが経営分析です。
いわば、事業にとっての「健康診断」のようなものなのです。
もし問題がなければ、安心するでしょう。
かりに問題があったとしても、それに気づけば、対策をすることができます。
いずれにしても、自分の事業をより深く知ることにつながります。
そもそも分析とは、ある数字をどのように見るか・どう判断するかということです。
「その数字が苦手…」と感じていれば、ちょっと抵抗があるかもしれませんね。。。
でも、分析をするにあたり、どうしても数字をいじることになります。
それが、数字に強くなるきっかけでもあるのです。
どう目標をたてるか
経営分析は、「なにかに照らしてどうなっているか」と判断するものです。
つまり、なんらかの目標が必要なのです。
でも、将来はどうなるか分からないもの。
「利益は○○円欲しい」とハッキリ言えるかたは、意外に少数派です。
「お金が足りなくなるのは避けたい」とは誰もが思うものの、目標自体をたてることが難しかったりします。
なんとなく決めても、やる気にならないですからね。
なので、どう目標をたてるかについて、考えてみましょう。
いきなり一つの目標をたてられるとは、思わないほうがよいです。
次のことを検討してからにしましょう。
- 利益が、ぴったり「ゼロ」になるライン
- 最低限、必要な利益
- 目標を分けてみる
- 銀行の利率
- ツッコミを入れてもらう
利益が、ぴったり「ゼロ」になるライン
利益が「ゼロ」になる状態をかんがえてみましょう。
得もしないし、損もしない。いわば現状維持です。
このときの売上を、「損益分岐点の売上高」といいます。
でも、この状態を目指してほしいわけではありません。
このラインを超えれば、黒字になる。
達しなければ、赤字になる。
このことを意識するために、活用するものです。
最低限、必要な利益
- 生活費として○○円は必要
- 借入れ金がある
- 将来、○○円の出費を予定している
このようなときは、先ほどの「損益分岐点の売上高」を応用しましょう。
利益や固定費に、それぞれ必要な金額を織り込むのです。
そうすれば、必要な売上まで判明します。
目標を分けてみる
目標がハッキリしていても、現実的ではないこともあります。
こんなときは、目標を何年かに分けてみるのも一つの手です。
もちろん、目標を分けるにあたり、次のことは検討しておきましょう。
- 売上……単価・客数・リピート率にわけて、それぞれの改善方法を
- 粗利……仕入れなど変動費を改善できないか
- 固定費……ムダを削りつつ、販売促進の方法を
銀行の利率
手持ちのお金を、銀行にあずけていれば、黙っていても利息のぶん、お金は増えます。
その利率はどれくらいでしょうか。
もし、事業の利益が、この利率を下回るのなら……
事業はやめて、銀行に預けておいた方がトクともいえます。
あるいは借入金の利率。
お金を借りているなら、この利率による利息分もうわまわる利益をだしたいものです。
もちろん、事業はお金ですべてが図れるものでもありません。
自分の存在にもかかわってきますし。
ただ、こうした利率も、目安や参考にすることはできるのです。
ツッコミを入れてもらう
目標は、つまるところ「将来どうなりたいか」ということです。
おそらく、誰でも漠然としたものは、持っているはずです。
でも、「笑われるかも」など一般常識的なものや世間体がジャマしたり、「ムリかも」と自分で勝手に壁をつくってしまうこともあります。
いろんな経験をつめばつむほど、そうなりがちです。
目標はあるものの、それを数字におきかえることを途中で止めているだけかもしれないのです。
事業における目標は、お金や利益のように、数字におきかえなければなりません。
その数字化する過程は、「なぜそう思うのか」の繰り返しです。
繰り返せば繰り返すほど、数字に近づいていきます。
この繰り返しは、自分の頭のなかを掘っていくだけですが、気力と体力をつかいます。
たとえば、だれかに伝わるように文章を書くようなものです。
あるメールを書くのに、気がついたら30分かかっていた経験などないでしょうか。
自分の頭のなかを掘るのは、それと似ています。
ただメールと違い、目標をハッキリさせるのは30分では済まないこともあります。
そんなときは、だれかに手伝ってもらいましょう。
「なぜそう思うのか」って、ときにはイヤな質問です。
考えたくないことをグリグリされるようなこともありますので。
でも、だれかに言われたら、ほとんど強制的に考えなくてはいけません。
ひとりでは難しいことも、環境をかえてみたらスッキリいくこともあったりしますから。
無料でできる経営分析
最後に、無料でできる経営分析を2つご紹介しておきます。
- 経営自己診断システム 中小機構
- ローカルベンチマーク 経済産業省
どちらもコピペして、検索してください。
気をつけてほしいのは……
こうした経営分析をみると、「○○しなければならない」という気持ちになりがちです。
経営というのは、お金に困ることがなければ、正解はないものといえます。
「わが道をいく」という選択肢だってあるわけです。
もし利用するなら、あくまで参考として…と思っておきましょう。
結局のところ、目標は自分のなかにあるものですから。
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。
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