宝くじに税金はかからないが、福引にはかかる

  • 宝くじに当たったんだけど、税金はかかるのだろうか……?

宝くじにあたっても、税金はかかりません。

なお、宝くじと似たものに福引がありますが、この福引には税金がかかります。

 

宝くじに税金はかからない

個人で収入があると、次の税金の心配があります。

  • 所得税
  • 住民税
  • 事業税
  • 消費税
  • 贈与税・相続税

宝くじに当たっても、これらの税金はかかりません。

以下、順番にみていきましょう。

 

所得税

宝くじは「当せん金付証票法」という法律で、売ることができる団体や運用などについて定められています。

そのなかで、所得税について次のように触れています。

  • 当せん金付証票(=宝くじ)の当せん金品については、所得税を課さない。(当せん金付証票法 第13条より)

 

なので、宝くじで当たっても所得税はかからないし、申告も必要ありません。

このことは、宝くじの裏面にも書いてあります。

 

住民税

所得税はかからないけど、じゃあ住民税は……?

「所得税と住民税がかからない」と書いてあればよかったんですが、ちょっと気になります。

 

でも、住民税もかかりません。

というのも、基本的に所得税がかからないものは住民税もかからない、というルールになっているからです。

  • 住民税は、所得税の計算の例により算定するものとする。(地方税法 第32条2項を意訳)

 

税金は、すべて一つの法律にまとまっているわけではありません。

所得税は所得税法、住民税は地方税法。

税金をうけとる団体が税務署だったり市区町村だったりするので、まとめてしまうと税金の運用にも自由がきかなくなってくるんでしょうね。

そんなわけで、それぞれの税金が気になるときは、それぞれの法律を渡り歩くことになるのです。

 

事業税

事業税は、業種によりかかる・かからないが定められています。

結論からいえば、事業税はかかりません。

 

宝くじを買って、当せん金でやっていく事業……

これは、存在しないでしょう。

というのも、利益がでる見込みがないからです。

「当せん金付証票法」では、次のようにも定めています。

  • 宝くじの当せん金品の総額は、その発売総額の五割に相当する額をこえてはならない。(当せん金付証票法 第5条より)

 

つまり、宝くじの売上の50%以下が当せん金にまわされるわけです。

たまたま当たっても、長くやっていれば必ず赤字になってしまう……

事業というのは、継続しておこなっていくものですし、その目的は稼ぐことでもあります。

なので、宝くじの当せんを狙ってやっていく事業は成立しないし存在もしないでしょう。

つまり、事業税もかからないのです。

 

なお、この記事は個人を前提に書いていますが、もし宝くじを買ったのが会社なら、当せん金には法人税などがかかってしまいます。

個人の税金と違い、会社の税金はすべての収入にかかるからです。

(会社で宝くじを買うことはないと思いますけどね……)

 

消費税

消費税は、モノを売った・貸した、サービスの提供をしたときにかかります。

宝くじの当せんとひきかえに、これらのことは起こらないため、消費税はかかりません。

 

贈与税・相続税

宝くじを買ったのが自分なら、贈与税も相続税もかかりません。

これらの税金は、個人から個人に、お金など財産がタダで移ったときにかかるものだからです。

なので、もし宝くじの当せん金を誰かにあげれば、贈与税がかかってしまう……

このような仕組みになっています。

 

福引には税金がかかる

宝くじとすこし似たものに、福引があります。

商店街の福引やイベントのビンゴ大会、新年会・忘年会などでのくじびき など。

当たると現金やギフトカード、景品などがもらえたりするものです。

 

これらは、宝くじと違い、所得税・住民税がかかります。

宝くじのルール「当せん金付証票法」にも載っていませんしね。

 

そこで、所得税・住民税の対象になるのですが、基本的には一時所得となります。

(会社のイベントで、従業員しか参加しないようなときは給与となります)

ちなみに、競馬で当たったときも、原則としてこの一時所得です。

 

この一時所得は、事業収入とは違い、次のように計算します。

  • (収入ー経費ー50万円)×1/2

 

収入が50万円以下なら、税金はゼロです。

所得税・住民税の対象にはなるけれど、結果として税金がゼロになる、ということなのです。

なお、当たったものがお金やギフトカードなら、その金額=収入ですが、モノの場合はそのときの時価が収入となります。

高価なものが当たったら、「いくらで買ったの?」とイベントの主催者に聞いておきましょう。

 

まとめ

宝くじにあたっても税金はかかりません。

その宝くじに似ている福引には、税金がかかります。

〇億円とか当たったら逆に怖くなりそうですが、それにしても還元率が低すぎでは?と思ってしまいますよね。

 

※ 記事作成時点の情報・法令等に基づいています。