インボイスの書き方・留意点をサンプル付で解説
- インボイスってなに?
- インボイスの書き方は?
- インボイスを作るのに必要な情報や気を付けることってなに?
インボイスは、相手に、消費税率や登録番号など消費税に関する情報を伝えるものです。
その内容により、相手の消費税の納税額が変わる可能性があるため、相手にとっては大事なものなのです。
どんな内容を書くのか、作成時の留意点などを解説します。
インボイスとは
インボイスとは、売り手が買い手に、消費税率や消費税額、登録番号などを伝えるものを言います。
正式には「適格請求書」と呼びます。
請求書というと「代金はいくらです」ということを伝えるものですが、インボイスが伝えるのは消費税に関する情報です。
ですので、インボイスには、請求書だけではなく、領収書や納品書・レシートなども含まれます。
結局は、相手に消費税の情報が伝わればよいので、取引をするなかで最初のコンタクトのときに伝えるのがよいでしょう。
普段から請求書は作らず、領収書しか作っていない場合には、わざわざ請求書を作る必要もないのです。
領収書に、必要な情報を盛り込めばよいので。
ただ、インボイスがないと、相手の消費税の納税が変わってしまいます。
今までの請求書とは少し内容が変わるため、早めに準備しておきましょう。
今までの内容に少しプラスするだけですので、インボイス制度が始まる前から使っても問題ありません。
また、インボイスを作るのに必要な登録番号は、税務署への申請が必要です。
記載内容は?
インボイスに必要な記載内容は、次のとおりです。
- 自分の氏名または名称
- 自分の登録番号
- 取引の年月日
- 取引の内容(軽減税率8%の対象なら、その旨も記載します)
- 税率ごとに区分した合計金額(税抜き又は税込み)
- 税率
- 税率ごとに区分した消費税額
- 相手の氏名または名称
※ 赤字で記載しているところが、今の制度と変わる箇所です。
軽減税率(8%)の対象になるものを扱っていなければ、次のような様式も考えられます。
必要な記載内容を、赤字にしておきますね。
不特定多数の方と取引をする場合
小売り業や飲食業、タクシー業のように、不特定多数の方と取引をする場合は、次の2点を省略できます。
これを「適格簡易請求書」と呼び、インボイスとして認められます。
- 相手の氏名または名称
- 「税率」と「税率ごとに区分した消費税額」のどちらか一方
消費税の端数処理
消費税の計算で端数がでるときがあります。
その端数処理は、それぞれの商品やサービスごとに行うのではなく、1つのインボイスにつき1回だけ行います。
もし、1つのインボイスに10%と8%の両方があるときは、10%分について1回、8%分について1回と計算します。
なお、端数処理の方法は、切り上げ、切り捨て、四捨五入のどれを使っても問題ありません。
手書きでも大丈夫
必要な情報さえ盛り込まれているなら、インボイスとなります。
インボイス制度の導入にあたり、いろんな広告などで「ちゃんとしてないとダメなんじゃないか」という印象を受けるかもしれませんが、中味に問題なければ、様式などは何でもよいのです。
普段からパソコンを使っているなら、Excelで作るのが簡単ですよ。
請求書などをデータで渡す場合
請求書などは、PDFにしてメール添付で相手に送ることもあります。
令和6年(2024年)からは、紙ではなくデータ「のみ」でやり取りする請求書などは、そのデータの保存が必要となります。
インボイス制度のルールではなく、電子帳簿保存法のルールです。
請求書などを、相手にデータでしか渡さない場合は、そのデータを保存するようにしましょう。
まとめ
インボイスとは何か、その記載内容や留意点を解説しました。
現行の請求書や領収書に、少し情報をプラスするだけですので、そこまで難しいものではないはずです。
しかし、インボイスの有り無しは、相手の消費税の納税に影響を与えます。
この記事を書いている時点で「インボイス制度はホントに始まるのか?」という趣旨のニュースなどが流れることもありますが、必ず始まるものだと思って準備だけはしておきましょう。
※ 記事作成時点の情報・法令等に基づいております。
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