100円の価値が変わるのはなぜか

お金は、使いかたによって価値が変わります。

良い使いかたのヒントは、過去にあるはずです。

 

100円でも正確じゃないとダメなとき

消費税のよくある間違いに、次のことがあります。

  • 中間納付が、100円ズレている

 

中間納付とは、確定申告の前払いのこと。

確定申告をするときは、中間納付をひいた残りを払います。

その中間納付がズレていれば、払う金額もズレてしまう。

ということで、税務署から「100円ちがいますよ」と電話がくることになるのです。

 

なぜ100円ズレるのか…?

中間納付は、前期の実績により決まることが多く、その半分や1/4などと説明されます。

ただ、その計算過程では、割ってから掛けるのがルールです。

 

そして、たとえば半分というのは、正確には6/12です。

12で割るとスッキリ割り切れないことが多く、円未満が「.33333333…」などになりがち。

また、消費税は10%ですが、国の消費税(7.8%)と地方消費税(2.2%)に分かれます。

このあたりの細かい計算で、100円のズレがでてしまうのです。

 

100円といえば、もはや自動販売機で飲み物も買えない金額。

とはいえ、ことは税金です。

100円でもズレれば、残念な気持ちになりますよね。

 

そのほか、給与明細と振り込みが、100円ズレている。

こんなことも、あるかもしれないですね。

 

給与は、税金や社会保険のせいで、どうしてもキリのいい数字にはなりません。

計算も、気をつかうものです。

たまにはミスがあるのも、経理の側の人間としては分かります。

こまかい数字ばかりみていると、神経がすり減りますから。

本を読んでいて、中味が頭に入ってこないような状態になることもあるのです。

 

とはいえ、ひとに渡すお金は、やはりピッタリじゃないと、なにかと問題になってしまいます。

たとえ100円でも、正確じゃなきゃいけない場面は、意外に多いのです。

 

ところで、正確な100円って、いったい何なんでしょうね…?

 

100円の価値が変わるとき

洗濯が終わった後で、洗濯機の底に100円が転がっていることがあります。

ポケットに入れたまま洗濯したんでしょうね。

見つけた瞬間、ポケットに入れたままのことを反省するより、「ラッキー」と思うんじゃないでしょうか。

 

100円ですから微笑ましいでしょうけれど、100円つかったときよりも嬉しくなります。

もしお札だったら…

こう考えれば、さらに。

 

場面を変えて…

あるお店で100円で売っているものが、他のお店では200円。

野菜やお菓子なんかでは、割とありそうですよね。

 

さて、どちらのお店で買うか。

暑い日、寒い日によっても変わるかもしれません。

ポイントカードや、他に買う予定のもの、場所などかかる時間の違い。

大げさな…と思うでしょうが、お小遣いが500円の子どもだったら、きっと悩むはず。

 

ところが、もっと大きな買い物をするとき。

あるお店では、100万100円。

他のお店では、100万200円。

こうなると、もうどっちで買ってもいいや…となりがちです。

わざわざお店を選ぶ手間がもったいなく感じるのではないでしょうか。

 

ここまで、どれも正確な100円、あるいは正確な100円の違いです。

それなのに、気持ちや、100円つかって得られるもの、100円に対するスタンスはそれぞれです。

おなじ金額に対して、なぜこうも変わるのか。

 

お金の価値

お金を得るのは、大変です。

なので、ずっと自分のもののままで、増える一方ならよいのに…と思ってしまいます。

いっぽうで、事業では先にお金をつかわないと、入ってこないのも道理。

この2つの違いは、お金に支配されるか、お金を操るか。

こう言えるのかもしれません。

 

支配されていれば、執着するもの。

いっぽう操ることを考えるのなら、お金をつかった後のことを想像するはず。

 

もちろん、将来なにが起こるか分からないから、貯金も大事です。

それに、ムダな税金を払うのも、やめた方がよいこと。

 

それでも、お金はやっぱり道具です。

それをつかい、何かを得るためのもの。

お金は、向き合いかたや使いかたで、価値が変わります。

その価値をつくるのは、自分だったりするわけです。

 

過去に「これは良かった」というものはないでしょうか。

それがきっと、ヒントです。

 

※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。