決算書が読めなくてもダメではないが、最低限気にして欲しい3つの事

決算書が読めないんだけど……

数字の事が良く分からない……

こういう声はよく聞きますし、よく分からない事があると気になりますよね。

 

決算書が読める、とは

どんな立場から見るかによっても「読める」という意味は変わります。

経営者としての立場からですと、数字を見て良し悪しが判断できること、と言えます。

 

でも、何に照らしての良し悪しなんでしょうか。

決算書を見る前に、自分なりの基準を持っていないと、良し悪しを判断できないですよね。

もちろん、市場にある程度の情報が出回っているので、他の会社に比べると……一般的には……という情報は手に入ります。

でも、そういう基準で満足できるでしょうか?

 

○○したかったんだけど、~~のため、△△だった……

××の予定だったんだけど、~~があって、□□になっちゃった!(喜)

例えばですが、それぞれの箇所に数字をあてはめて言えることが、決算書を読めること(経営者バージョン)です。

 

そのためには、自分が欲しいこと・やりたいことを数字で表現する必要があります。

決算書を見る前に。

これが基準になるので、基準が出来ていないうちは、決算書が読めなくてもダメじゃないのです。

 

始めのうちは、この基準もざっくりで大丈夫です。

ただ、状況に応じて軌道修正はしましょうね。

修正の回数に応じて、決算書の理解も進みますから。

 

気にして欲しい3つの事

決算書を読むために簿記の勉強をする、というのも一つの方法ですが、使わない知識も多いです。

やって損するとは言いませんが、簿記の勉強をしなくても次の3つの事を気にすれば、決算書の理解が早まるだろうなとおススメしています。

お金の増減と利益

お金の増減と利益は、ほとんどの場合、一致しません。

 

なぜか?

ここに、経理のややこしさが詰まっています。

完全に独りで100%スッキリするまで考えるなら、膨大な時間と労力が必要かもしれないので、9割がた一致していれば気にしないのもアリです。

ただ、この点を気にすることが、経理の理解につながることは間違いナシです。

※ お金の増減を知るには、連続2期の決算書か、その期の試算表が必要です。

 

未払い・未収のもの

決算書では、未払○○とか買掛金・未収○○とか売掛金として載っているものです。

これらは、将来お金が出ていく・入ってくる、というものです。

 

あれ、お金足りるかな?

将来○○が起こるのね……

こんな感じで将来の事を考えるというのは、とても大事です。

 

もう少し進めると……

将来○○だから、今は△△しなきゃ

将来□□したいから、今は△△しなきゃ  となります。

この「今は△△しなきゃ」が決算書をみるときの基準になるのです。

 

お金の残高(家族経営ならでは)

これは、数字の理解というより、問題を解消するのが大変だ、という観点からのものです。

 

自分の財布にお金がないから、ちょっと会社の口座から……

会社にお金がないから、自分の財布から……

一人社長や家族経営の場合、こういう事ってあると思います。

 

これらは、会社にあるはずのお金がない・ないはずのお金がある、ことの原因なんです。

これを繰り返すと、年数や経費の金額にもよりますが、帳簿に載っているお金の残高が尋常じゃない数字になったりすることがあります。

特に、融資を受けるときにどうにもならない状況になったりします。

(参考記事)会社のお金は他人のお金、です

小まめにチェックして、解消しましょう。

 

※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。