税理士が考える「良い税理士」と探し方のポイント
良い税理士は、相手の希望にこたえてくれます。ときには希望以上に。
その希望を言葉や数字におきかえるところから手伝ってくれるのも良い税理士です。
技術的なことのまえに、どんなことに着目すればよいのか解説します。
目次
税理士が考える「良い税理士」とは
良い税理士とは、自分の希望または希望以上にこたえてくれる税理士です。
そのため、良い税理士かどうかを判断するには、自分がなにを希望しているかを自覚する必要があります。
「良いと思われることは全部やってくれ」
これは誰にとって良いことなのでしょうか。
良し悪しを判断するのは、税理士ではなく自分自身です。
なので自分がなにを希望しているかを自覚する必要があるのです。
とはいっても、知識や経験などがすくなければ良し悪しの判断はむずかしいです。
また、「自分がなにを希望するかもわからない」こともあるでしょう。
良い税理士なら、自分の希望を言葉や数字にかえる手伝いもしてくれるはずです。
そこで、次のことに着目してみましょう。
- 話を聞いてくれるか
- 分からないことを納得できるまで説明してくれるか
- メリットだけではなくデメリットも説明してくれるか
- 他のことへの影響も説明してくれるか
- 判断をするのは税理士ではないことを知っているか
- 「希望も変わる」ことを知っているか
- 「知らない」に違和感を感じないか
税理士は税金のスペシャリストですが、その前にひとりの人間です。
そして、税理士に依頼するということは、自分の財布のなかみをみせることです。
なので、聞く・話すといった基本的な「人としてどうか」ということがとても大事になるのです。
それぞれのことについて補足していきますね。
話を聞いてくれるか
希望にこたえるには、相手の希望を知らなければなりません。
そして、自分が思っていることを言葉にするのは意外にむずかしいものです。
これを知っているなら相手の話を聞くのは当然ですし、聞き方もちがってくるでしょう。
ここで話を取り違えるようなら、税理士にとっては仕事のスタート地点がズレているようなものです。
最初のコンタクトから「話がつうじているか」は意識しましょう。
分からないことを納得できるまで説明してくれるか
それが何であっても、判断するのは自分自身です。
そのためには、判断のよりどころになることを知っておかなければなりません。
税理士にとって、専門用語をつかわず、かつ、誤解をあたえずに説明するのはむずかしいものです。
自分が知っていることを忘れる作業に似ているので。
ですが、相手に話がつうじているかどうか。
これが説明なので、それを分かっているなら納得できるまで説明してくれるでしょう。
もちろん時間の兼ね合いもあるので「また後日に」ということはあるかもしれませんが。
メリットだけではなくデメリットも説明してくれるか
メリットがあるならデメリットもあるはず……
もちろんデメリットが無くてもよいのですが。
ただ世の中どうしても メリット デメリット となっていることが多いように感じます。
デメリットを説明するのは、メリットばかりが気になっている状態や先入観をフラットな状態にもどすためです。
そうでなければ正常な判断はできないでしょうから。
他のことへの影響も説明してくれるか
ものごとを判断するには、そのことだけではなく他のことへの影響も考えなくてはなりません。
これは良かったけど他がダメになった、という事にならないように。
これが落とし穴とか盲点といわれるものです。
もちろん他がダメになってもよいときはあるでしょうが、知ってやる・知らずにやるには大きな違いがあります。
○○は良いけど、他は……?
これを気にしているかが大事だと考えます。
判断をするのは税理士ではないことを知っているか
税理士にも、税理士なりに「こうしたら良いかも」というのはあります。
ですが、何をどうするかは人それぞれ。
そして、誰でも自分の人生は自分で決めたいものです。
「税理士のいうことを聞かなかったらヘソを曲げられた」
税理士に限りませんが、こういう人とは付き合わないようにしましょう。
「希望も変わる」ことを知っているか
状況が変われば、希望することも変わります。
あってもなくてもお金の悩みはつきない、と言ったりもしますし。
「あのときはこう言っていたのに……」に固執しない、柔軟さも税理士にとっては大事です。
あまりコロコロ変わると困りますけれど……(;^ω^)
「いや~ゴメン!あのとき言っていたこと、やっぱナシ!」
こういうことってあると思います。
税理士にしたら計算の土台が変わるようなもので、場合によってはやり直しです。
人には変わらないところもあるが、変わるところもある。
これを受け入れてくれるかどうか。
もしかしたら、しばらく付き合ってみないと分からないことですが。
「知らない」に違和感を感じないか
税理士にとって「知らない」というのは自信がないといえないことです。
だって知識も税理士の商品なので。
でも、税理士にとって知らないことがあるのも当たり前。
税制改正で毎年知らないことがでてくるので。
税理士にとって、勉強は仕入です。
そして、良い税理士なら勉強は欠かさずやっています。
そんな良い税理士なら、相手の希望にこたえることができないときは「他のかたに頼んでくれ」というでしょう。
「知らない」が自信なさそうに聞こえるか、違和感を感じないか、相手の目もみて判断しましょう。
良い税理士の探し方のポイント
良い税理士を探すにあたり、これまで書いてきたことを判断するには「会ってみる」ことが欠かせません。
税理士の情報の集め方については、一般的には次のとおりです。
- インターネットで検索する
- 誰かに紹介してもらう
- 税理士紹介会社を利用する
- 税務署にある看板 など
より詳しくは、こちらの記事も読んでください。
(参考記事)税理士の探し方・情報の集め方は?
しかし、これまで書いてきたことを判断するには、集めた情報だけではむずかしいはずです。
なので「とりあえず会って、話してみる」ことが重要です。
もちろん相見積もりもしましょう。
何人かと会ってみるのです。
時間はかかるかもしれませんが、自分の財布のなかみを見せる相手です。
慎重になり過ぎてもよいと思います。
場合によっては、単発の相談だけを頼んでみるのもよいです。
「聞く・話す」という税理士の仕事のベースになるものが分かるので。
もし良い税理士だと紹介をうけたとしても、それは紹介したかたにとっての良い税理士です。
なので、やっぱり自分で判断することが大事なのです。
まとめ
税理士が考える「良い税理士」と探し方のポイントについて解説しました。
税理士にも専門分野がありますし、得意・不得意な分野もあります。
ですが、相手の希望にこたえるのが(税理士にかぎらず)良い仕事です。
なので技術的なことのまえに「どんな人か・どんな姿勢か」が重要だと考えます。
税理士は自分の財布のなかみを見せる相手です。
いろいろ書いてきましたが「どんな人だったら見せてもよいか」と考えましょう。
米 記事作成時点の情報・法令・心境に基づいています。
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