初めて税理士に依頼するときに確認すること
初めて税理士に依頼するときは、まず自分にとって必要なことを知る必要があります。
それにおうじて依頼することを決めましょう。
また、後で「こんなはずじゃなかった」とならないように確認してほしいことも、税理士側からお伝えします。
目次
なにが必要で、なにをして欲しいか
初めて税理士に依頼するときは、自分にとってなにが必要かわからないものです。
たとえば会社を運営するなら、毎年これだけの手続きがどうしても必要になります。
ですが、こうした細々としたことを調べ、それから税理士を探すとなると、時間も手間もそれなりにかかってしまいます。
その時間や手間をへらすために、税理士に依頼するわけなのに。
自分にとって必要なことを知るには、とりあえず良さそうな税理士を探し、コンタクトをとってみるのがよいです。
「税理士を探しています。自分にとっては初めてのことなので、依頼をする前に、自分にはどんな税務手続きなどが必要になるか教えてもらえますか」と。
この質問の答えは、5分~10分程度でできるものではありません。
なので電話ではなく、メールまたは対面で行うほうがよいです。
というのも、税理士は次のようなことを踏まえなければ答えられないからです。
- 業種は?
- 場所は?
- これまでの経理の経験は?
- 税理士に依頼するまえの税金関係は?
- 事業の規模・うごくお金の規模は?
- 従業員は?
- 家族は?(事業だけではなく相続・贈与も関係するかもしれないので)
- 融資をうけるのか?
- すでに事業を始めた、会社を設立しているのか?
少なくとも、これくらいの情報を踏まえたうえでなければ、「相手にとって何が必要か」は税理士にもわからないのです。
この過程を飛ばしてしまうと、お互いに「後から知ってビックリ」ということが起こってしまいます。
税理士に依頼すればそれなりの料金もかかるので、しっかり確認するようにしましょう。
想定外のことが起こらないように。
自分にとって必要なことがわかったら、次に「なにをして欲しいか」を検討しましょう。
なかには自分でできること・やりたいこと・やった方がよいことがあるかもしれません。
そして、それにおうじて税理士を選びましょう。
基本的に、税金はだれが計算してもおなじ金額になるはずです。
税金の法律は一つしかないので。
なので違いをうむのは「どんな人間か」にあります。
話をした感じ、相性、信頼できそうか、怖くないか、偉そうじゃないか、どんなスタンスで仕事をするのか、話が分かりやすいか、税金にたいするスタンス。
こうしたことを考えましょう。
税理士には、税金のためとはいえ、自分の財布のなかみを一部または全部みせるようなことになります。
もちろん、いちど依頼をした後でも変更することはできます。
ですが、自分のお金については、あまり多くのひとの目に触れさせたくないものだと思います。
いちどコンタクトをとったからといって、必ずしもその税理士に依頼をしなければならない訳ではありません。
自分に合うかたを見つけるために、複数の税理士に会い、話をしてみましょう。
そして、その際には次のことを確認しましょう。
初めて税理士に依頼するときに確認すること
初めて税理士に依頼するときは、後からの追加料金や「こんなはずじゃなかった」を避けるために、次のことを確認しましょう。
- 料金、支払う時期
- 税理士がやること、自分でやること
- サービスの流れ、打ち合わせの頻度
- 連絡方法
- 契約期間と解約・変更方法
- だれが担当か
- 必要な書類・資料
料金、支払う時期
「毎月ちゃんと料金をはらっているのに、何もしてくれない…」
こんなクレームがあると聞いたことがあります。
これは、もしかしたら決算料を分割ではらっているだけなのかもしれないです。
仕事をするのは決算のときだけで、料金は毎月の分割払いというようなこともあるのです。
「いくらの料金を、いつ払うのか」
サービス内容の確認とともに、確認しておきましょう。
税理士がやること、自分でやること
税理士への依頼は、おおざっぱに次の3通りの形態が主流です。
- 決算と申告のみ
- 継続的なサポートである顧問契約
- 相談のみ
いっぽうで、事業をおこなっていると2か月に1回くらいの割合で、税金にかんする手続きなどが必要になります。
- 税理士がやること
- 自分でやること
依頼をするときは、これらをハッキリさせておきましょう。
料金にも影響しますから。
「頼んだつもりなのに、税理士からなんにも連絡がこない…」
このようなとき、もしかしたら税理士の方では「やってくれていると思っていた」ということだってあり得るのです。
それもこれも依頼をするときの決め事が原因です。
とくにお金にかんする「サービス」の意味合いは、双方で違うことがおおいものです。
お金の話をキッチリすることに抵抗を感じるかたもいますが、後々のトラブルを避けるためにも、仕事の範囲はハッキリさせておきましょう。
サービスの流れ、打ち合わせの頻度
どんなタイミングでサービスがおこなわれるのか、次のようなことを確認しましょう。
- いつ資料を送るのか
- 税理士側では資料を確認するのにどれくらい時間がかかるのか
- 作業の報告はいつ来るのか
- いつ打ち合わせをするのか
- 決算はいつから準備するのか
- いつ納税するのか
- 相談したいときはどうするのか
繰り返しになりますが、「頼んだつもりなのに、税理士からなんにも連絡がこない…」とならぬようにサービスの流れをおさえておきましょう。
(税理士のほうから連絡があるとは思いますが…)
連絡方法
税理士の仕事は、税金の計算だけではなく、そのベースになる打ち合わせも重要です。
それにより、つまりお客さまの意向により、いろんなことが変わってくるからです。
その打ち合わせの最中に電話がきても、状況によっては取れないこともあります。
- 電話は避けたほうがよいのか
- メールのほうがよいのか
- 電話のほうが手っ取り早いから、むしろ電話がよいのか
- LINEなどSNSがよいのか
こうしたことを確認しましょう。
ほとんどないとは思いますが、「連絡がつかない」ことは避けなければなりませんから。
契約期間と解約・変更方法
いちど依頼をした後でも、解約や契約の変更をすることはできます。
おそらく依頼をした時点では、そんなことは考えていないはずです。
でも、いざ解約や変更をするときは、契約にそった手続きが必要です。
「〇ヶ月前までに通知する」といった風に。
場合によってはお金も関係してくるので、念のために確認しておきましょう。
だれが担当か
税理士事務所ではたらいている人の全員が税理士とはかぎりません。
そして、依頼をするときに話をした税理士と、実際に作業や打ち合わせにくるかたが同じともかぎりません。
すると、税理士に頼んだはずなのに、ふだん会うのは税理士ではないということが起こり得ます。
お客さまが多くなれば、税理士がすべてをカバーすることはできないことだってあるからです。
このあたりのことは、税理士事務所それぞれです。
ですが、この「担当制」という仕組みは税理士業界ではスタンダードな形でもあります。
依頼をするときは良い雰囲気だったのに、違うかたが担当になれば、想像とちがうことになるかもしれません。
なので「だれが担当してくれるのか」は確認しましょう。
必要な書類・資料
経理にあたり具体的にどんな書類などが必要になるのかは、徐々に慣れていくのでも大丈夫です。
いっぽうで、受け渡しの方法については確認しましょう。
いまはITの技術がすすみ、必ずしも「紙」ではなく、PDFや写メなどのデータでも問題ないことがあります。
ですが、紙ではない場合、スキャンしたり写メするには思わぬ手間がかかるかもしれません。
慣れないうちは、けっこうな負担に感じるはずです。
経理は、領収書などの書類がなければ何もできません。
その大事な資料の受け渡しについても、どんな手間がかかるのか確認しましょう。
まとめ
初めて税理士に依頼するときは、まず自分にとって必要なことを知る必要があります。
それにおうじて依頼することを決め、サービスの内容について確認をしてから税理士との付き合いを始めましょう。
とりあえず税理士に依頼すればすべてがうまくいくとはかぎらないので、「こんなはずじゃなかった」とならないように確認することも必要です。
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。
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