資金繰りの意味・やる前に理解しておくべきこと

資金繰りとは、お金が足りなくならないように、やり繰りすることをいいます。

悪くなってからではなく、予防としておこなうのが理想です。

その前に、次の3つのことを理解しておきましょう。

  • 利益とお金は違うもの
  • 資金繰り表を活用する
  • 必要なものがすべて手に入るとは思わない

 

資金繰りとは

資金繰りとは、お金が足りなくならないように、やり繰りすることをいいます。

そのためには、どんなタイミングでいくらお金が入ってくる・出ていく、ということを知っておかなければなりません。

過去を知り、将来を予測して。

そのうえで手を打つ。それが資金繰りです。

 

黒字なら資金繰りは必要ないだろう、と思われるかもしれませんが、100%必要ないとは言い切れません。

というのも、事業というのは先に経費があり、売上はその後にくるからです。

まずお金を支払い、それから入金される。

このサイクルの合間に、お金が足りない場面があれば、事業は倒産してしまう可能性があります。

倒産するのは赤字だからではなく、お金がないからなのです。

 

残念なことに、資金繰りの大切さに気がつくのは、状況が悪くなったときが多いです。

お金が足りないから、気づくわけです。

「あの時、つかわなければよかった……」

 

たとえば、病気なら治療して治すこともできますが、お金については相手がいます。

治療して治るまで待ってくれるかどうか……?

悪くなってしまったら治療も大事ですが、悪くならないような予防はもっと大事なのです。

ことお金については。

病気も、治療より予防のほうがお金も時間もかかりませんし。

 

資金繰りをやる前に理解しておくべきこと

ポイントは、次の3点です。

  • 利益とお金は違うもの
  • 資金繰り表を活用する
  • 必要なものがすべて手に入るとは思わない

 

利益とお金は違うもの

収入も経費も、お金の出入りとは関係なく、商品やサービスのやり取りをしたときに計上します。

また、借入金のように、お金を受けとっても収入とはならないものもあります。

その反対に、借入金の返済のように、お金が出ていったのに経費とはならないものもあります。

こまかいことまで挙げればキリがありませんが、「利益とお金は違うもの」と思っておくことが必要です。

 

なぜ、利益とお金を一致させることができないのか……?

お金が入ってきた=収入・出ていった=経費、とすれば、グンと楽になります。

でも、こうすると利益の調整ができてしまうのです。

「利益が出すぎちゃったから、その売上の入金を来年度にしてくれない? 手数料払うからさ」

 

会計や税金のルールは、ある行動をしたとき、誰もがおなじ結果になるようにできています。

そのため、状況により誰かだけがトクをする・利益調整ができてしまう。

このようなことが出来ないようになっているのです。

その結果、利益とお金は違うもの、ということになるわけです。

 

資金繰り表を活用する

お金がどんなタイミングでいくら出入りしたかは、損益計算書や貸借対照表をみてもわかりません。

資金繰りで大事のことの一つに、「あるタイミングで残高が○○円になる」ということを把握することが挙げられます。

お金がたりなくなる前に手を打つためには、この情報が欠かせませんから。

それが、これらの書類からではわからないのです。

そのためには、お金の動きだけを集計した資金繰り表を活用する必要があります。

(参考記事)「会社のお金がよく分からない」から抜け出すために(資金繰り表)

 

もしかしたら、事業の規模がまだちいさいうちは、通帳だけを見ていればある程度の判断はつくかもしれません。

また、事業が安定していて、お金のサイクルが肌感覚でわかっていることもあるかもしれません。

絶対にやらなきゃいけないことでもないのです。

 

ですが、資金繰りの重要さは、悪くなったときに気がつくものです。

自分で実感していないことはやる気がおきにくいものですが、ぜひ検討してみてください。

経理は慣れの部分も大きいですから。

 

必要なものがすべて手に入るとは思わない

これは、スモールビジネスにとって特に大事なことだと感じています。

必要だからといってお金を払っていると、キリがない。

 

事業に必要なものはヒト・モノ・カネといいますが、これがすべて手に入るのは大企業だけと思いましょう。

逆に考えれば、なにかに特化しているというのは、スモールビジネスの良さでもありますから。

それが武器、ですね。

 

なので、まずはお金をかけずに自分でやってみることをおススメします。

というのも、お金を払えばうまくいくわけでもないからです。

何にお金を払うのか、どうして欲しいのか。

これらが、ある程度ハッキリしてからお金を払うようにしたほうがよいように思います。

効果や結果が変わりますので。

そのためには、自分ですこしかじっておくことも必要ではないでしょうか。

 

事業をしていると、営業により持ち上げられることもあります。

それがホントに必要なものかどうかは、よく検討しましょう。

 

まとめ

資金繰りとは、お金が足りなくならないように、やり繰りすることをいいます。

その前提であるお金の動きを把握する・予測する、というところまで含めて。

これは予防だと思いましょう。

悪くなってから気づいても、挽回するには倍以上の労力がかかりますから。

 

※ 記事作成時点の情報・法令等に基づいています。