数字にも賞味期限があるのでざっくりでもよい
経理は、基本的には「今どうなっているか」を知るためにおこなうものです。
そのためには「今」を忘れないうちに試算表などをつくる必要があります。
それが数字の賞味期限なので「細かいところまでキッチリ」ではなく「大きな忘れ物をしない」ことを気にしましょう。
その数字はいつのものか
スーパーなどに買い物にいくと、自分が買うものがいつ作られたのか気になります。
できれば新しいものがよい、と思うかたが多数派ではないでしょうか。
経理はどうでしょう。
いま見ている試算表や決算書は、いつ作られたのか……?
そもそも、試算表などが出来上がるまでにどれくらいの時間がかかるか。
もし、税務署へだす決算書のようにちゃんとしたものを作るなら、どうしても10日程度はかかってしまいます。
商品の在庫を数えるなど決算のときだけおこなう手続きがあるし、間違いがないかチェックするからです。
でも、経営が大筋で問題ないかチェックするための試算表なら、やりようによっては出来上がりはもっと早くすることもできます。
- 会計ソフトの入力は自分でやる
- 経理はためない
こんな条件がついてしまいますが、できあがりを当日にすることもできます。
試算表などにのっている数字は「事業でどう儲けているか」「手持ちの財産はどれくらいか」ということをあらわしています。
数字になれていないと、こんな表現は堅苦しい感じがするかもしれませんね。
もっと身近なところにおきかえると、次のことをあらわしています。
- なぜ財布のなかみが○○円になっているのか
さて、この情報をいつ見ているか……?
数字にも賞味期限があるのでざっくりでもよい
お金は、足りなくなったときにしか気にならないかもしれません。
あるいは、欲しいものがあるときに口座の残高をながめているときかもしれないですね。
もし足りないなら、その原因はいつでしょうか。
もしかしたら、大きな買い物をした昨日かもしれません。
もしかしたら、もっとずっと前かも……
このような原因は、数字にあらわれます。
そして、お金が足りなくなったときに原因をさがしても、足りないという現実は変わりません。
となれば、お金が足りなくならないように普段から気をつかっていなければならない。
そして、そのヒントが数字に隠されているのです。
数字に「お金が足りなくならないようにチェックする」役割をもとめるなら、その数字の賞味期限はお金がある今なのです。
もちろん、数字はほかの場面でも役に立ちます。
- ○○円の利益がほしい
- スタッフを雇いたい
- 車を買いたい
- お金を確保しておきたい
- ムダな経費を削りたい などなど
ただ、こういったことは「今どうなっているか」を基準に考えるものです。
もし数字がでてくるのが1か月後なら、もう変わっているところも多いはずですよね。
「経理はできれば毎日」といいたいところですが、それは難しいのもわかります。
なので「〇日以内」という基準ではなく、「変化を記憶でたどれるまで」に試算表などをつくるように意識しましょう。
このときに細かいところまでピッタリ合わせようとすると、やっぱり時間がかかってしまいます。
大事なのは「大筋をはずさない」こと、そして「賞味期限をすぎない」ことです。
なので大きな忘れ物がなければよい、くらいに考えておきましょう。
ざっくりでもよいのです。
物事はなんでも大筋をおさえるところからはじまります。
いきなり細かいところをみても、大筋がわからなければ細かいことの意味もわからないですから。
まとめ
経理は、基本的には「今どうなっているか」を知るためにおこなうものです。
現状をより良くしたり、悪くならないようにするために。
そのためには「今」を忘れないうちに試算表などをつくる必要があります。
それが数字の賞味期限です。
そのためには「細かいところまでキッチリ」ではなく「大きな忘れ物をしない」ことを気にしましょう。
※ 記事作成時点の情報・法令・心境に基づいています。
当事務所のサービス