お金を受けとらないときに「ありがとうございました」と言うか

「来てくれてありがとう」という意味もあると思うのです。

 

気のない「ありがとうございました」

たまに、コンビニなどチェーン店で買い物をしたときに気のない「ありがとうございました」を聞くことがあります。

クレームじゃないですよ。

頭にきた、ということでもないです。

しょうがないというか、わたしにも事情はわかりますので。

 

というのも、かなり昔にわたしもコンビニでアルバイトをしたことがあるからです。

アルバイトといえども仕事はおおく、時間内は動きっぱなしです。

レジのところに居ればよい、という仕事ではないのす。

 

掃除や冷蔵庫の飲み物補充などは誰かが店のなかにいるとできないので、隙をみて急いでやらなきゃいけません。

また、食べ物には売れる期限があるので、時間がきたら棚から除かなければなりません。

うっかりモレたものがレジにきたとしても、スキャンすると「これは期限切れです」とでてしまうので売ることはできません。

「取り替えますね」と棚にいっても同じものがなかったり……ということもあったりします。

 

けっこう時間に追われながらの仕事なのです。

なので、レジを打ちながら「次はアレやって、コレもやって」と考えてしまうのは当然です。

たまには「ありがとうございました」の裏に「早く!早く!」なんてことがあるのも分かります。

 

この「ありがとうございました」の重さは、独立すると変わるものです。

 

独立してからの「ありがとうございました」

独立すると、業種を問わず、お客さまに来ていただくのは大変です。

たまたまとか運で上手くいくこともあります。

でも、基本的には本業だけではなく営業のことも勉強しなければなりません。

 

勉強したからといって成果がでるとは限らず、いろいろ試してみても空振りに終わることも少なくありません。

恥ずかしい思いをしたり、「やらなきゃよかった」と後悔することもあるでしょう。

 

でも、独立するのは自分の腕に覚えがあったり、お金をたくさん稼ぎたかったり、自由が欲しかったり……

つまり「自分の思うようにやってみたかった」からではないでしょうか。

 

そのためには、営業はどうしても必要なことです。

そんな営業をのりこえて、やっとお客さまが来ていただいたときの「ありがとうございました」

これは独立したかたならではの重みがあるものです。

 

お金を受けとらないときに「ありがとうございました」と言うか

あまり好きではないのですが「お客さまは神様」といいます。

その意味はおいておくとして、もし仕事をしてもお金を受けとらないなら「ありがとうございました」がでてくるか……?

とつぜんの事情で相手のお金に余裕がないこともあり得ます。

 

もしお金を受けとるから「ありがとうございました」なら、それはでてこないはず。

もし来てくれて「ありがとうございました」なら、それはでてきます。

建前ではなく本音のところで。

 

独立した理由はなんでしょうか。

生きていくうえでどうしてもお金は必要ですが、それ以外のところで自分の腕や可能性にそれなりのものを感じていたからではないでしょうか。

 

仕事をするということは、誰かの人生に自分の爪痕を残すようなものです。

かりに爪痕がとても小さいとしても。

その爪痕を残したかったから独立したのなら、「来てくれてありがとうございました」になると思うのです。

 

お金のやり取りがある場面で「お客さまは神様」という言葉がつかわれることもあります。

ですが、自分の腕に多少なりとも自信があれば「お金の代わりにそれなりのものは渡している」という自負はあるはずです。

けっして上下ではなく対等な関係である、と。

 

せっかく独立したのなら、お金に頭をさげるのではなく、「自分」を仕事にしてほしいと思っています。

 

※ 記事作成時点の心境に基づいています。