クリスマスプレゼントやお年玉に税金はかかるのか
通常は、クリスマスプレゼントやお年玉に税金はかかりません。
ですが、世間の相場をこえるときは贈与税がかかる可能性があります。
また、誰が誰にあげたのかにより、ほかの税金がかかる可能性もあったりします。
もらった側・あげた側。
それぞれの視点から解説します。
もらった側
クリスマスプレゼントやお年玉をくれるのは、友人や家族だけとはかぎりません。
そういう名目で、会社(法人)からもらう場合だってあるのです。
誰からもらうかによって、税金は変わります。
- 個人からもらったとき
- 法人からもらったとき
個人からもらったとき
個人から個人にモノやお金をタダであげると、贈与税の対象になります。
クリスマスプレゼントやお年玉に贈与税がかかるなんて……
そんなバカな!
これが普通の感覚ですよね。
じっさいに贈与税がかかるかどうかも、この感覚どおりになっています。
つまり、クリスマスプレゼントやお年玉には贈与税がかからないのです。基本的には。
その根拠がコチラ。
個人から受ける香典、花輪代、年末年始の贈答、祝物又は見舞い等のための金品で、法律上贈与に該当するものであっても、社交上の必要によるもので贈与者と受贈者との関係等に照らして社会通念上相当と認められるものについては、贈与税を課税しないことに取り扱うものとする。
(相続税基本通達21の3-9より)
ですが、「社会通念」という言葉が気になります。
これは、一般常識とか世間で普通とされていることを意味します。
クリスマスプレゼントもお年玉も、世間の相場や平均などを意識することはないでしょうか。
せっかくあげるのに「他の人よりすくなかったらかわいそう」「他の人よりいいものをあげたい」と思ったりしますよね。
この世間相場などが「社会通念」なのです。
ですので、社会通念・世間相場におさまらないような金額のものをもらうと、贈与税がかかることになります。
もし贈与税がかかったとしても……
贈与税は、もらったモノが110万円まではゼロ円です。
クリスマスプレゼントやお年玉でここまでのものをもらうことは、レアだと思います。
なので、クリスマスプレゼントやお年玉をもらったとしても、普通は贈与税の心配をする必要はないと考えます。
法人からもらったとき
法人からクリスマスプレゼントやお年玉をもらうこともあります。
こういうときは、もらった側に所得税・住民税がかかります。
基本的には「一時所得」というものになり、給与や事業などほかの所得とはわけて次のように計算をします。
- 収入ー経費ー50万円=所得
計算では、問答無用で50万円をひけます。
そのため、50万円までのものなら、結果として税金はかからないことになります。
もし、自分のつとめている会社からもらう場合は、ちょっと話がこまかくなってきます。
もらったものがお金なら、給与となります。
ちょっとしたボーナスといえますから。
問題はモノですが、レアケースだと思いますのでざっくりいきますね。
仕事でつかうものを「クリスマスプレゼント」と称してもらうときは、税金はかかりません。
(こんなことがあり得るのかはおいときます。。。)
しかし、仕事でつかわないものをもらうときは、現物給与といい、そのモノの時価(売値など)が給与に上乗せされることになります。
法人からクリスマスプレゼントはレアケースでしょうが、お年玉は以前に話題になったことがあります。
ただ、時期が冬のボーナスとほぼおなじです。
そして、問題になるのが源泉徴収です。
お年玉から源泉徴収すれば、ゼロ並びの数字にするのはちょっと面倒です。
やっぱり縁起を意識するので、小銭がチャリチャリ音をたてるのも残念ですし。
結果、お年玉は断念しましたが、法人からお年玉をもらうことだってあり得るのです。
あげた側
クリスマスプレゼントやお年玉をあげれば、自分の財布からお金がでていくわけです。
気持ちや縁起も関係しますので聞きたくないかもしれませんが、お金がでていけば経費になる余地があるのです。
- プライベートであげたとき
- 事業に関連してあげたとき
プライベートであげたとき
プライベートについて、経費は存在しません。
かりに贈与税の対象になるとしても、払うのは受けとった側です。
なので、自分が税金をはらう心配をする必要はないのです。
事業に関連してあげたとき
クリスマスプレゼントやお年玉を取引先にあげたときは、交際費になります。
「それをあげることにより、将来の売上につなげたり、良くしてもらう」
これが交際費ですので。
もし、役員やスタッフなど社内のかたにあげたときは、次のように経理します。
受けとった側で給与なら……
おなじく給与です。
受けとった側で税金がかからないなら……
仕事でつかうものをあげたケースですので、そのものに応じて○○費と経理します。
まとめ
通常は、クリスマスプレゼントやお年玉に税金はかかりません。
ですが、「社会通念」をこえるときは贈与税がかかる可能性があります。
相手を喜ばせたい。
何かにかこつけて税金をへらしたい。
法律では、この2つを区別することができないからです。
ただ、せっかくのイベントや節目で税金のことなんて考えたくないものですね。
※ 記事作成時点の情報・法令等に基づいています。
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