現金を使うだけで応援になることもある

キャッシュレス決済の手数料は、けっこうな影響があります。

 

キャッシュレス決済は便利

キャッシュレス決済、とくに電子マネーだと、買い物のレジはすごく早いです。

電車に乗るときの改札なんかもそうですね。

もはや、レジでもたもた現金をさがしていると、白い目で見られているような気もします。

 

この「時間がかからない」ことに加え、他にもメリットはあります。

たとえば、現金を持ち歩かなくていいこと。

小銭ジャラジャラがわずらわしい…といってはバチが当たりそうですね。

でも、ときにひったくりなどもニュースになっています。

カードなら暗証番号があるし、こまめにチャージするなら、大金を持ち歩く機会もへります。

 

また、現金はいろんなひとが触るもの。

衛生面が気になる…ということも、あるかもしれないですね。

 

いっぽう、消費者ではなく、事業者からみたときにもメリットがあります。

たとえば、お釣りを間違わない。

コンビニのように来客数がおおいところでは、どうしても間違いが起こるものです。

損しているなら……悔しいはずです。

いっぽう、得してしまった場合も、後からクレームがこないか気になります。

どちらの場合でも、困るわけです。

 

また、お金の管理についやす時間も減るでしょう。

まず数えて、1日の売上と合っているかを確かめるのも、それなりの時間がかかります。

また、お店を閉めたあとで、安全のために夜間金庫に…という必要もなくなるかもしれません。

 

そして、キャッシュレス決済ができないなら買わない…ということも回避できます。

現時点で、日本におけるキャッシュレス決済比率は、40%ほど。

すべての買い物のうち、ざっくり半分くらいは、キャッシュレスで決済されているわけです。

 

また、キャッシュレス決済のための端末などには、補助金なども存在します。

つまり、国をあげてキャッシュレスの普及を目指しているわけです。

 

ただ、キャッシュレス決済には、手数料の問題があります。

 

キャッシュレス決済の手数料

キャッシュレス決済するときの手数料は、平均すると「3%前後」のようです。

クレジットカード、電子マネー、QRコード等の方法により、すこし違いはあります。

また、事業の規模や業種などによっても変わります。

ネットでざっくり調べただけで、約款や契約書をあたったわけではないので、手数料は3%くらい…ということで話をすすめますね。

 

この手数料は、決済金額にたいして計算されます。

つまり、売上の3%くらいが手数料になるのです。

売上が「1,000円」なら、手数料は「30円」…と。

 

ここで気になるのは、売上のどれくらいが利益として残るのか…です。

売上から、すべての経費をひいたものを当期純利益といいます。

売上にたいする当期純利益の比率を、業種ごとにまとめたものが次のとおり。

 

業種 売上高当期純利益率
建設業 4.0%
製造業 3.0%
情報通信業 3.7%
運輸業・郵便業 1.6%
卸売業 1.7%
小売業 1.4%
不動産業・物品賃貸業 8.7%
学術研究,専門・技術サービス業 6.5%
宿泊業,飲食サービス業

△0.1%

(△は赤字の意味です)

生活関連サービス業,娯楽業 △1.4%
サービス業(他に分類されないもの) 2.9%

 

(中小企業実態基本調査 令和4年度決算実績  産業別・売上高階級別表 法人企業 より計算)

 

うえで赤字にしましたが、普段の生活に関係がありそうなものを抜きだすと…

  • 小売業……1.4%
  • 飲食サービス業……△0.1%
  • 生活関連サービス業……△1.4%

ちなみに、売上がすくないほうが、%は低くなる傾向があります。

 

たとえば「1.4%」なら、「1,000円」売って「14円」しか利益にならないことを意味します。

それに対して、キャッシュレスの手数料は…

たとえば「3%」なら、「1,000円」の売上で「30円」が手数料になる。

 

うえの表には、キャッシュレス決済を導入している企業も、していない企業も、それぞれ含まれているはずです。

その比率によっては、キャッシュレス決済の影響がどう反映されているのかは分かりません。

また、%が少ないことには、実質賃金がへっていることも大きく関係しているはずです。

もしかしたら、役員報酬の設定なんかも。

あるいは、そもそもが薄利多売ということも。

でも、単純に%を比べてみたとき、もし手数料がなかったら…と考えてしまいます。

 

おそらく、キャッシュレス決済は、これからも普及を伸ばしていくはずです。

でも、お店にとって、キャッシュレスではなく、現金で決済されるほうが、利益は増えます。

(手数料がないキャッシュレス決済も、まだあるのかもしれませんが)

そして、うえの表を見る限り、苦しいお店が多いのも事実。

業種によっては、そもそも赤字…と出ていますし。

 

だったら、手数料のぶん代金を上乗せしたら…とも考えてしまいます。

でも、キャッシュレス決済だけに上乗せするのは、規約違反にあたるとのこと。

すべてを値上げするなら…それもまた難しい問題です。

 

キャッシュレス決済ではなく、現金のほうが助かるお店があることを、気にかけてみましょう。

もし気に入ったお店があるなら、現金をつかうだけで応援になるのです。

 

まとめ

キャッシュレス決済の手数料について、みてきました。

現金の存在も、まだ忘れないようにしましょう。

 

※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。