現金がマイナスになる8つの理由と解消方法
現金がマイナスになることはありえません。
もしマイナスなら、実際の残高と会計データ上の数字にちがいがあることになります。
その原因と解消方法を解説します。
目次
現金がマイナスになる8つの理由と解消方法
現金がマイナスになることは、ありえません。
もっているお金がゼロなのに、お金をつかっていることを意味するからです。
現実としてはありえないことですが、次のような理由で現金がマイナスになってしまうこともあります。
- 現金の売上をわすれた
- 預金からひきだしたときに「現金がふえた」としていない
- 経費のゼロがおおい
- 経費を二重に入力した
- お金がないときに「誰かが立て替えた」ことをわすれた
- 経費を個人のプライベートのカードではらう
- 経費の日付がちがう
- 架空経費
現金の売上をわすれた
つねに現金で取引している場合はわすれにくいものですが、たまたま現金で売上をもらったときは、うっかりしがちです。
経費をつかったときのようにレシート等をもらうわけではないので、記録がないからです。
悪気がなくても、結果として「売上の計上モレ」となっていまいます。
これは、税務調査でかならず調べられるものです。
売上がぬけていないかを調べるには、請求書の控えや手帳などを参考にしましょう。
そして、複写式のように控えのあるタイプの領収書をつかうなどして、できるかぎり防ぎましょう。
預金からひきだしたときに「現金がふえた」としていない
預金から現金をひきだしたときは、次のように仕訳します。
(現金)××× (預金)×××
しかし、「現金」として入力すべきときに、ほかの科目になっていることがあります。
通帳と会計データを見比べてみて、直すところがないか確認しましょう。
経費のゼロがおおい
ホントは「100,000円」なのに「1,000,000円」と入力してしまった。
こんなときは、現金がガッツリへってしまいます。
もし現金出納帳をつけているなら、差額を「0.9」で割り戻してみる・または「9」で割るとアタリがつくこともあります。
(まちがいが1回のみの場合にかぎる)
または、経費の明細(損益計算書)を前回のものとくらべることで分かるときもあります。
ある経費がとつぜん増える結果になるので。
それか、領収書を再チェックしましょう。
経費を二重に入力した
おなじ経費を、2回以上入力してしまうこともあります。
会計ソフトに入力するときに、コピーして貼り付けるような方法をつかっているときに起こりがちです。
いちど入力をしたら、領収書などとつきあわせてチェックするようにしましょう。
お金がないときに「誰かが立て替えた」ことをわすれた
会社のお金がないときに、社長が立て替える。
事業用の口座にお金がないときに、プライベートのお金で立て替える。
これらは、よくあることです。
本来は、次のように2段階で仕訳をします。
- (現金)××× (役員借入金)×××
- (○○費)××× (現金)×××
※ フリーランスなら、役員借入金ではなく「事業主借」です
上記の1つ目の仕訳を追加するか、または次のように仕訳を変更するのでもよいでしょう。
- 変更前……(○○費)××× (現金)×××
- 変更後……(○○費)××× (役員借入金または事業主借)×××
経費を個人のプライベートのカードではらう
経費を個人のプライベートのカードではらうということは、事業用ではなく個人のお金をつかっているわけです。
そこで、本来は次のように仕訳します。
(○○費)××× (未払金など)×××
※ フリーランスなら、未払金などではなく「事業主借」です。
もし、次のように仕訳をしているなら……
(○○費)××× (現金)×××
事業用のお金がへっていないのに、会計データではへっていることになってしまいます。
なので、仕訳を上記のように変更しましょう。
経費の日付がちがう
支払いの日付をまちがうだけで、瞬間的に現金の残高がマイナスになることもあります。
レシートでの日付はちいさくて見えにくいときもあるので、入力したあとのチェックをしましょう。
架空経費
架空経費とは、ウソの経費を計上することをいいます。
ホントはお金がでていっていないのに、次のような仕訳を入力するわけです。
(○○費)××× (現金)×××
複式簿記では、なにかが1つ動くと、かならず他で1つ以上のものが動きます。
○○費だけをふやすようなことは、できないのです。
その結果、ホントはお金がでていっていないのに、でていったことになります。
実際の残高と会計データ上での残高に、ちがいが生まれることになるのです。
とくにムリヤリ赤字にするようなときは、どうしても現金の残高はマイナスになりがちです。
そうでなくても、帳簿にはわかりやすい痕跡がのこることになります。
架空経費はやめておきましょう。
現金がマイナスになるのを防ぐには
現金にかぎらず、すべての科目は基本的にマイナスになることはありません。
もしマイナスになってしまったら、「数字のことがよくわかってないのね」と思われてしまいます。
とれる融資もとれなくなるかもしれませんし、税務調査でも「売上をぬいていないか」「架空経費がないか」など念入りに調べられることになるかもしれません。
また、現金のマイナスは、来年にも引き継がれます。
もし直そうとおもっても、過去のものまで直さなきゃいけないのです。
ヘタをしたら、税金の申告もやり直しです。
こういうことを防ぐには、次のようなことを気にしましょう。
- 経理への意識を○○%ふやす
- 会計ソフトの入力はこまめに
経理への意識を○○%ふやす
どれくらいふやすかは人それぞれですが、ツッコミどころのない会計データをめざしましょう。
ある支払いや入金について、それが何なのかをしっているのは、支払った・受けとった本人です。
誰かに丸投げしても、理由を勝手につくることはできないので、うまくはいきません。
やっぱり経営者の協力が必要なのです。
会計ソフトの入力を経営者自身がやらなくてもよいですが、協力は絶対に必要です。
この意識はもっておきましょう。
会計ソフトの入力はこまめに
会計ソフトの入力でいちばん時間がかかるのは、じつは間違い探しだったりします。
1年分の入力をまとめてやるなら、間違いをみつけるためには、1年分の領収書などを何回かチェックすることが必要です。
もし毎月やっていれば、その労力は1/12ですみます。
なので、入力はなるべくこまめにやりましょう。
まとめ
現金がマイナスになる理由と解消方法について解説しました。
現金がマイナスになることはありえませんし、会計ソフトの入力もじつはお金をちゃんと管理するためでもあります。
いろはの「い」なのです。
いちばん大事なところですので、見過ごすことがないようにしましょう。
※ 記事作成時点の情報・法令等に基づいています。
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