お正月に特有の出費は経費になるか

正月飾り(門松・しめ縄・鏡餅・熊手)、年賀状、おせち料理・年越しそば、新年会、お年賀、お年玉、初詣の交通費、お賽銭、祈祷料(初穂料・玉串料)、お守り・お札。

これらお正月に特有の出費が経費になるかどうか、解説します。

なお、プライベートのものは経費になりませんので、事業に関連した出費という前提です。

 

正月飾り(門松・しめ縄・鏡餅・熊手)

正月飾りは、経費になります。

事務所にかざるときは「消耗品費」として経理します。

「雑費」でもよいのですが、そもそも雑費はなるべくつかわない方がよいでしょう。

金額がおおきくなってくると「雑費には不透明なものがあるかもしれない」という見方をされるときがあるので。

 

もし、取引先を招待するイベント用としてこれらの品を購入するなら「交際費」です。

自社の従業員のみのイベント用なら、消耗品費ではなく「福利厚生費」でもよいでしょう。

 

年賀状

年賀状は、印刷代をふくめて経費になりますが、次の3つの科目がかんがえられます。

  • 通信費
  • 広告宣伝費
  • 販売促進費

 

どれを選ぶかは、経営者が「年賀状になにを求めているか」により決めるのがよいでしょう。

年賀状と事業の関係をふかく意識していないなら「通信費」

会社や事業をおおくのかたに知ってもらいたいなら「広告宣伝費」

ある商品やサービスの売上につなげたいなら「販売促進費」

と、こんな感じで区分けしましょう。

 

おせち料理・年越しそば

これらの料理を、自社の従業員のみにふるまう場合は「福利厚生費」です。

ただし、ふるまう機会のある従業員のなかでも「特定の誰かだけ」のときは「交際費」となります。

 

また、取引先にふるまう場合は「交際費」です。

ただし法人の場合で、料理が1人あたり5,000円(※)以下なら、交際費ではなく「会議費」として経理しておくのがよいでしょう。

法人には、1年の交際費は800万円までしか経費にならないという縛りがあるので。

※ 令和6年の税制改正で「5,000円」は「10,000円」にかわる予定です。

 

なお、これらの料理を「お土産」として取引先にわたすなら、たとえ1人あたり5,000円以下であっても「交際費」となります。

 

新年会

新年会を自社の従業員だけでおこなう場合は「福利厚生費」です。

ただし、従業員のなかでも「特定の誰かだけ」をあつめておこなうときは「交際費」となります。

 

また、新年会を取引先ともおこなう場合は、原則として「交際費」です。

ただし、1人あたり5,000円(※)以下なら「会議費」としておきましょう。

※ 理由は「おせち料理・年越しそば」とおなじです。

※ 令和6年の税制改正で「5,000円」は「10,000円」にかわる予定です。

 

お年賀

基本的には、お中元やお歳暮とおなじく「交際費」です。

ただし、お年賀という名目で取引がないかたにも広く配るようなときは「広告宣伝費」としましょう。

あとから振り返ったときに、売上への影響がみえやすくなるので。

 

お年玉

自社の従業員にわたすときは「給与」となり、源泉徴収もおこないます。

ボーナスとおなじ位置づけのものなのです。

いっぽう、取引先にわたすときは「交際費」となりますが、源泉徴収は必要ありません。

 

初詣の交通費

初詣へいくときの交通費は、次のように区分けしましょう。

  • 自社の従業員のみでいく場合……旅費交通費
  • 取引先もいく場合……交際費

 

お賽銭

お賽銭は、個人・法人であつかい方がかわります。

 

個人のお賽銭は、経費にはなりません。

ただお金をあげただけであり、事業にどうしても必要か?というと疑問がのこるからです。

 

いっぽう、法人がお賽銭を納めたときは「寄付金」という科目をつかいます。

寄付金は、事業に関係がないかたに見返りのない支払いをしたときにつかう科目です。

この寄付金は、税金の特殊ルールにより、そのほとんどが経費にならないと思っておきましょう。

というのも、税金をへらすために「誰でもよいから寄付しちゃえ」となると、税金の行き先が税務署から神社にかわることになり、税務署や国がこまるからです。

 

また、宗教法人には税金がかからないことも関係があると考えます。

受けとったほうで税金がかからないなら、支払ったほうでも経費にはならない。

これでつじつまが合う、ということなんでしょうね。

 

祈祷料(初穂料・玉串料)

商売繁盛などを願ってお祓いをうける。

そのときに納めるのが祈祷料ですが、お賽銭とおなじく個人・法人であつかい方がかわります。

 

個人の祈祷料は、経費にはなりません。

過去に「宗教つまり信仰心の問題であり、事業にどうしても必要とはいえない」という裁判例もあります。

 

いっぽう、法人が祈祷料を納めたときは「寄付金」です。

お賽銭とちがい「お祓いというサービスをうけている」ので、見返りがないわけでもありません。

寄付金となることにより実質的に経費とならないのは、お賽銭とおなじですね。。。

宗教法人には、基本的に税金がかからないことを意識してのあつかいなのだろうと考えます。

 

お守り・お札

神社で購入するお守りやお札も、個人・法人であつかい方がかわります。

 

個人の場合は、経費になりません。

そして、法人の場合は「寄付金」です。

 

モノを買ったのに経費にならないの……?とは思いますが、神社のほうではお守りなどを売っても税金がかからないのです。

神社では利益をもとめていない、という前提があります。

実際の原価や利益などは見たことがないのでわかりませんが……

その前提があるがゆえに、宗教法人には税金がかからないという仕組みができあがっているのです。

そのつじつま合わせのために、寄付金と経理するのだと思いましょう。

 

まとめ

お正月に特有の出費が経費になるか、について解説しました。

除夜の鐘もあることですし、お正月くらいはお金や利益からちょっと離れるのもよいかもと思ってしまいます。

もしお金が必要ないなら、どんな事業をやりたいですか?

 

※ 記事作成時点の情報・法令等に基づいています。