「顧問」の税理士って何をしてくれるのか?
税金の申告は難しそうだし、間違いたくないから……
数字が苦手だし……
時間がない! など
こういう理由で、とりあえず税理士に依頼して、「顧問料」として毎月料金を払っているけれど、実際のところ何をしてくれるのかよく分からない。。
「顧問」とは、一般的に、税金の計算以外での継続的なサポートを言いますが、どんな内容なのか掘り下げてみましょう。
目次
税理士だけが出来ること
税理士は、国家資格ゆえに、次の3つの独占業務があります。
1.税務代理
税金の申告や手続きを代理で行うこと
2.税務書類の作成
税金の申告書や手続き書類を作成すること
3.税務相談
税金のお悩みについて、一般論を超えて、それぞれの状況・事情・具体的な数字を踏まえながら相談にのること
これら独占業務があるゆえに、税理士は「税金を計算する人」というイメージになりがちですし、税理士への依頼も「申告書を作ってね」が入口になることが多いのです。
税理士が顧問になると、これらの事をいつでも行ってくれる訳ですが、それだけではありません。
税金の計算以外に出来ること
これは、税理士本人の資質や経験などにより様々ですが、税金を計算するための情報を活用すると、たくさんの事ができます。
その情報には、経営活動の多くのものが詰まっていますので。
そういう事の中には、税金を計算する過程で出来てしまうこともありますが、ほとんどの場合、税金の計算とは別に時間を取る必要があります。
税金の計算だけの依頼の場合にサービスで行うこともありますが、基本的には出来ない・出来にくいことです。
税金のお悩み相談
税金の計算は、基本的には年度末あたりから始め、2~3か月後には完了します。
この時期に、計算の前提となる事柄にお悩みなどあれば、相談に乗りながら作業をしていきます。
ただ、この時期以外にもお悩みが出てきてしまうことがありますよね。
多くの場合、事が起こった後では何もできません。
そうならないため・お悩み解決のために、相談にのります。
節税対策
節税には、あらかじめ手続きを踏んだり、試算をしたり、資金繰りを考えたり、と事前の準備が必要なものがあります。
節税額が大きくなるほど、この傾向が強いです。
面倒に感じるかもしれませんが、ムダな税金を払わないためには必要です。
税務調査の対策
通常、税務調査では、過去数年分の内容が調査されます。
税務調査が来ることが分かってから準備したのでは、遅いのです。
そこで、税務調査が来た場合に困ることがないように、常日頃から気を配ります。
日々の経理全般に関すること
「○○なんだけど、どうしたらいい?」には、基本的にすべてお答えします。
もしかしたら、何でも屋に近いものがあるかもしれません。
数字やお金が関係する事柄って、ホント幅広いですからね。
こういう疑問や把握した状況を踏まえて、「○○してみたらどうでしょう」などアドバイスも行います。
また、給与計算や記帳代行などのように、経理業務の一部の代行も請け負います。
資金繰り
利益とお金の増減には、ほとんどの場合、ズレが生じます。
そのため、利益の計算とは別に、お金が足りなくならないか、自由に使っていいお金はどれくらいか、という事に気を配っておく必要があります。
会社が倒産してしまうのは、赤字になったときではなく、お金が足りなくなったときですので。
また、倒産というネガティブな場面ではなく、事業が大きくなり売上が増えているような状況でも、お金が足りなくなる事はあります。
こういう事を防ぐため、資金繰り、つまり利益とは別にお金の出入りをみておく必要があるのです。
融資
事業に必要なお金を、金融機関からの借入れによって賄うことも多いです。
そんな時に、借入れがいくら必要か?というところから、借入れが実行されるまで、お付き合いします。
細かい書類など用意するうえでのコツなどもありますが、大事なのは「なぜ融資が必要か?」「どうやって返すのか?」を経営者自身が説明できる事、です。
そのためのサポートをします。
予算と実績の管理
予算と言うと、「こうなる見込み」という感じがするかもしれません。
必ずしもそうではなく、目標、希望、最低限必要なラインという言葉に置き換えても良いのですが、つまり「将来のことを考える」ということです。
将来から逆算して「今どうあるべきか」を考えるのに役立つ仕組みが、この予算と実績の管理です。
経営全般に関すること
経営に必要なものは、ヒト・モノ・カネと言ったりします。
これらは相互に強く関連しているので、どれかだけを抜き出すことが難しい面もあります。
お金の話をしていたら、結局のところ、原因はヒトやモノだったりする事も多いのです。
そのため、税金やお金の相談から始まり、ヒトやモノを経由して、経営全般に関することにも相談にのります。
顧問とは
税金の計算に加えて、あるいは以外に、上記のような事を継続的に行うサービスを「顧問」と言います。
税理士により、その幅や内容はバリエーションに富んでいますが、そのメリット・デメリットには次のような事があります。
いつでも相談できる
何かに困ったり、気になった時に、いつでも相談できる相手がいるのは大きいですよね。
しかも、その相手は、もしかしたら経営者よりも事業の数字面についてよく知っている相手です。
もちろん、365日24時間営業している訳ではないので、いつでもと言っても、多少は営業時間など気にする必要はありますが。
自分が知らない落とし穴
何かを相談したいと思う時は、ほとんどの場合、何が問題かということは気が付いています。
問題があることに気が付いていない場合は、どうでしょう。
自分が知らない落とし穴を見つけてくれることもあるでしょう。
個別カスタマイズ
税金や会計は、複雑なルールがあり、専門用語が多く取っつきにくいと思います。
それを、翻訳し、自分の場合はどうなるのか、というところまで落とし込んで説明してくれるのも、顧問ならではです。
申告だけよりも料金は高くなる
依頼する内容や税理士により料金には幅がありますが、税金の計算だけの依頼よりも料金は高くなります。
あらためて、自分に必要なことは何かを考えてみましょう。
また、顧問契約は長く続く事が多いので、相見積もりを取ったりしながら、相性の良い相手を探すことも大事です。
(参考記事)顧問の税理士がいることのメリット・デメリット
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。
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