話せばわかる、は本当か

なにかを伝える必要があるときってありますが、いつも上手く伝わるとは限らないものです。

どうしてなのか、どうすれば上手く伝わるのかを考えてみました。

 

話してもわかってもらえない

税理士という仕事柄、なにかを説明する機会は多いです。

どんな仕事であっても、また仕事にかぎらず普段の生活であっても、なにかを相手に伝える場面はありますよね。

そして、それが相手に伝わらない・分かってもらえない、という結果になることもあると思います。

 

相手がこちらの言うことを聞きたくないとか、喧嘩中という場合などは除きましょう。

ちゃんと説明したはずなのに相手に伝わらない、分かってもらえないときの原因ってなんでしょう?

 

こちらに原因がある

相手に原因がある

こちら・相手の両方に原因がある

 

これをすべて解きほぐしていくと大変ですが、理由の一つに「持っている情報に違いがある」ということはあるでしょう。

あることの前提が双方で違う、とも言えます。

前提が違うのだから、その先はどこまでいっても食い違いが生まれそうですよね。

こんなときは、説明していることから一歩さがり、その土台になることをつぶしてから、再び説明に戻るようにしています。

 

また、なぜ持っている情報・前提に違いが生まれるのかにもいろいろ原因があります。

社長・スタッフという立場の違い、普段やっている仕事の分野の違い、すでに持っている先入観……など

その中でも大きな原因の一つに「知らないことを知らないと言いにくい」ということが……ありがちですよね。

 

「分からないことは何でも聞いてね」といっても、反応がないことってあります。

相手からすると、聞きにくい・言いにくいのです。

だから、聞きやすい・言いやすい環境を作る必要があります。

将来の「話してもわかってもらえない」を避けるために。

不自然なことって感づかれてしまうので、とても難しいことですが、経営者の腕のみせどころでしょう。

 

話してわかるなら、話さなくてもわかる

お互いの情報が同じなら、「○○なんだけど△△したら……」くらいの言葉で言いたいことが伝わる。

こんな経験ってなかったでしょうか。

話さなくてもわかる、は言い過ぎかもしれませんが、ちょっとしたきっかけだけで言いたいことが伝わったことってなかったですか?

仕事の場面より、普段の生活のほうが多い気がしますが。

 

こんな現象と「話してもわかってもらえない」の違い。

この差を解消すればうまくいく。そう思っています。

 

人と人との相性で片付けてしまうこともあるでしょうが、普段から、ホントにちょっとしたこと、当り前とか一般常識といったことを疑って、ちょいちょい考え方・感じ方を近づけておくのがよいでしょう。

 

待つ、も必要

赤ちゃんにお酒の味を伝えることができるか?

 

まあ無理ですよね。

でも、本質的にはこれに近いこともあるでしょう。

物事には時期がある、とも言いますが、何かが分かるには、その前提として必要なことがけっこうたくさんあるものです。

 

「話してもわかってもらえない」のなら、その前提にもどり、それでもダメならもう一段回もどり、と繰り返していくのも手です。

でも、どれくらい時間がかかるかわからないし、大変そうですよね。

場合によっては、待つことも必要ではないでしょうか。

 

ただ、短い期間しか会えず、その次はいつ会えるかわからないようなときは、持てる情報をすべてぶつけて意見のすり合わせをした方が親切です。

待つのは、それによって大きな問題が生じることがなく、待った結果を見ることができる状況にある、という前提も必要です。