経営者が数字を使えるようになるまでの3ステップ

数字は言葉と同じように、いきなり使えるようになるものではありません。

そのために必要なことを3ステップにわけて考えてみましょう。

数字が必要な理由をふまえて。

 

経営者の役割

経営者の役割は、事業のかじ取りをし、お金を稼ぐこと。

そしてそれよりも大事なのは、お金が足りなくならないようにすること。

消極的にみえるかもしれませんね。

でも、事業がつぶれてしまっては何にもならないですから。

 

もちろんお金を稼ぐことも大事で、むずかしいことです。

ただ、できる・できない…でいえば、そしてたった1回でもよい…という条件なら。

できる経営者のほうが多いのが現実です。

 

いっぽう、お金が足りなくならないようにすること。

すべての事業が生き残ってるわけではない…という現実をみれば。

こちらは、より難易度が高いのです。実は。

 

そのお金が足りなくなることを避けるには。

会計の難しさを解きほぐし、数字とも付き合っていかなければなりません。

数字をみなければ、気がつかない体の痛みのようなものもあるので。

 

事業を続けていれば、上手くいかない…と感じることもあります。

それも問題ですが、より問題なのは上手くいかない原因が分かっていないこと。

これは、病気なのに病名が分からないようなもの。

原因がわからなければ、手の打ちようがないですから。

 

ただ数字というのは、言葉のようなもの。

いきなりではなく、段階をふんで身に付けていくものなのです。

 

数字を使えるようになるまでの3ステップ

数字を身に付けることを、つぎのステップに分解してかんがえてみましょう。

  • 作る
  • 分かる
  • 使える

 

作る

なにごとも自分の手でやってみるのが、いちばん早く身に付くものです。

だから、会計データも、自分で会計ソフトに入力をして、作ってみる。

ただそのためには、複式簿記というハードルを越えなければなりません。

 

おそらくですが、複式簿記を数学ととらえるなら。

そんなに難しいものではないはずです。

たし算、ひき算、かけ算、わり算しか出てこないですから。

数学というより、算数の範疇にあるものではないか…と。

だからハードルの実体は、時間をつくることや面倒くささかもしれないですね。

 

もし自分で入力をしないとしても、資料を準備することで一部かかわることになります。

経理の資料は、お金をつかった人しか手に入らないことも多いので。

その資料の数字が頭にあるときに、会計データをみてみる。

これで、作るを疑似的に体験することもできます。

なにかを分解して、また組み立てる…ような。

 

この数字を作ることをとおして身に付けるものは。

それは会計のルールでもあるのですが、より重要なのは複式簿記におけるつぎの考えかた。

  • 数字が1つ動くと、かならず他で1つ以上の数字が動く

 

このことは、お金が出入りするときなら、ひかくてき簡単に想像できます。

でもお金が出入りしないときも、数字は動くことがある。

そのときでも想像できるなら、数字を作ることができる…といって良いでしょう。

 

分かる

数字が分かるとは。

それぞれの数字が、なぜその金額になっているかが理解できる…ということ。

会計のルールと、自分の過去の行動をふまえて。

だから、いちど作る過程を体験しているなら、身に付きやすいと思うのです。

 

数字が分かることは、読める…と表現することもできます。

たとえば本やニュースを読むなら、気持ちが動いたり感想をもつもの。

数字を読むときも、そのことは同じです。

ただ数字は、物語や他人の出来事ではなく、自分の過去の通信簿のようなもの。

だから気持ちの動き方なども、とうぜん本やニュースとは違うものになりますよ。

 

もし売上や利益に満足できるなら、きっと「次も…」と思えるでしょう。

いっぽうそうでないなら、「なぜ…?」と思うはず。

そう考えられるのも、数字が分かっているから。

そして考え続けた先にあるものが、「使える」です。

 

使える

数字が使えるとは。

ある行動をしたとき、数字がどう変化するかが分かること。

「もし○○するなら」という問いに、数字で答えをだせる状態です。

 

上手くいっていないときは、改善策をかんがえることができる。

つぎの決算が気になるなら、着地予想ができる。

ある仕事について、受注すると利益などがどうなるか…が想像できる。

 

こうしたことが出来るようになると、話しかたが変わります。

理路整然とはいかなくても、「○○だから△△になる」ことに矛盾がなくなるのです。

数字は、必ずつじつまが合うようにできているものですから。

 

すると、相手の感想や評価も変わります。

たとえば金融機関で融資を申し込みするときや、取引先と金額の交渉をするときですね。

もしかすると、プライベートでのお金の使いかたも変わるかもしれません。

なにがムダでなにが必要かの区別が、できるようになっていますから。

 

そしてさらに、時間の使いかたも変わるかも。

話が飛んでいるように思えるかもしれませんね。

でも数字やお金の先にあるのは、時間だと思うのです。

数字やお金を生み出すのは、やっぱり時間ですから。

その時間の使いかたが変わるとどうなるか…は想像におまかせをしますが。

数字も使える経営者になることを、検討してみましょう。

 

まとめ

経営者には、多くのものが求められます。

その中でも必須なのは、お金が足りなくならないようにすること。

そのためには、数字のことも分かり、そして使えるのが理想だとおもいます。

 

ただ数字は、言葉と同じように、いきなり使えるようになるものではありません。

作るから分かる。

分かるから使える。

基本的には、こんな順序で身に付くものだと思うのです。

もちろん、自由になる時間や人の助けなどがあるなら。

順序は前後、あるいは部分的に省略できることもあろうかと思います。

いずれにしても、事業をするかぎり、数字はついてくるもの。

うまく付き合っていきましょう。