出張を少しおトクにする方法(出張手当)
仕事の都合でいつもの仕事場でなく、遠くに行かなければならない…
当然、交通費や宿泊費もかかりますし、それ以外にも細々とした臨時の出費がありますよね。
交通費や宿泊費は、立て替えてもらったり概算で渡し、後で精算することが多いと思いますが、その他の細々としたものはどうでしょう。
精算するための経理の手間暇もありますし、細々としたものについて社内で不公平感が出ないように気を使うのもなかなか大変です。
こんな時に、出張しなければ必要でなかったであろう食事代や雑費的なものを実費精算する代わりに、それらを補填するための「出張手当」を支給することができます。
少し経理の手間が省け、さらに税金面でもメリットがあります。
何もしないで出張手当を渡すとどうなるか
出張に行った方の給与となります。
つまり、出張手当にも個人の税金(所得税・住民税)がかかってしまうのです。
また、給与には消費税がかからない、というのもポイントです。
少しおトクにするためには
「出張旅費規程」を作り、それに従って出張手当を支給しましょう。
すると、出張に行った方にとっては通勤手当と同じように、個人の税金は非課税となります。
何もしないで渡すよりも、個人の税金が少なくなるのです。
一方、会社の方では、給与ではなく、旅費交通費などとして経費になります。
給与には消費税がかかりませんが、旅費交通費には消費税がかかる。
つまり、会社が納める消費税が少なくなるのです。
出張に行った方と会社、双方にとって税金面でのメリットがあるのです。
出張旅費規程を作るときに気を付けること
出張旅費規程は、会社のルールの一つですので、内容はそれぞれの会社で決めることができますが、いくつか気を付ける点があります。
1.すべての社員を対象にする
特定の方のみを対象にしてしまうと、名目上は出張手当でも給与とみなされ、規程を作らないのと同じことになってしまいます。
2.出張手当は、常識的な金額にする
いわゆる日当ですので1日あたり数千円でしょうか、世間の相場というものがありますので、その範囲を超えないようにしましょう。
もし超えてしまうと、その超えた部分は出張手当ではなく給与と同じ扱いになるため、税金面でのメリットが無くなってしまいます。
なお、役員と社員というように役職に応じて差を設けてもよいのですが、職務の内容や立場が同じなら金額も同じにしましょう。
3.株主総会などで決議をしておく
会社の正式なルールですので、必ず株主総会や取締役会の議事録も作っておきましょう。
出張手当というのは、本来は実費で精算するものを概算で支給するものですが、一般的には会社の支出が多くなる傾向があります。
一方で、経理の手間が削減できたり、税金面でのメリットもありますし、福利厚生的な側面もあります。
あくまでも1回の出張が少しおトクになる程度のものですが、実行する前に、出張の頻度・会社の財務状況・スタッフのモチベーションなども考えてみましょう。
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。
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