推移表をつかってすこし数字に強くなる方法
推移表は、貸借対照表や損益計算書を月ごとにわけて並べたものです。
基本的には、でてきた数字に異常がないかチェックするためにつかいます。
でも、これだけだともったいないので、過去の数字をいじったり、将来の数字を入れてみましょう。
仮定でよいので。
数字に強くなるには、自分でいじってみるのが一番です。
推移表とは
決算書には貸借対照表や損益計算書がありますが、これらは1年分の数字をまとめたものです。
試算表であれば、つくったところまでの合計です。
推移表は、これらの内容を(一般的には)月ごとに分けて並べたものです。
それぞれの科目の数字が、〇月分・〇月分・〇月分……と横に並んでいます。
年度の途中だと、このようになります。
こうして月ごとに分けることにより、チェックがしやすくなります。
- ある月だけ多い……二重に計上していないか?
- ある月だけ少ない……請求もれや支払いもれ?
- ある月がゼロ……入力を忘れたかも?
- 仕入が増えている……売上との関係は?失敗?
- 利益率が変動している……異常なし?原因あり?
つまり、なんらかの異常がないかをチェックするのに役立つのです。
経理はもちろん、経営面においても。
こういうことは、損益計算書などを単体を見ても、なかなか発見しづらいものです。
一般的な会計ソフトなら、標準装備で推移表もつくれるようになっています。
ただ、そのままプリントしたものだと活用しづらいので、Excel形式になっているものがおススメです。
すこし数字に強くなる使い方
数字に強くなるには、自分でいじってみるのが一番です。
推移表にのっているのはそこまでの実績なので、変えることはできません。
という前提で、次のように考えてみましょう。
もし、この数字が○○だったなら……(過去)
もし、ある数字が△△になるなら……(将来)
と考えたところで、推移表に数字を入れてみましょう。
もちろん、仮定の数字ですが、それでよいのです。
過去については、あることの原因が数字におよぼす影響が実感できるでしょう。
そして、将来の数字を入れると、推移表は次のようになるはずです。
結果、でてきた利益をみてみましょう。
いくら利益が必要ですか?
- 役員報酬が○○円欲しい
- 借入返済があるから、利益は△△円ないとマズイ
- 設備を導入したいから、利益に□□円を上積みしたい など
こういうことと比べて、でてきた利益はどうでしょうか。
多すぎれば節税のことを考えてもよいでしょうし、自分が入れた数字をチェックしてみるのもよいでしょう。
少なすぎれば、自分が入れた数字を練り直したり、場合によってはお金の都合を考える必要があるかもしれません。
将来のことは、誰にもわかりません。
でも、こうしてみることで、すこし距離が縮まると思うのです。
- 仮定の数字を入れてみる
- 必要な利益を考える
- 実際の数字と比べてみる
- どうしたら自分の希望の数字となるのか考えてみる
こういったことを通じ、数字をいじると、すこし数字に強くなるはずです。
まとめ
推移表は、貸借対照表や損益計算書を月ごとにわけて並べたものです。
基本的には、でてきた数字に異常がないかチェックするためにつかいます。
でも、これだけだともったいないので、過去の数字をいじったり、将来の数字を入れてみましょう。
数字に強くなるには、自分でいじってみるのが一番です。
結果、「読める」ということにもつながります。
※ 記事作成時点の情報・法令等に基づいています。
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