会計や資金繰りは夏に冬のことを考えるためのもの
夏に冬のことを考えるひとは、きっと少数派。
でも、だから違いが生まれるのかも。
毎日、暑すぎる…
連日、朝から夜まで、おそろしい暑さが続いています。
日中に、10分も外にいれば、あっという間に汗が噴き出してきますよね。
そんなとき、わたしの頭の中にあるのは、ほとんど次のことだけ。
- クーラーが効いていて涼める場所はどこか
- 冷たい飲み物は、どこで買えるか
もう、「どうやって今をしのぐか」しか考えられない…
たまに、「早く冬にならないかな」と思ったりもしますけれどね。
(寒さをイメージすれば、汗も引くかな…という気休めで)
ところで、経営でも、うえのような状況になってしまうことはないでしょうか。
- 目の前のことしか考えられない
- たまに将来のことを考えるけれど、実感がわかない
いまが大変なら、そうなってしまうのも当然といえます。
ただ、そんな状況でも、いくらかは先のことを考えたほうがよいと思うのです。
どんなに暑いなかでも、寒い冬のことを考えるような。
とまではいかなくても、クーラーで体を冷やしすぎて体調をこわさないように…くらいのことは。
そのためにあるのが、会計や資金繰りです。
夏に冬のことを考える
会計とは、決算書や試算表など、過去の数字をつくる方法のことです。
目の前が大変なときに過去をみても、「だから…?」となってしまいますよね。
ただ、いまが大変な原因は、過去にあるのではないでしょうか。
この原因をさぐる手がかりになる…という点だけでも、会計に価値はありそうです。
おなじことを繰り返さないためにも。
また、将来はどんなに考えたところで、だれにも分からないし、考えたとおりに行くこともないもの。
とはいえ、その将来は、自分と周り(お客さまをふくむ)の2種類に分けることができます。
きっと、より興味があるのは、周りの将来、つまりお客さまや売上のことですよね。
これは確かに、予想はできないかもしれません。
ただ、自分のことだったら、ある程度の予想はできるはず。
過去の数字が「このままいけば…」くらいのことは。
そうすれば、「このままいくなら、あと○○くらいの売上や利益が必要」ということが分かります。
分からないなりにも、すこしは具体性が出てくるはずなのです。
いまが大変なときの問題は、目の前のことしか考えられないこと。
会計、つまり過去の数字や、それをもとに将来のことを想像する。
これが、目の前のことからすこし離れて、別の視点をもたらしてくれるはずです。
また、いまの大変さが、更なる大変さをもたらすようなこと。
クーラーにあたり過ぎて体調をくずすようなことを、避けるきっかけにもなるかもしれません。
そして、資金繰りにもおなじ効果があります。
資金繰りとは、これまでのお金の出入りや今みえている将来の仕事などをベースに、将来のお金の出入りを予測すること。
いま足りないお金をどうにかするために、どこかからお金を借りてくることではありません。
いま足りないお金をどうにかする。
これは、暑い夏に汗をかきながら、冬支度をするようなものといえます。
というイメージだけでも、なんとなく大変さは伝わるでしょうか。
お金は、いざ足りなくなってからなんとかしようとするのは大変です。
足りなくならないように、いつも先を見ておく必要がある。
いつでも、使ってよいお金・ダメなお金の区別が必要なのです。
それを、資金繰り表などから割り出すのが、資金繰り。
会計も資金繰りも、将来のためのものなのです。
大変だからこそ
会計も資金繰りも、慣れないと時間はかかるし、数字をみるのも煩わしく感じるかもしれません。
もしかしたら、ちゃんとやっている方のほうが少数派かもしれませんし。
でも、だからこそ違いが生まれる。
ふつう、暑い夏のときに、冬のことを考えるひとはいません。
でも、もし考えていたら、つぎの冬につかえるものに目が留まります。
「念のため、分かるところに置いておこうかな」とか。
ものによっては、安く買えるものもありそうですし。
そうしたちょっとの違いが、将来の時間やお金に影響してきます。
また、いまの少しの違いは、将来のおおきな違いにもなるかもしれないですね。
それをもたらしてくれるのが、会計や資金繰り。
いまが大変ということは、夏の最中に汗をかきまくっているようなもの。
もちろん、熱中症には気をつけなければなりません。
いっぽうで、クーラーにあたり過ぎて体調を崩さないようにも注意は必要。
そしてさらに冬のことまでイメージできれば。
会計や資金繰り、つまり将来の数字やお金のための時間ももってみましょう。
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。