経費をふやすために使わないモノを買うと税金・お金はどうなるか
モノは買っただけでは経費になりません。
使わないと経費にならないのです。
経費をふやそうとして使わないモノを買っても、利益はへりませんし、お金が寝てしまうことにもなる。
その仕組みを解説します。
モノは使わなければ経費にならない
決算が近づくと、駆け込みで経費をふやし、税金をへらしたくなるものです。
口座をみて、浮いているお金があれば「使っておけば利益もへるだろう……」と。
しかし、こんなときにとりあえずモノを買ったとしても、使わなければ経費になりません。
商品であれば、売れなければ経費にならない、というのと同じような考えかたなのです。
かんたんに利益を調整できてしまう。
これを防止するためのルールです。
でも、鉛筆や消しゴムなども同じかといえば、そこまで厳密でもありません。
「使っていないものを数えるの……?」なんて気が遠くなりますからね。
そこで、毎年おなじくらい購入しているような消耗品などについては、いつも買ったときに経費にするなら、それでもよいというルールもあります。
基本的に、モノは使わなければ経費にならない。
しかし、ふだん必ずつかう少額なものは、いつも同じ方法で経理することを条件に、買ったときに経費にしてもよい。
なので、駆け込みで経費をふやそうと思っても、ちょっとした落とし穴になってしまうかもしれないのです。
経費をふやすために使わないモノを買うと税金・お金はどうなるか
決算がひかえているときに、こんな状況だったとしましょう。
このまま税金を払うのは、ちょっと悔しいかも……
いまは使わないけど、「300」でパソコンを買っておこう。
もちろん、このパソコンは経費になりません。
すると、次のようになります。
(左がお金、右が利益です)
お金がでていったのに経費にならないので、お金と利益の計算はちがう結果になります。
とはいえ、パッと見、大きな問題はなさそうです……?
次の年にパソコンを使いはじめたとすると、どうなるかみてみましょう。
(減価償却のことは無視しますね)
買ったのは前の年なので、お金はでていきません。
しかし、つかったパソコンが経費になる。
なので、利益以上にお金がふえる結果になります。
ここでの問題は、お金と利益がちがうことではなく、お金がでていってから経費になるまで時間がかかることです。
- 買ったとき~使いはじめるとき
この間、「300」のお金を自由につかうことができない。
もし、違うことにつかってからパソコンを買えば、利益はもう少しふえたかもしれない。
(もちろん逆の結果もありえますが……)
「お金が寝てしまう」と表現することもありますが、このような問題があるのです。
決算がちかくなると、決算対策ということで節税できないか、ということは当然かんがえます。
もし経費をふやすなら、収入もふえる。
この前提が大事ではないかなと思っています。
まとめ
モノは買っただけでは経費になりません。
使わないと経費にならないのです。
経費をふやそうとして使わないモノを買っても、利益はへりませんし、お金が寝てしまうことにもなる。
こんな落とし穴にはまらないように、気をつけましょう。
※ 記事作成時点の情報・法令等に基づいています。
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