節税を考えるときに必要なもの

節税とは、税金が減ればなんでもよいわけではなく、上手くお金を残すのが目的です。

そのために必要なもの・考えかたなど基本的な姿勢を確認しておきましょう。

 

節税を考えるときに必要なもの

節税は、状況によって活用できるもの・できないものに分かれます。

むりやり節税した結果、無意味にお金が減ってしまうなどはあってはならないので、とにかく税金さえ減ればなんでも良いというものではないのです。

 

そこで、節税は過去・現在・将来をふまえ、次のものを参考に考えることになります。

  • 過去の申告書、会計データ
  • 今の会計データ、状況
  • 領収書、契約書など
  • 会話
  • 事務所や店舗などの現場
  • 勉強

 

過去の申告書、会計データ

あたらしく節税をするときは、過去よりもより良い状態にするのが目的です。

なので、当然ですが過去のことを知らなければなりません。

 

そこには、既におこなっている節税・まだやっていない節税も含まれているはずです。

これらを整理して、「もし○○するなら何がどう変わるか」を検討するのがはじめの一歩です。

そのベースになるのが、過去の申告書や会計データなのです。

 

節税をする代わりに、手間や経理のための時間がふえることもあります。

また、お金の状況によっては、「お金をつかって税金を減らすこと」は避けたほうがよいこともあります。

税金よりも大事なのは、「手持ちのお金がいくらか」だったり「節税の結果いくらお金が残るか」なので。

そのためには、過去の経緯をおさえておく必要があるのです。

 

今の会計データ、状況

節税策によっては、「今なにか手をうつ必要がある」ものもあります。

その手をうつのが、翌年や翌年度になってしまうと、手遅れのものもあるのです。

 

でも、こうした事は、かならず「今の」会計データや状況をふまえておこないます。

「見込み」で節税策を始めなければならないこともあるからです。

たとえば消費税の簡易課税のように。

 

将来がどう変わるかなんて、誰にも分かりません。

でも、おおくの場合、税金はあとから調整するのが難しいものです。

なので、ギリギリまで今の状況をおさえ、それから「見込み」で節税策をやる。

こういうこともあるのです。

 

領収書、契約書など

節税には、「条件が整っている」ことが必要です。

そして、その条件は自分で証明しなければなりません。

 

領収書や契約書など取引の書類には、こうした条件が記されていることも多いです。

これらによって、できる節税・できない節税に分かれることもあるのです。

 

会話

節税は、「将来」をふまえて行うべきものです。

今はよくても、あとが大変……ということもありますし。

 

でも、会計データや書類には、過去と現在しかあらわれていません。

将来は、頭の中にしかないのです。

 

もちろん、将来がどうなるかは分かりませんが、それでも希望や理想はあるはずです。

たとえ100%描けていなくても。

そこに向かって手を打つのが理想の節税です。

 

また、普段のなにげない会話にも、節税のヒントが隠れていることがあります。

税金には「知らないものが損をする」面もあるので、知識の量がものをいうことだってあるのです。

 

事務所や店舗などの現場

事務所や店舗・工場・倉庫などの現場にも、節税のヒントが隠されています。

 

税理士の仕事は、領収書などを預かり、必要におうじて質問や確認をし、決算書や申告書をつくることです。

でも、その事業や行動を自分でやったわけでも、目で見たわけでもない…

なので、どうしても「想像」や「推測」あるいは「経験」「信用」「常識」などでおぎなう部分もでてくるわけです。

 

百聞は一見に如かず……といいます。

現場にいけば、なにかを見る目が変わるかもしれないし、それが節税につながる可能性だってあるかもしれないのです。

 

勉強

たとえ税理士がいうことであっても、鵜呑みにはしないほうがよいと考えています。

かならず、次のことは自分なりに納得して欲しいのです。

  • その節税をする理由
  • その節税に必要なこと
  • 節税できる金額(ざっくり)
  • 節税の結果、手元に残るお金(ざっくり)

 

おそらく、こうしたことは税理士から説明を受けるはずです。

でも、ことは自分のお金にかんすることなので、ほかの場面で「自分で決めて自分で行動する」ときとおなじように、自分の言葉で分かっておいてほしいのです。

 

そうすれば、税金やお金・数字にかんする知識もふえるし、少しづつ強くなっていきます。

この「自分の言葉におきかえる」作業が「勉強」です。

 

もしかしたら、自分の想像とはちがうことがわかり「やっぱり止める」こともあるかもしれません。

でも、わからないことは「わからない」と言ってくれる方が、税理士としても有難いですよ。

 

まとめ

節税するにあたって必要なものをみてきました。

節税とは、税金が減ればなんでもよいわけではなく、その目的は上手にお金を残すことです。

税金よりも、手元に残るお金が大事なのです。

そのためには、いろんなものが必要なことを理解しておきましょう。

 

※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。