節税とはどういうこと?
節税に興味がある方は多いと思いますが、そもそも節税ってどういうことなんでしょうか。
また、節税とイメージが似ていますが脱税、租税回避という言葉もニュースなどで耳にすると思います。
この辺りも含めて整理してみましょう。
とりあえず税金を少なくするためには
今回は、法人税や所得税など利益にかかる税金の話です。
そして、その計算は次のように行います。
売上ー経費=利益 → 利益×税率=税金
つまり、利益が少なくなれば、税金も少なくなる訳です。
その利益を減らすためには2つの方法があります。
売上を減らすか、経費を増やせば良いのです。
(売上を減らそうという方は少数派かもしれませんが)
どちらも確かに税金は少なくなりますが、利益も減ってしまいます。
無理に経費を増やすのはムダな出費になりますが、日々の経理をしっかり行い経費の計上モレを防いだり、何が経費になるのかをこまめに解消しておくことも大事です。
ただ、これを節税と呼んで良いのか少し疑問が残りますよね。
節税、脱税、租税回避の違い
憲法に「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う」とあります。
この3つの言葉の違いは、法律に定めてあるかどうかがポイントになるのですが、答えはざっくり次のようになります。
節税=合法的に税金を減らすこと
脱税=非合法に税金を減らすこと
※ 売上を申告しなかったり、架空経費を計上したりするのが代表的です。
租税回避=合法なんだけれど、法律の趣旨には合っていなかったり、不自然な行動により税金を減らすこと
※ タックスヘイブンを活用したり、今は使えないですが消費税の自動販売機作戦が代表的です。立ち読み禁止の本屋さんで座り読みをするような感覚と言って分かるでしょうか。
節税にも2種類ある
1つ目は、上の図にあるようにお金を使い経費を増やした結果の節税です。
つまりお金が出ていく節税です。
<具体例>
- 経営セーフティ共済、小規模企業共済、生命保険などに加入する
- 従業員の給与を増やし、所得拡大促進税制を活用する
- 住宅の契約を法人名義で行い、社宅とする
2つ目は、試算をしたり手間がかかりますが、お金が出ていかない節税です。
<具体例>
- 記帳をしっかり行い、青色申告をする
- 計画を立て、役員報酬の最適な金額を探す
- 消費税の簡易課税制度が使えるか検討する
つまり節税とは、法律で決められた仕組みを上手に使い税金を減らすことを言います。
毎年の税制改正で税金の仕組みはコロコロ変わる部分もあるのですが、知らないから損をするのは避けたいですよね。
とは言っても、節税をするためには事前の準備や知識が必要なものもありますので、楽して税金が少なくなることはないという心構えは必要かもしれません。
事業をしていると、どうしても税金との付き合いは避けて通れませんが、節税策を活用し、将来のため・皆さんがやりたい事のために上手にお金を確保していきましょう。
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。
当事務所のサービス