よい税理士はむしろ税金を増やすのかもしれない
税金を減らすのが、一般的にはよい税理士です。
でも「お金を増やすこと」に着目すると、よい税理士は真逆のものになるかもしれません。
よい弁護士・よい税理士
他人とのあいだでトラブルがあったとき、それを解決してくれるのが弁護士です。
弁護士に期待するのは、より自分に有利になるように、それを解決してくれること。
さらには、裁判で勝ってくれるのが、よい弁護士というイメージです。
でも、裁判までいけば、お金も時間もかかるもの。
できれば、裁判にならないように、問題が起こらないようにサポートしてくれるなら、さらによい弁護士といえます。
いっぽう、税理士に期待するのは、税金をすこしでも減らしてくれること。
出ていくものは少ないほうがよいし、税金が少ないとトクをした気分にもなりますから。
でも、その「節税」も行き過ぎれば、税務署からツッコミが入ることもあります。
「その計算、間違っているんじゃないの…?」と。
そんなとき、税務署に勝ってくれるのも、よい税理士といえるでしょう。
ただ、税金が少ないことは、本当にトクだといえるのでしょうか…?
税金よりお金が大事
税金は、利益にたいしてかかります。
利益の○○%が税金、という風に。
そして、税金をはらった残りのぶん、お金が増えるわけです。
税理士なら、とうぜん節税もします。
でも、「お金を減らさずに」という条件つきのとき、節税には限界があります。
- マイホームを売ったときの「3,000万円の特別控除」
- 相続があったときの「配偶者の税額軽減」
こうしたインパクトの大きい節税をご存じのかたもいるでしょう。
ただ、これらの節税は、ほとんどのかたが一生に1回しか使えないものです。
ふだん、事業をおこなっているときの節税には、ここまでのものを求められないのです。
もしお金を減らしてもよいなら、節税も簡単になります。
利益とおなじだけ経費をつくれば、利益はゼロになるので。
そうすれば、税金もゼロです。
ただ、これを節税とよんでいいのかには疑問が残りますが……
さて、事業をする目的はなんでしょうか。
きっとお金以外のこともあるでしょうが、お金を稼ぐことも目的のはずです。
税金をへらした結果、お金が増えないことになってしまえば、本末転倒ではないでしょうか。
お金を稼ぎたい・増やしたいのなら、利益を稼がなければなりません。
すると、当然ながら税金だって増えてしまいます。
でも、これが道理です。
税金を減らすこと・お金を増やすこと。
どちらを大事にするかは、ハッキリ意識しておきましょう。
よい税理士はむしろ税金を増やすのかもしれない
税理士は、税金の専門家です。
その税金は、利益をもとに計算します。
さらに、その利益は、もろもろの数字やお金の流れから成っています。
つまり税理士は、税金そのものだけではなく、数字やお金についても通じているのです。
ところで、利益を稼ぎたいとなったとき、どうするでしょうか。
- とにかく仕事を受注する
- お金が順調に増えているか見ておく
- まずは節約する
このようなことも、よい方法といえます。
いっぽう、会計データなどの数字やお金をみながら、今どうすべきかを考えるという方法もあります。
こんなときは、数字やお金について、税理士が役に立ちます。
- 数字やお金の見方
- ○○すると、何がどう変わるか
- ○○すると、いつお金が足りなくなりそうか
こうしたことに、税理士なら答えられるので。
- 利益を稼ぎ、お金をふやしたい
- 数字やお金も参考に、経営をしていきたい
この2つの条件が揃ったとき、税理士には、税金を減らすのとはちがった役割もうまれます。
それに答えられるのも、よい税理士です。
よい税理士は、利益やお金をふやす助けになるわけです。
利益がふえれば、税金も増えてしまいます。(きっちり節税をするという前提であっても)
つまり、よい税理士は、むしろ税金を増やしてしまうこともあるのです。
税金を減らすこと。利益やお金を稼ぐこと。
どちらを大事にするか、考えておきましょう。
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。
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