黒字でも問題はある。その根底にあるものは何か

赤字は誰にとっても問題ですが、黒字でも問題はあります。

その問題の根底にあるものはなにか…とかんがえてみましょう。

 

黒字のときの問題

事業をするなら、もちろん黒字を目指すものだとおもいます。

ただ、その黒字が実現したときには、つぎのような問題もあります。

  • 税金
  • お金はあるか
  • つぎの期はどうするか

 

税金

黒字になれば、その金額におうじて所得税や法人税などの税金がかかります。

 

税金というのは、ある意味、払うのが当然のもの。

日本に暮らして、日本語で仕事をする。

これは当たり前のように思えますが、じつはタダではない。

ご自身もふくめ、だれかがお金を出さなければ、当たり前も当たり前じゃなくなる。

とは頭で分かりつつも、いざ税金としてお金を払うときには、惜しくなるものです。

 

このことを飲み込めるかどうか…という問題。

もしかしたら、10万円くらいなら気持ちは揺らがないかもしれませんね。

でも、たとえば3ケタ万円、あるいはもっと。

そうなったときに問題となってしまわないか。

 

一般に、お金がないのは問題といいますが、お金があっても問題はある。

そのお金のことですが。

 

お金はあるか

黒字だからといって、その分のお金があるとはかぎりません。

 

売上の入金が、しばらく後になることもあるでしょう。

売れ残りの商品は、その黒字のなかから次の期の経費を先払いしているようなもの。

車や設備などを買えば、でていったお金の一部しか経費にならないので、お金と利益にはズレが生まれる。

 

こうしたことの積み重ねで、黒字なのにおもったよりお金がない。

そんな場面は珍しくありません。

 

ただ、お金と利益は、最終的には一致します。

トータルの黒字のぶん、お金は増えるのです。

問題は、その一致するときが事業を止めるときだということ。

1年度ごとにみていれば、ほぼ必ずズレるもの。

黒字だからといって、お金で安心はできない…という問題があるのです。

 

つぎの期はどうするか

黒字になった期のつぎの期は、どんな風にお金をつかいましょうか。

その黒字が臨時のもので、つぎの期はいつもに戻るなら、なにも変わらないかもしれません。

 

でも原因によっては、きっと迷うはずです。

たとえば役員報酬をいくらにするか。

あるいは、欲しかったモノやサービスをどうするか。

 

黒字というのは、税金のことをのぞけば、やっぱり嬉しいものです。

それで気が大きくなる…とはいいませんが、お金の使いかたが変わる可能性がある。

これには良い面もあれば、悪い面もあります。

お金というのは、ほんらい「あるから使う」ものではないですから。

黒字になると、お金の使いかたが変わるかも…という問題があるのです。

 

問題の根底にあるもの

黒字であっても問題はあるわけですが。

その多くは、税金やお金そして数字にたいするスタンスによるのかな…と感じます。

 

まず「税金」ですが、これは意外にやっかいなもの。

たとえば節税と称して利益をへらす。

これは、順調に伸びてきた植物を切ってしまうような面もあったりするので。

 

もちろん、伸び方にあわせてできる節税もあるんですよ。

たしょう手間はかかりますけれどね。

そのためには、決算時だけではなく、定期的に税金のことも考えておかなければなりません。

すると次の税金の目途もつくので、なんとなく心の備えもできてくる。

すこしずつ揺らぎにくくなってくるはずなのです。

 

そして税金は、会計データの「数字」をもとに計算されます。

その数字にはいくつもの役割があるのですが。

ひとつ大きいのは、結局のところ事業は数字ではかるもの…だということ。

もちろん、やりがいや気持ちのように、数字ではあらわせないものも大事です。

ときには、損得を度外視することもあるでしょうしね。

 

でも、数字を完全になくすことはできません。

事業の目的にふくまれるお金は、数字であらわすものですからね。

お金を気にするのだったら、数字も気にするのが道理なわけです。

どちらか片方しか気にしないのは、片足しか靴下をはいていないようなものかもしれませんよ。

 

そして最後に「お金」のこと。

お金は必須だし便利な反面、あらゆる問題のタネになりうるもの。

ただ考えてほしいのは、つぎのこと。

  • お金があってもなくても変わらないものはなにか

とくに根拠があるわけではないんですが、このことがお金から自由になるカギのようにおもいます。

 

事業をつづけていくかぎり、税金やお金そして数字とは、付き合っていかなければなりません。

きっと、事業をするからには、お金以外の目的もあるはずです。

そこへ行くのに、税金やお金・数字にたいするスタンスが邪魔をすることがあるのか・ないのか。

考えてみましょう。

 

まとめ

赤字は問題と感じるはずですが、黒字でも問題はあります。

その問題をひきおこすのは、じつはご自身のスタンスかもしれません。

きっと軸になるのは、お金があってもなくても変わらないもの…のはずです。

 

 

※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。