税金を減らすのは簡単だがお金を増やすのは難しい

税金を減らすには、ひたすら経費をふやせばよいので、それは言ってみれば簡単なことです。

いっぽう、お金を増やそうと思ったら、お金をつかうのとは逆に難しいものです。

これは事業がうまく回らなくなってはじめて実感することなので、普段から「面倒くさい」とか「習慣を変えたくない」という気持ちを持たずに税金や経理・お金と向き合うようにしましょう。

 

税金を減らすのは簡単(言ってみれば)

税金はできれば少ないほうがよい。。。

その税金、といっても事業をしているときの税金、を減らすのは簡単といえます。

ひたすら経費を増やせばよいので。

 

  • 収入ー経費=「利益」

事業をしているときの税金は、「利益」をベースに計算されます。

「利益×○○%」といった風に。

 

そのため、利益が減れば、税金も減るわけです。

消費税はすこし計算体系がかわりますが、消費税がかかる支払いを増やせば、やっぱり納税はへります。

 

こまかいことを言えば、「モノは使わなければ経費にならない」とか「商品は売れなければ経費にならない」という縛りはあります。

ですが、いってみれば経費になる時期の問題です。

出ていったお金は、いずれ何らかの形で経費になり、税金を減らす効果があるのです。

(借入金の元本返済はのぞきます)

 

つまるところ、経費(支払い)を増やせば、かんたんに税金を減らすことができるのです。

また、「お金をつかうのは簡単」ということもありますよね。

 

でも、この方法で税金を減らせば、お金は残りません。

利益が「100」のとき……

  • だまって税金をはらえば「70」くらいはお金が残ります。
  • ムリヤリ経費をふやして利益を「0」にすると、残るお金も「0」です

 

もちろん、ここまで極端なことをするかたはいないと思います。

ですが、「いずれ使うから」とか「せっかくお金が浮いているから」という理由であっても、簡単に経費を増やすことはおススメしません。

お金をつかうことが簡単な反面、お金をふやすことは難しいからです。

 

お金を増やすのは難しい

お金を増やすためには、利益を増やさなければなりません。

そのときに考えるのが、次の3つのことです。

  • 売上を増やす
  • 経費をけずる
  • ムダな税金をなくす

 

どれも簡単なことではありませんが、それぞれ順にみていきましょう。

 

売上を増やす

利益を増やすには、「売上」を増やすことも一つの方法です。

でも、売上が「100」増えたとしても、経費が「200」増えるなら、利益はかえって減ることになります。

間接的には売上も意識すべきですが、売上「だけ」に意識がむくと危険なのです。

 

このことは、算数の問題としてかんがえると当たり前に思えます。

でも、手元のお金に余裕がないときは、当たり前ではなくなることもあります。

売上の数字に飛びつくようになるのです。

 

利益ではなく売上に目がいってしまうのは、実際に体験してみなければ実感できない種類のものごとといえます。

「病気になってはじめて、健康の有難さに気づく」

このような種類のことなので、もちろん体験して欲しいとは言いませんよ。

 

売上が増えれば利益も増えるのは、当然のことではありません。

売上が増えるなら、経費がどう変わるかも見ておかなければならないのです。

 

経費をけずる

利益を増やすには、経費をけずる方法もあります。

でも、けずり方によっては、事業がまわらなくなる経費もあるでしょう。

 

たとえば人件費。

「やる気」というのは、決算書などの数字にはあらわれません。

頑張っているのに、かえって給与がへってしまえば、やる気はなくなっていくものです。

人によっては離れていくし、やる気がなければ仕事もおざなりになるでしょう。

事業の業績は、けずった経費以上に悪くなる可能性もあります。

 

もし経費をけずるなら、「明らかなムダ」はよいものの、それ以外は慎重におこなう必要があるのです。

 

その明らかなムダは、習慣になり過ぎていることに潜んでいることが多いです。

  • 付きあいで払っている
  • 長い間、払っている

もしこうした支払いがあるなら、それが本当に必要かどうか検討してみましょう。金額にかかわらず。

 

ムダな税金をなくす

利益がでたら税金がかかるのは当然ですが、そこにはムダな税金がある可能性もあります。

  • 経費になるのを知らなかった
  • うっかり納付を忘れて、罰金を払っていた
  • 手間がかかることはやらない

 

いずれも、一つ一つは大きな金額にならないこともありますが、事業はながく続くものです。

こうしたものも、積み重ねによっては大きな金額になることもあるのです。

まずは、「うっかり」や「面倒くさい」が原因となるムダな税金がないかを考えてみましょう。

 

税金のしくみ、経理、簿記。

なにも知らない状態でこれらを前にすると、どれも難しいし、面倒だし、できれば触れたくないものでしょう。

でも、「慣れればこなせる」ものでもあります。

 

ムダというのは、「面倒くさい」とか「習慣を変えたくない」といったところに潜んでいるものです。

もし、こうしたことに向き合っていくなら、すくなくともムダな税金はなくなります。

 

事業が順調なときは、多少のムダは気にならないものです。

そして、順調なときほど、ムダは生まれがちです。

でも、事業にも波があります。

お金の大事さは、事業がうまく回らなくなったときにはじめて、体の健康とおなじように、気がつくものです。

そのときに、普段の姿勢がものを言ってきます。

繰り返しになりますが、それを体験してほしいわけではありませんよ。

ただ、お金をつかうのは簡単だけど、ふやすのは難しい。

これを知っておいて欲しいのです。

 

まとめ

税金を減らすには、ひたすら経費をふやせばよいので、言ってみれば簡単なことです。

でも、お金をつかうのとは逆に、お金をふやすのは難しいものです。

「面倒くさい」とか「習慣を変えたくない」とチラっとでも感じたら、用心しましょう。

 

※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。