お金を使う・経費を使う。この2つが別のことになっていないか
経費になるからという理由は、お金の使いかたを変えることもあります。
でも、それはお金を大事にしているとは言えないのかもしれません。
経費になるという誘惑
お金をつかう…というと、抵抗があるものです。
つかえば、無くなってしまうので。
でも、つかったお金が経費になるときは、ちがった感覚が生まれます。
経費になるなら、税金がへるので。
- お金をつかう
- 経費をつかう
この2つを図にすると、こんな風になります。
プライベートも含めて、つかったお金のうち、一部が経費になるわけです。
どちらもお金が出ていくことに、変わりはありません。
でも、経費になるというと、財布の紐がゆるんでしまうこともあります。
「経費になるならよいか…」と。
よくあるのは、決算が近づいてきたときに、必要以上の利益がでているとき。
たとえば、利益が「100」あったとしましょう。
そこから税金を「30」はらえば、手取りは「70」。
追加で経費を「100」はらえば、利益は「ゼロ」になります。
なので、税金も「ゼロ」になりますが、手取りも「ゼロ」になる。
だまって税金を払っていたほうが、手取りは多くなる…というわけです。
でも、だまって何もせず、ただ言われるままに税金をはらうのは「悔しい…」かもしれないですね。
税金を払うのは悔しいがもっと悔しいこともある
税金をはらうのは、○○税法といった法律があり、さらに憲法でも定められているからです。
「国民は、法律の定めるところにより、納税の義務を負う」と。
理性的にかんがえれば、税金がないと結局は自分も困ることはわかるはずです。
公共的なものは、ゼロになるので。
ただ、人間だれしも「○○しなさい」といわれると、抵抗がうまれるものです。
「本当はやりたくないのに、なぜ…?」という風に。
そうでなくても、心からの行動にはならないものです。
でも、税金がへるから=経費になるからといってお金をつかうのは、その税金に自分の行動を変えられているのと同じです。
- 税金をはらうこと
- 税金に、自分の行動を変えられること
どっちも悔しいですが、より悔しいのはどちらでしょうか。
お金をつかう。経費をつかう。
どちらも、見返りにモノやサービスを手にいれることができます。
でも、税金を減らすためのモノやサービスには、どんな価値があるでしょうか。
もしかしたら役に立つかもしれないし、もしかしたらムダ遣いになるかもしれない。
つまり、「欲しいものではなかったかもしれない」のです。
お金を使う理由はなにか
税金のことが頭にないときは、どうお金をつかうでしょうか。
その目的は、次のとおり色々あります。
- 生きていくため
- 事業をするため
- 遊ぶため
- 自分を変えるため
- 見栄、自慢
- 貯金、そなえ(という使いかた)
その他にもあるでしょうが、それぞれ、お金をつかった見返りを考えるはずです。
もしかしたら、なんとなく使ってしまうこともあるでしょう。
また、かしこい使いかたとは言えないときも、あるかもしれません。
ただ、大事なのは「自分で決めて」つかうことです。
経費になるという誘惑に負けてお金をつかうとき、決めたのは「税金がへる」ということです。
でも、お金をつかうことの本質は、見返りに何かを手に入れることではないでしょうか。
その見返りを自分で決めることが、大事なのです。
お金は有限です。
であれば、つかう理由は見返りに手にいれるモノやサービスを軸にしましょう。
そうすれば、経費になろうがなるまいが、使いかたは変わらないはずです。
税金がへるなら、自分の財布から出ていくお金もすくなくなります。
でも、それはお金を大事にしているとは言えないのかもしれません。
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。
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