強みや自信に代わる武器

強みや自信をつくろうとすると、「無理しているな…」と感じないでしょうか。

そう感じたら、自覚していることに目を向けてみましょう。

 

強みや自信のむずかしさ

事業をしているなら、どこかで「強みや自信が大事」と聞いたことがあるのではないでしょうか。

あるいは別の言いかたで、差別化、ほかとの違い…などと。

これらは、自分の商品やサービスをより売りやすくするための視点。

 

たとえば飲食業だと、それぞれの強みはきっと目にしたことがあるはずです。

「三ツ星のどこどこで修行したシェフが…」とか「○○産のこだわり材料」とか。

すこし専門的になると、SWOT分析という言葉も聞いたことがあるかもしれませんね。

強み・弱み・機会・脅威の4つを洗いだし、それらをもとに「これからどうすれば良さそうか」と考えていく仕組み。

 

そして自信が大事なことは、言うまでもないこと。

「できるかどうか分からない」と言われれば、注文するのをためらいますからね。

 

こうした強みや自信が大事といわれれば、なんとか作ろうとするものだったりします。

やっぱり売上や利益そしてお金を、自分が望むところまでは増やしたいですから。

でも、その強みや自信をつくるのは簡単ではありません。

 

たとえば、「自分なんか…」とおこがましく思ってしまうことがあります。

「○○ができます!」と言ったところで、自分よりできそうな人がいることは明らかだったりしますもんね。

世の中は広い。

自分なりの基準で「100点」あるいは「120点」くらい取れそうでないと、「できる」とは言いにくかったりするものです。

そうでないものを強みとするのは、なんとなく気が引ける。

そうしたことについては、「自分なんか…」と感じてしまうもの。

 

そして、自信についても「あえて」持とうとすると、ムリがあるものです。

自然な感じがしないし、自分になにかを強いる感じもうけたりします。

「長続きしなそう…」とは思いつつも、頑張ってそれを支えているような。

 

でも、強みや自信ではなく「自覚」だったらどうでしょうか。

 

自覚も武器

「強みや自信はなんですか」と聞かれると、躊躇、あるいは頑張って答えることになりがちです。

でも「自覚していることはなんですか」と聞かれたとき。

もし誰かに言うのではなく、自分だけに頭の中でこたえるなら、強みや自信よりは答えやすいのではないでしょうか。

良いと思っていることじゃなく、悪いと思っていることだっていいんですよ。

 

自覚とは、自分が持っているものを「持っている」と言葉にするようなこと。

あるいは「持っていた」でも。

だから基本的には、過去から現在までの行動や能力・財産・人間関係などをふりかえり…というと固いですね。

「○○した」

「○○ができる」

自然とこんな風に思えることを、洗いだしていくだけのこと。

頑張るようなことでもなく、無理強いすることでありません。

むしろ頑張らなきゃいけないなら、それは「持っている」とは自覚していないことでしょうから。

 

こうした自覚を、まずは集めてみましょう。

強みや自信のヒント・きっかけは、その中にあったりしますから。

良いことも裏返せば悪いこと、そしてその逆もありますしね。

 

そして、一通り洗いだしたら「いまの自分にはそれ以上思いつくものはない」と開き直ることも大事です。

いまの自分を受け入れて、足りない…と感じるんだったら、努力するきっかけになりますから。

ただ、周りをよくよく観察してみると、人にはないけど自分にはある…こともあったりしますよ。

結局は、強みや自信はあったほうがよいと思うんですけれどね。

そのためには、自覚できることを増やしていくのも一つの方法です。

 

自覚を増やすには

自覚を増やすための王道は、やっぱり努力です。

できないことを練習していると、いつか「できた」となる日が来ますから。

ただ、そのためには長い時間が必要なこともあります。

それまで待ってられないよ…ということもあるでしょう。

 

いっぽう、ふだんの生活に目を向けると、自覚しないところで、けっこう行動を積み重ねていたりもします。

ただ、意識していないと忘れちゃうんですね。

だから、記録をつけてみましょう。

なんでもいいので、自分が気になることの記録を。

朝起きてから夜寝るまでの詳細な記録をつけるのでもいいんですが、それは大変ですから、気にしていることだけで。

 

たとえば、読んだ本とか歩いた時間・距離、あそんだ時間、仕事をした時間、起きた時刻・寝た時刻、食べたもの…

とにかく自分の興味が向くものだったらなんでも。

でも、やったら必ず。

 

自分が良いと思うことをしたからといって、強みや自信になるとはかぎらなかったりします。

ものごと、何かどこでどうつながっているか…なんて、分からないものですからね。

だから、良し悪しではなく、興味を基準にするのがよいです。

 

そして、こうした記録が自覚をみちびき、さらには努力や追加の興味をみちびくこともあります。

また、「できた」「やった」という経験って自信ともいえますから。

 

たぶん、本当の強みや自信は、自覚していることの中にあるとおもうんです。

商売上は、それを表に出すのもよいことでしょうけれどね。

でも、もしふだんの生活の中にあるようなものだったら。

きっと、それをひけらかすようなことはしないはず。

それよりも、そのことに対する興味がうわまわる。

だから「できる」と言うことはせずに、いつも自分が知らないことを探しているようなことになるのでは…と。

興味があることって、もっとできるようになりたいですから。

 

そんな強みや自信を見つけるためにも、自覚できることを増やす。

そのきっかけが、記録をつけることです。

 

 

※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。