決算書は写真のように見るものではない

決算書は、ある時点の数字を撮った写真のようなものです。

それを鵜呑みにするのではなく、普段の動きも見るようにしましょう。

写真ではなく、パラパラ漫画のように。

 

決算書は写真のようなものだけど

決算書は、ある時点における数字をあらわすものです。

通常は、年度末のものを。

 

でも売上や経費、そして現預金の残高などあらゆる数字は、日々うごいているもの。

そのうごいているものを、決算になったらパシャッと写真にとってみる。

それが決算書であるわけです。

 

もし写真ではなく、動画…

とまでは言わないものの、たとえばパラパラ漫画のように見ることができるなら。

数字はちがった意味をもつかもしれません。

写真写りってありますから。

 

自分の写真をだれかに見せるとき。

もし2~3枚あるなら、できれば写りのいいものを選んだりしないでしょうか。

わたしはそうします。。

決算書だって、たまたま良く撮れた、あるいは悪く…ということもあるのです。

 

そのたまたま良く…あるいは悪く撮れた写真を、参考にしたり分析したりしようとするなら。

それは出だしから何かがズレていることになります。

本当のじぶんが写っていないわけですから。

 

だから決算書は、写真のように見るものではない。

パラパラ漫画のように、前提となる動きを押さえてから見るものなのです。

多少の手間はかかりますけれどね。

 

どう見るか

 

まずは会計データの作り方

動きを押さえるためには、会計データは発生主義でつくるのが望ましいです。

発生主義とは、お金の出入りではなく、モノやサービスが移動したときに売上や経費などを利益の計算に組みこむ方法のこと。

 

たとえば、売上の代金が後払いのことも多いですよね。

でも仕事が終われば、代金をもらえることは確定しているのが普通です。

だから仕事が終わったときに、売上が発生する…とかんがえるのです。

 

ただ、この発生主義は、はっきり言って面倒です。

だから普段は、お金の出入りをベースに数字をつくる。

そして、決算のときに発生主義に合わせることも割とおこなわれています。

 

そのときの問題は、年度末にいろんなものがドカッとまとめて登場すること。

年度の最後の月だけ、数字が極端に大きくなるのです。

植物を例にとってみると。

毎月1センチずつ伸びているものが、決算のときに2センチも伸びるようなもの。

ホントは1センチなのに。

すると、動きを見ようにもただしい姿が見れないことになってしまいます。

 

大変なので全部が全部…とは言いませんよ。

でも、売上やおおきな経費くらいは、発生主義をためしてみましょう。

 

動きを知るために

動きを知るためには、比較をしなければなりません。

決算のときなら、過去2年度くらいの数字と。

 

期中なら。

たとえば月ごとの売上などがわかる推移表を見てみましょう。

でもこの推移表では、月ごとの数字しか分からない。

たとえば売上が、100万円・200万円・300万円…と増えてきた様はつかみにくいのです。

それが知りたいときは、Excel で自分なりにアレンジしたものも作ってみましょう。

 

また、移動年計というものもあります。

その月までの12月分の数字…といえば良いでしょうか。

年度の区切りを無視した数字。

たとえば今が2月なら。

昨年3月から今年2月の12月分の数字の合計です。

これにより、たとえば季節ごとの変動要素がふくまれた状態で、数字を見ることができます。

 

見て欲しい動き

売上や利益、経費のなかでも大事なもの、そしてお金。

これらについては、きっと自然に目が向くものだとおもいます。

それを少し踏み込んで、セットで見てみましょう。

 

まずは「売上と利益」。利益率ですね。

これが、どう推移してきたか。

 

経費というのは、黙っていても増えていく傾向があるようにおもいます。

たとえば、部屋にあるモノがどんどん増えていくように。

使わないものを止める、あるいは捨てる。

これが結構むずかしかったりするのです。

 

もちろんお金との兼ね合いで、自然と節約などすることもあります。

でもお金に問題ないときは、気がついたら増えていることもある。

利益率が悪くなっていないか…は、チェックしておきましょう。

 

それから、もうひとつ。

「利益とお金」もセットで比べておきましょう。

利益のとおりにお金も増える…とは限らないからです。

 

「儲かったお金はどこにあるのか」

このことは、いつも意識しておきましょう。

それを知るために、利益とお金はセットで見なければならないのです。

 

まとめ

決算書は、写真のように、ある時点だけの数字をあらわすものです。

そしてその数字には、ほんとうの姿が写されていないこともある。

ほんとうの姿を知るには、動きも見ておかなければならないのです。

 

そして、その動きを知った後で、数字をセットで見ることも試してみましょう。

とくに「利益とお金」は。

数字は、比べることや組み合わせることで、意味をもつことも多いです。

すこし手間をかける価値はあるはずですよ。

 

 

※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。