一人フリーランスはどんな税金をいつ払うのか
サラリーマンの税金は、自宅の固定資産税をのぞけば、基本的には給与からの天引きで完結します。
つとめている会社が、申告・納付を代行してくれるようなものなのです。
しかし、フリーランスの税金は、自分で管理しなければなりません。
そこで、フリーランスはどんな税金をいつ払うのかについて解説します。
目次
どんな税金を払うのか
フリーランスとして事業をおこなっているときにかかる税金には、次のものがあります。
- 所得税
- 住民税
- 事業税
- 消費税
- 固定資産税(償却資産税をふくむ)
所得税
1月~12月の所得にたいしてかかる国税です。
- 収入ー経費=所得(儲け)
収入にかかるわけではないため、所得税とよばれています。
1年が終わったら、翌年2/15~3/15の間に税務署へ申告をすることになっています。
※ 国税は、税務署が管轄です。
住民税
所得税とおなじように1月~12月の所得にかかる税金ですが、地方税です。
厳密にいうと、都道府県税・市区町村税の2種類からなっていますが、まとめて住民税とよんでいます。
基本的には、所得税の申告内容がお住まいの自治体につたわるため、自分で申告をする必要はありません。
また、都道府県・市区町村へわけて納めるのではなく、一括で市区町村へ納めます。
事業税
所得税、住民税とおなじく、1月~12月の所得にかかる地方税です。
ただし、すべての所得にかかるわけではなく、かかる業種・かからない業種が存在します。
また、かかる業種であっても、所得が290万円までなら事業税はゼロ円となります。
かりに事業税がかかるとしても、所得税の申告内容が都道府県につたわるため、自分で申告をする必要はありません。
なお、納める先はお住まいの都道府県税事務所です。
※ どんな業種に事業税がかかるかはコチラ(東京都主税局のHP)
消費税
消費税は、モノの売買・貸付け、サービスの提供にかかる税金です。
1月~12月の取引について、翌年3/31までに税務署へ申告をすることになっています。
ただし、申告・納付をするのは、2年前の(消費税がかかる)売上が1,000万円を超えたり、インボイス登録をしたかたなどに限定されています。
固定資産税(償却資産税をふくむ)
固定資産税は、1月1日にもっている不動産や事業用のモノ(内装や機械、備品など)にかかる地方税です。
この事業用のモノにかかる固定資産税を償却資産税とよびます。
不動産については、登記の情報が市区町村につたわるため自分で申告はおこないません。
いっぽう、事業用のモノについては、1/31までに市区町村の役所に申告をします。
税金はいつ払うのか
今度は、それぞれの税金をどのタイミングで払うのかをみていきましょう。
まずは、スケジュールのまとめです。
所得税
所得税は、申告をするときに一括ですべて払うとは限りません。
おおきく前払いと後払いに分かれます。
デザイン料や印税、士業の報酬のように、収入を受けとるときに前払いとして天引きされることがあります。
これを源泉徴収とよびますが、1年を通しておこなわれます。
また、前年の所得税がざっくり15万円以上になると、予定納税という前払いもしなければなりません。
前年の所得税の1/3を、7月中・11月中に2回はらう仕組みです。
そして、確定申告をするときには、1年分の所得税から前払いしたぶんを引いた残りを納めるのです。
住民税
住民税には、所得税のような前払いはなく、すべて後払いとなります。
次の各月末までに、1年度分を4回にわけて払います。
- 6月、8月、10月、翌年1月
事業税
事業税もすべて後払いとなり、次の各月末までに、1年度分を2回にわけて払います。
- 8月、11月
消費税
消費税は、基本的には後払いですが、前年の消費税が一定ラインをこえると前払いすることもあります。
この前払いは、中間納付とよびます。
<前年の消費税が、48万円をこえ400万円以下>
- 8月末までに、前年の消費税の1/2を払う
<前年の消費税が、400万円をこえ4,800万円以下>
- 5月末、8月末、11月末までに、それぞれ前年の消費税の1/4を払う
<前年の消費税が、4,800万円をこえる>
- 前年の消費税の1/12を、11回払う
確定申告するときには、1年分の消費税から中間納付をひいた残りを納めます。
なお、上記のスケジュールは、中間納付が1回だとしてつくってあります。
固定資産税(償却資産税をふくむ)
固定資産税は、市区町村により、いつ払うのかが変わります。
東京都23区の場合は、次の各月末までに、1年度分を4回にわけて払います。
- 6月、9月、12月、2月
ちなみに、西東京市の場合は次のとおりです。
- 5月、7月、12月、2月
まとめ
一人フリーランスはどんな税金をいつ払うのかについて、解説しました。
上記のスケジュールをよくみると、4月~5月をのぞき、毎月なにかしらの支払いがあります。
きっとかぶらないように調整してるのでしょうね。
税金をとる側が頭をつかっているのだから、払うほうも頭をつかわねば……
※ 記事作成時点の情報・法令等に基づいています。
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