源泉所得税がゼロ円のときの納付書の書き方・注意点

給与がなかったり、あったとしても少ないときは、源泉所得税がゼロ円になります。

こんなときでも、税務署へ納付書を提出する必要があります。

その納付書の書き方と注意点についてみていきましょう。

 

源泉所得税がゼロ円でも納付書を提出しなければならない

次のようなとき、源泉所得税の納付がゼロ円になることがあります。

  • 給与や役員報酬の支払いがない
  • 給与などがすくなく、源泉所得税がゼロ円

 

こんなとき「納付がゼロ円なんだから、なにも手続きしなくてもよいよね」と思ってしまいます。

ですが、「源泉所得税がゼロ円であること」の報告が必要なのです。

 

その報告は、ふだん納付するときにつかう納付書によっておこないます。

納期の特例を受けていれば、次のものです。

 

 

この納付書の書き方と注意点をみていきましょう。

 

納付書の書き方・注意点

まずは納付書の書き方、それから注意点をみていきます。

 

納付書の書き方

記載が必要なのは、年度・支払年月日・人員・支給額・税額・納期等の区分の6カ所です。

もちろん住所や名称も記入しますが、そこはいいですよね。

それぞれを順にみていきましょう。

 

まずは「年度」を。

 

この年度は、4月~3月の期間をあらわします。

くわえて、その源泉所得税を税務署へおさめる日がどの年度にあたるのかを記載します。

たとえば「令和6年3月に支払った給与の源泉所得税」だったら次のように。

  • 3月に税務署へおさめるなら……令和5年度
  • 4月に税務署へおさめるなら……令和6年度

 

つぎに「支払年月日」。

 

ここは「その納付書がカバーする期間」ではなく「給与などを支払った年月日」を記載します。

納期の特例をつかっているときは、その期間の「最初の支払い日」から「最後の支払い日」を記入しましょう。

なお、支払いがないときは空欄でよいです。

 

また、上図で赤くかこってあるところは、毎月の給与や役員報酬・ボーナスのときに記入する箇所です。

なにを支払ったかにより記入する箇所がちがうことに注意しておきましょう。(この先の説明でもおなじです)

 

「人員」

 

ここは「のべ人数」を記載します。

納期の特例をつかっているときに、たとえば、1人に対して半年の間に6回給与を支払ったなら「6」となります。

今いる従業員の数ではないことに注意しましょう。

なお、支払いがないなら「0」と記載しておきましょう。

 

「支給額」

 

ここは、その期間に支払った給与の「合計額」を記載します。

ただし、通勤手当のように所得税が非課税のものはのぞきます。所得税が課税されるものだけを記載するのです。

なお、支払いがないときは「0」と記載しておきましょう。

 

「税額」

 

ここは、給与や賞与などの区分ごとの合計。それから「本税」と「合計額」の欄に記載します。

(今回の記事では年末調整により納付がゼロ円になったときのことは割愛しています)

この3か所に、それぞれ「0」と記載しましょう。

 

なお、一番下の「合計額」には「円マーク」も必要なため、ワクを2つ使って「¥0」と記載します。

 

最後に「納期等の区分」

 

ここは、「給与などを支払った期間」を記載します。

たとえば「令和6年1月~6月分」なら、上段に「0601」、下段に「0606」となります。

 

では、引きつづき注意点についてみていきましょう。

 

注意点

注意点は、つぎの2つです。

  • 納付書の入手方法
  • どこに提出するか

ズラズラッとまとめて書いていきますね。

 

納付書が手元にないときは、税務署まで出向く必要があります。

電話をして郵送してもらうことは出来ないのです。

 

とはいえ、実際におさめる税務署ではなく、近くにある税務署で作ってもらうこともできます。

納付書をよくよく見ると、上のほうに「○○税務署」とあります。

ここは手書きすることができず、税務署で印字してもらわないと、その納付書がつかえないのです。

 

もし面倒だな…と思ったら、e-Taxで提出することも検討しましょう。

申告書などをe-taxで送るときは、電子署名のためにマイナンバーカードなどの電子証明書が必要ですが、この源泉所得税の納付書については電子署名が必要ありません。

そのため、電子証明書がなくてもe-Taxで送信できるのです。

 

なお、納付がゼロ円の納付書は、郵便局など金融機関では受け付けてもらえないことがあります。

返信用の封筒をいれて、税務署へ郵送しましょう。

 

ちなみに、この納付書は3枚綴りになっていますが、ボールペンで相当グリグリ書かないと、3枚目(控え)にはハッキリと複写されません。

いざ控えが返送されてきたものの、数字がよく見えないということもあるのです。

グリグリ書いていると、机のどこかがカタカタ鳴っている……

そんなイメージで書きましょう。

 

まとめ

源泉所得税がゼロ円のときの納付書の書きかたと注意点についてみてきました。

給与などの支払いがないために納付書を出さないでいると、たまに税務署から確認の電話がきたりします。

納付がゼロ円であっても、源泉所得税の納付書を出しておきましょう。

 

※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。