たった1円のズレでも気になるのが税理士
いろんな原因で、書類とお金・会計データなどに1円~数百円のズレがでることがあります。
税理士は「たった1円でもズレてはいけない」と考える人種です。
もし、こまかい話はスルーしたい派なら、自分の金銭感覚を伝えるようにしましょう。
たった1円のズレでも気になるのが税理士
次のようなことが原因で、たった1円ですが、書類とお金・会計データなどがズレることがあります。
- 消費税の端数処理
- 利息の源泉所得税
- 計算まちがい
とくに消費税は影響がひろく、こちらからの請求と入金がちがう……といったことに繋がります。
こんなときは、「どちらに合わせるのか」という問題が起こります。
そして、場合によっては、取引先と確認することもあります。
たった1円のズレなので、ほとんどの場合は税金が変わることもありません。
税金の計算では、1,000円未満や100円未満切り捨てという過程があるので。
「1円を笑うものは1円に泣く」というと大げさに聞こえるかもしれませんね。
でも、ズレを数百円までひろげてみると、次のようにズレる原因は多くなってきます。
- 給与などの源泉所得税
- 銀行の振込手数料
- 売上が入金されるときに引かれる、それぞれの取引先独自の「○○会費」的なもの
- 交通費や保険などの立て替え分
- なにかを滞納したときの延滞金
- 消費税を考慮するか・しないか
ここまでくると、積み重なり具合によっては、利益や税金への影響も大きくなってきます。
こんなときは、ズレが1円のときも含めて「ズレている原因はなんでしょう…?」と税理士からお客さまへ質問がいくことになります。
ある程度は、過去の経験などから税理士側で推測できることもあります。
でも、100%推測というのも、それはそれで勇気がいるものです。
あとで「やっぱり違った」ということだって起こり得るので。
ズレている金額が「10万円」とか「100万円」だったら、大問題ですよね。
でも、ズレが1円とか数百円というように小さなときは、次のように思ったりしないでしょうか。
- う~ん、何でもよいかな…
- 資料をさがすの面倒だなあ…
- 適当にやっといてくれないかなあ…
こんな風に思うのも、分かります。
資料をあたって確認するのも、けっこう大変ですからね。
また、労力に見合わないでしょうし…
ただ、税理士の仕事は、いってみれば誰かのお金をあつかうことです。
1円だったら気に留めないかたもいるでしょうが、税理士側で勝手に決めつけたり、想像で経理するのは、やっぱりダメなのです。
たとえば銀行なら、たった1円合わないだけでも、すべての行員が帰ることができません。
書類をチェックしたり、1円がどこかに落ちていないか探し、ピッタリにしなければ仕事が終わらないのです。
誰かのお金をあつかうって、こういうことです。
たった1円でもズレていない。
それが、お金をあつかう者にたいする「信用」です。
でも、面倒なことは、やっぱり面倒ですよね…
どこまで確認したいか
金銭感覚は、人それぞれです。
1円単位までキッチリ合わせたいかたもいれば、逆にこまかい話は聞きたくないかたまで。
でも、この金銭感覚は、しばらく付き合ってみないとわからない種類のことです。
普段はいろんなポイント集めをしているのに、現物のお金となったら数百円のズレは気にしないかたもいます。
1回の買い物でつくポイントを「お金」に換算すると、「円未満」のことだってあるのに。
こういうことだってあるのです。
なので、こまかい話について、とりあえず初回は我慢しましょう。
税理士からこまかい話がでてくるのは、しょうがないことです。
「1円」ズレていれば、テストは「0点」になってしまう。。。
そういう試験をくぐり抜けてきたのが税理士なので、やっぱり下地はあるのです。「こまかい」という。
もし、こまかい話はスルーしても大丈夫なら、次のように伝えましょう。
「これくらいの金額だったら、ズレても良いし、責任は問わないからざっくり行きたい」と。
おそらくですが、それでも、たとえば決算前の振り返りなどで、ズレていたこと自体は何らかのタイミングで耳にするでしょう。
わたしだったら、何かを100%、税理士側で握りつぶすようなことはしませんし。
税理士とは、こまかいことを言う人種。そう割り切りましょう。
「税金の計算、適当にやっておきました」と聞くよりかは、良いと思うのです。
「こまかいことは面倒」ということは税理士にだって分かっているので、そう伝えればゴリ押しはしてこないでしょうし、なんらかの方法を考えてくれるはずですから。
まとめ
1円~数百円のズレ。こうしたこまかい話を聞きたくないかたもいます。
いっぽう税理士は、1円でもズレていてはいけないと考える人種です。
うまく付き合っていくには、「これぐらいなら気にしない」という金銭感覚を、折に触れて伝えるようにしましょう。
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。
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