税務署から納付書は送られてこない。入手方法は?

これまで、申告や中間納付がちかづくと、納付書は送られてきました。

このルールは変わり、送られてこないようになりました。

納付書の入手方法や、ほかの納付方法について確認しておきましょう。

 

税務署から納付書は送られてこない、で困ること

これまで、申告の時期がちかづくと、黙っていても税務署から納付書が送られてきました。

ですが、令和6年(2024年)5月からは、送られてこないようにルールが変わっています。

 

なお、送られてこないのは、次のような方のみです。

  • すでに e-Taxで申告したことがある法人
  • すでにインターネットバンキングなどのキャッシュレス納付を利用したことがあるかた

つまり、まだ納付書が送られてくるのは、e-Taxを利用したことがない法人や、いつも納付書をつかって税金をはらっている個人くらいなのです。

 

とくに法人は、e-taxの利用率が90%を超えています。

上で「次のような方のみ」と書きましたが、ほとんどの法人には、納付書は送られてこないのです。

 

例外的に、よくつかう源泉所得税や、消費税の中間納付のものは、今でも送られてきます。

困るのは、法人税の確定申告をするとき、そして中間納付するときです。

 

とくに、中間納付のものは困ります。

というのも、これまで金額などが印字されていたものが送られてきていたので。

印字されていることが、便利だったのです、

 

納付書は、書き間違えるとつかえません。

いつだったか「最終値を間違ったのでないなら、訂正できる」と聞いたことがあります。

でも、わたしはこれまで一か所でも書き損じたら、やり直してきました。

やっぱり気になるので…

 

納付書をつくるときは、いろんな数字が頭のなかにあります。

決算書や申告書ができたばかりの時なので。

なにかの拍子で、うっかり間違えるのは、時にあることなんです…

なので、予備がないときは、けっこう気をつかいます。

 

この納付書が送られてこないとなると、どうしましょうか……

 

ちなみに、住民税・事業税の納付書は、これまで通りに送られてきます。

送ってくるのは税務署ではなく、都道府県税事務所や市役所などなので。

税務署は国税、都道府県税事務所などは地方税。

それぞれ、税金の行き先がちがうのです。

 

納付書を手に入れるには

納付書を手に入れるには、つぎのどちらかの方法によります。

  • 税務署へいく
  • 税務署へ電話する

 

税務署へいく

税務署へいけば、納付書は手に入ります。

「税目・どの税務署宛てか」以外は、なにも印字されていない状態のものが。

 

でも、そもそも納付書は、税務署が用意したものでなければなりません。

コピーしたものや、会計ソフト・税務ソフトからプリントしたものはつかえないのです。

これらをつかうと、金融機関での読み取りがうまくいかないことがあるために。

 

納付書は「郵便局や銀行にも置いてある」と聞いたことがあり、実際に2回ためしてみました。

でも、無かった……

 

結局のところ、納付書は税務署へいくのが確実です。

時間さえ問題なければ。

 

ただ、申告をする税務署でなくてもよく、どこの税務署へいっても大丈夫です。

「○○税の納付書で、○○税務署のものを印字してください」と言えば作ってくれますので。

 

税務署へ電話する

とある税務署へ電話したところ、中間納付のものを頼めば「金額まで印字したものを送ってくれる」とのことでした。

11月末が期限のものを、11月10日あたりに発送するとのことで。

 

でも、すべての税務署がやってくれるとは限りません。

実際に申告をする、つまり管轄の税務署に問い合わせてみましょう。

 

ほかの納付方法は?

納付書が送られてこなくなったのは、税務署もキャッシュレス納付をしてほしいからです。

「あらゆる税務手続が税務署に行かずにできる社会」を目指している、とのことで。

納付書をつくるのもタダではない…ということもあるでしょう。

 

そのキャッシュレス納付には、次のものがあります。

  • ダイレクト納付
  • 振替納税(個人のみ)
  • インターネットバンキング
  • クレジットカード納付
  • スマホアプリ納付
  • コンビニ納付(QRコード)

 

これまでキャッシュレス納付を利用したことがないなら、ダイレクト納付かインターネットバンキングを検討してみましょう。

どちらも、ご自身で e-Taxを利用して納付の手続きをします。

 

もし、税理士のかたに申告を依頼しているなら、聞いてみるのが手っ取り早いでしょう。

そうでないなら、すこし時間をとり、申告の2~3か月前から調べておきましょう。

 

事業をしている側からみたとき、キャッシュレスであるより、現金または口座への振り込みのほうがありがたいものです。

電子マネーやクレジットカードは、通常、手数料がかかるので。

でも、キャッシュレスは、どんどん広がっていくだろうと思います。

現金や紙は、肩身が狭くなっていくんだろうと思うのです。

すると、今は送ってくれている住民税などの納付書も、送られてこないようになるかもしれません。

 

であれば、キャッシュレスや e-taxなどインターネットでの手続きにも慣れておきましょう。

小さな金額から。

 

たまに銀行のATMが止まったり、個人情報が抜かれてカードが不正利用されたなど不安要素もやっぱりあります。

いっぽうで「わざわざ出かけなくてよい」というのも、結構なメリットです。

見方や考え方は、なにかを体験すると変わります。

いちどは試してみましょう。

 

※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。