税理士との打ち合わせは何をするのか
当事務所では、打ち合わせで下記のようなことを行っています。
定型で決まっているわけではありませんし、そのときに大きな問題がないかなど状況によっても変わります。
おおざっぱなところではこんな感じね、と思ってくださいね。
目次
サイクル・頻度・時間
打ち合わせでは、そこまでの経理の内容の確認、すこし将来のことも考える、そしてご相談にのる、この3つがメインです。
(税務調査がくる、突発的な問題がでた、などで臨時におこなうこともありますが)
そのため、月締めなど任意のタイミングで資料を送っていただき、会計ソフトへの入力などが終わってから打ち合わせをおこなっています。
経理には、平均的に1週間~10日ほどかかります。
資料は月締めでお願いすることが多いので、打ち合わせは各月の10日~20日あたりになることが多いです。
打ち合わせを毎月するか、数か月毎に1回か、あるいは決算時だけか、これは規模や状況におうじて契約するときに選んでいただいています。
もちろん、一度選んだあとで変えることもできます。
打ち合わせのせいで普段の仕事に影響がでないように、それぞれのルーティーンが終わったあと、日中の午後におこなうことが多いですが、仕事中は手が離せないというかたは、仕事の後におこなっています。
あまり長くならないように気をつけていますが、少なくても90分ほどみていただければと思います。
打ち合わせ(通常編)
普段の打ち合わせでは、次のようなことをおこないます。
もちろん必須ではないので、状況や希望に応じてです。
- 追加の資料のお願い
- 届いている郵便などの確認
- 経理の確認
- 税金関連の予定を確認
- いま問題はないか(ご相談)
- 今後の展開を考える(節税なども含めて)
追加の資料のお願い
この数字はなんだろう?の裏付けになる資料を確認します。
よくあるのは一つの数字に複数の取引がまとまっているケースですが、たとえば次のようなものです。
- カード明細(個々の領収書も)
- 新車の購入・下取り
- 事務所や社宅の引っ越しのときの明細
- 合算で入金された売上の内訳 など
また、単価10万円以上のモノについては、経理の方法や償却資産税が関係するためお願いすることが多いです。
これらを事前にお伝えすることもあれば、その場の話の展開で「これもお願いします!」となることもあります。
届いている郵便などの確認
税務署や役所などからの郵便は「これは何?どうすればよいの?」が分かりづらいときもあります。
その説明や必要なら書き方などをその場でお伝えし、こちらでやった方がよいものはお預かりします。
なかには営業のものもあったりして、損得やお金への影響など一緒に考えることもあります。
経理の確認
そのときまでの売上や利益、お金を一緒に確認します。
「こうした方がいいかもしれない」「こういう方法もある」「これはどうかな……」「こうすれば○○になる」といったことを交えながら。
疑問などがあれば、その説明も。
会計ソフトからプリントしたものもお渡ししていますが、ちょっと見づらく、いじりにくいため、Excelで作ったものをパソコン上で確認することが多いです。
なかには会計ソフトを導入しているかたもいますが、必須ではありません。
もちろん、あれば便利ですよ。
税金関連の予定を確認
税金は、決算のときだけ納めるものではありません。
次の申告の前払いとして納める中間納付や、給与から天引きした源泉所得税・住民税などの存在があるからです。
納付書が届いたら払う、でもよいのですが、今後○○の支払いがどのタイミングでやってくるかを知っておくのもアリだと思っています。
突然、支払いがやってくるのってイヤですからね。
そのあたりを確認します。
いま問題はないか(ご相談)
打ち合わせ時までの経理を確認するときは、とくにお金と利益の関係に重点をおいています。
この2つが一致することは稀なので。
というのも、お金を受けとったから売上・お金を支払ったから経費、ではないからです。
利益のなかには、まだお金を受けとっていない売上の分、まだお金を支払っていない経費の分も含まれているのです。
その結果、今あるお金のなかには「使ってはいけないお金」が存在することもあります。
もし、お金に余裕があるなら「自由に使えるお金はいくらか」を押さえておくことも大事です。
これを踏まえ、資金繰り表などを活用しながら、お金がちゃんとまわるかを一緒に考えます。
足りなければ融資を考えるかもしれませんし、余裕があれば節税やボーナスなどを考えるかもしれません。
今後の予定を伺ったあとで。
もちろん、お金のことだけではありません。
税金をはじめ、いろいろなご相談にも乗っています。
- ○○はどうしたらいいか?
- ○○がわからない
- ある取引をするかどうか
- 人件費をあげるかどうか
- ○○しようと思うが利益やお金への影響を知りたい など
仕組みや影響をカスタマイズしてお伝えしています。
ご相談には、過去の数字だけをベースに答えることができるものもありますが、なかには今後の展開によるものもあります。
今後の展開を考える(節税なども含めて)
さきほどの疑問もふくめて、今後どうなるかを一緒に考えます。
- このペースでいけば、こうなる
- もし○○をするなら、どうなるか
こんなことを、数字にしてみます。おもにExcelにした推移表をつかって。
このときの数字は、税理士ではなく、経営者のかたが出す必要があります。
実際にExcelをいじるのは税理士が多いですが、数字そのものは考えていただいています。
そして、次回の打ち合わせで答え合わせ、仮定と実績を比べます。
例年、売上など経理内容が安定しているかたもいますので、必須ではありません。
でも、こうしたことを通じて、数字に強くなる・数字をつかって話が出来るようになる・数字が使えるようになると考えています。
なので、おススメはしています。
そして、さきほどの疑問の答えも、仮定の数字を入れた時点でだいたいは出ています。
おまけで、次の税金はだいたいこれぐらいかな、というのは、ほとんど常に分かっていることになります。
もし、仮定の数字を入れたときに利益が多ければ、節税の方法も考えます。
税制改正や補助金などの情報も踏まえて。(これらは随時お伝えしています)
打ち合わせ(決算編)
決算のときは通常の内容に加えて、次のことをおこないます。
- 決算のときだけ必要なこと
- 次の年度のことを考える
決算のときだけ必要なこと
在庫があれば棚卸し(数や金額を数える)が必要ですし、途中の仕事があれば、その仕事の原価を計算する必要があります。
また、年度をまたぐときは、売上・経費ともにどの年度のものかが重要です。
(税務調査でまず見られるところです)
年度の途中で売上や経費の忘れものがないかの確認をしつつ、1年の振り返りをおこないます。
ただ、普段から細かいことを整えながらやってきているので、大きな負担を感じることはないはずです。
次の年度のことを考える
決算中の年度の数字をベースに、ざっくりとした次の年度の見通しをつくります。
- 最低限必要な利益
- ちょっと頑張ればいけそうな利益
- ホントに目指す利益
これらを踏まえて。
実現する可能性が0%は厳しいですが、10%~90%くらいのどこかでも、とりあえずつくることが大事です。
「将来なんて誰にもわからない」で切って捨てちゃうのはもったいないかな……
数字やお金のことが分かり、使えるようになって欲しいと思っていますので。
それから、役員報酬をいくらにするかの相談もおこないます。
役員報酬は、基本的に年度の途中では変えられません。
そして、いくらにするかの設定は、会社と役員個人の税金にも影響する節税の王道ともいえるものです。
なので、とても大事なのです。
その他にも新しいスタッフを探す、設備投資をするなどがあれば織り込んで次の年度の見通しをつくりますが、次のことのきっかけになればという思いからです。
将来から逆算していま何をするべきか。
決算のときだけではないですが、それぞれがやりたいことが上手くいくように、そのために打ち合わせを活用して欲しいと思っています。
※ 記事作成時点の心境に基づいています。
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