会社を共同経営するなら注意しておくこと
共同経営には魅力もありますが、上手くいかないこともあり得ます。
そうならないように用心し、注意すべきことを記事にしました。
共同経営が上手くいかないとどうなるか
共同経営とは、複数のかたが対等の立場で、事業を経営していくことです。
たとえば、肩書は社長と副社長だけど、登記ではともに代表取締役になっている。
ただ、とくに上下関係はないケース。
あるいは、複数人で会社を設立したものの、それぞれの活動がそれぞれの裁量によっている。
そして、誰もそれに制限をかけることができないケース。
こうしたケースで、ことが上手く運ぶと、効果はかけ算のようになっていきます。
だれかの不得意を、他のだれかの得意で補うことができる。
じぶん一人では思いつかないようなアイディアがでることも。
人間関係やお金のことも、ひとりでやるときよりも広がりは大きくなる。
結果、事業はおもったより上手くいくこともあるのです。
ただ、それらが裏目にでることもあります。
すると、たとえば「意見がわれる」ことも。
自分がよいと思うことを、相手はむしろ悪いと思ったり。
これが「なんかアイツは気に入らない…」と感じることにつながることも。
ただ、それを止めることもできない。
そうした不満のようなものが、「役員報酬をきめる」ときにも出てきます。
互いが、相手の役員報酬は高い…と思ってしまったり。
そもそも、はたらきの度合いは数字であらわしにくい面もあるんですけれどね。
くわえて、相手の苦労は軽くみえ、自分のそれは重くみえるような面もありますし。
こうしたことが積み重なると、数字は足かせのようになることも。
それが、「責任」を話題にするときにでてきます。
「こっちは○○円も利益をだしたのに…」と相手を追求する刃のようにもなるのです。
なにか、使いかたが違うんじゃないか…と。
たしかに、共同経営にはむずかしい面もあります。
頭が二つあるようなものですから。
それまでは、どんな人も頭は一つで生きてきた。
それが突然に二つになるわけですから、だれにとっても初めての経験。
いきなり「分かっている」状態にならないのは当たり前です。
ただ、上手くいけば効果はかけ算。
楽しさも同じように…かは分かりませんが、増えるのは確かでしょう。
そのために注意してほしいことを書いていきます。
共同経営するときに注意すること
たとえば、出資比率を半々、あるいはだれも過半数をとれないように設定するのも一案です。
そうなれば、いざという時には協力せざるを得ないですから。
ただこれは、表面的なこと。
もうすこし掘り下げてみると、つぎのことが大事ではないか…といえます。
- 「分からない、出来ない」と言えるか
- 笑顔があるか
- 相手の失敗を被る気があるか
「分からない、出来ない」と言えるか
たとえ本気でやったとしても。
ある時点では、分からないことや出来ないことは出てきます。
そんな状態でことにあたってしまえば、上手くいかない結果につながりがちです。
そんな結果をまねく前に、仲間に「分からない、出来ない」と言えるかどうか。
これが言えないままだと、どうしても一人で抱え込むことになります。
それでも失敗せずに上手くできるなら良いのかもしれないんですけれどね。
ただ、仲間が気に入らないような失敗を積み上げていく可能性もある。
そうした失敗は、あんがい仲間に見えてしまうものだったりもします。
すると、気づいたら互いが互いに不満をもっているような状態になることも。
ここまでくると、解消するには骨がおれます。
だから、そうならないために「分からない、出来ない」と言えることは大事なのです。
言ったとしても、被害を受けることがない状態で。
仲良し…ともちがう次元の。
なにを言っても大丈夫な場になっているでしょうか。
「仕事だから当たり前」とか常識、自分の普通、プライド。
これらに用心してみましょう。
これらのカギが、つぎの笑顔だったりもします。
笑顔があるか
自然に笑えるかどうか。
これも大事です。
仕事にかぎらないですが、なにかをするなら自然体がいちばん上手くいくように感じます。
たとえば問題があるとき、「どうしよう、どうしよう、どうしよう…」と。
こんな風にかんがえ進めていくと、気がつくと眉間にシワができていることも。
この状態では、きっと体のほかの場所にも力がはいっています。
すると、思考も自然にはすすまないのでは…と思うのです。
科学的根拠があるわけではないので、わたしの感覚的なものですけれどね。
でも、経営というのは長くつづくもの。
そして、人間には喜怒哀楽などいろんな感情があるものです。
そのうちどれか一つを押し殺した状態では、長くは持たないのではないでしょうか。
不自然ですから。
あえて、笑ってみてください。
その状態で、どこかにギュッと力をいれようとする。
きっと、できないはずです。
笑うことで、体から不自然な緊張がなくなる。
それがリラックスした自然体にちかづくカギではないか…と。
だから、笑顔も大事なのです。
相手の失敗を被る気があるか
もし相手のことが嫌いなら、相手の失敗をじぶんが被るなんて、きっとイヤになりますよね。
たとえば相手の失敗で、自分の役員報酬が下がることも。
こうしたことを、受け入れられるかどうか。
共同経営では、かけ算のようにことが上手く運ぶこともあります。
ただ失敗があるときは、その逆もあり得る…と。
その覚悟を左右するのが、ここまで書いてきたつぎのこと。
- 「分からない、出来ない」と言えるか
- 笑顔があるか
事業は、ヒトがいるから成り立つものです。
そのヒトには、良い面も悪い面もある。
良いことがあるなら、悪いことも必ず残るように思います。
だから、いつもヒトの問題とも付き合ってかなければなりません。
事業では、たしかに数字やお金も大事ですが、ヒトにも気を配ってみましょう。
まとめ
会社を共同経営するときに注意すべきことについて、確認してきました。
悪い面ばかりを書いてきましたが、もちろん良い面もあることを忘れずに。
いまは、会社をつくるのも以前より簡単です。
それもあって、ノリで始めることもあるかもしれませんね。
ただ、数字やお金がすべてではありません。
むしろ、その数字やお金を生み出すヒトのほうが大事なのかもしれないですよ。
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。

