一人社長の給与計算を少しラクにする方法
一人あるいは夫婦で経営している会社なら。
役員報酬から天引きすべき住民税は、普通徴収にできるかもしれません。
すると、給与計算が少しラクになります。
給与計算は微妙に変わる
給与計算とは、役員報酬や給与から天引きする社会保険や税金、そして手取り額を計算すること。
ただ役員報酬は、毎月おなじ金額になっていることがほとんどです。
変えたとしても、年に1回だけ。
そうでないと法人税のルールにより、不利なことになるので。
だから、給与計算も簡単…と思いがちです。
でも、天引きするものは、それぞれ年に1~2回、微妙に変わるのです。
だから給与計算も、その都度、微妙に変えなければならない。
まず社会保険(健康保険・厚生年金)ですが。
しばらく前まで、春に健康保険、秋に厚生年金が、それぞれ変更されていました。
ここ数年、厚生年金は据え置きですけれどね。
それから住民税は、6月~翌年5月がひとつのサイクルになっています。
1年度分を、12回に分けるわけです。
そのとき、12に割った100円未満の端数は、すべて最初の6月にふくめられる。
だから、6月分と7月~翌年5月分の2種類の数字になるのです。
そして最後の所得税は。
社会保険の変更により、微妙に変わる可能性があります。
くわえて年末調整でも。
こうしてみると、かりに役員報酬に変更がないとしても、2~3か月ごとに、なにかしら給与計算の変更があるわけです。
これはどうしようもないことなのですが、住民税だけは少しラクにできる可能性があります。
住民税
住民税の払いかたには、2種類あります。
役員報酬から天引きすることを「特別徴収」といいます。
このとき納付書やいくら天引きするかの情報は、会社あてに送られてきます。
いっぽう「普通徴収」という方法もあります。
これは会社あてではなく、納税者である個人に納付書などが送られてくるもの。
だから「普通徴収」にできるなら、給与計算はすこしラクになるのです。
項目がひとつ減りますからね。
ただ役員報酬をとっているときは、原則として「特別徴収」になる。
じつは、特別徴収なのか普通徴収なのか…のあつかいは、数年前までけっこういい加減だったらしいのです。
それが問題になったようで、ここ最近はルールは正しく…という向きもあります。
それでも、つぎの図の「普A~普F」のどれかに当てはまるなら。
ほんらい特別徴収であっても、普通徴収にすることができるのです。

(練馬区HPより)
一人社長や2人以下の会社なら、「普A」に当てはまりますよね。
であれば、普通徴収にすることも、検討してみましょう。
どちらであっても、個人の財布からでていくお金は変わらない。
なのに、給与計算だけはすこしラクになるわけですから。
なお、普通徴収にするときは、手続きについても注意しておきましょう。
その手続きのことを「給与支払報告書の提出」といいます。
(期限は、例年1月末です)
給与支払報告書とは、住民税における源泉徴収票のこと。
内容も様式も、ほぼ同じものです。
これを住民税の計算のため、お住まいの自治体へ送るのです。
その給与支払報告書のなかほどに「摘要」欄があります。
そこに「普A」などと、うえの理由におうじて記入しておきましょう。

それから給与支払報告書を提出するときは、「総括表」も送ります。
会社は、個人ごとではなく、自治体ごとに提出をします。
だから、会社によっては複数人いることもあり、まとめの表も必要なわけです。
たとえ1人の会社であっても、総括表は必要になります。
その総括表の右あたりに、特別徴収・普通徴収がそれぞれ何人か…も記載をします。
ソフトをつかっていれば連動されますが、念のためチェックも忘れず。

そして最後に、うえにもあげた「普通徴収切替理由書」も。

これはエルタックス(電子申告)をつかうなら不要なはずです。
ただ、すべての自治体について確認したわけではないので、必要かどうかはチェックしてくださいね。
まとめ
たとえ役員報酬がおなじ金額であっても、年に数回、給与計算は微妙に変わります。
そのうち住民税は、普通徴収にできることもある。
もしその条件に当てはまるなら、検討してみましょう。
給与計算では、こまかい数字、ゼロ並びではない数字だらけです。
とはいえ、数字は正確でないと、帳簿にもその痕跡が残ってしまいます。
「後日に精算した…」などと。
その細かさが、少しラクになるかもしれない豆知識として知っておきましょう。
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。

