数字を見ないで競馬に賭けていないか

競馬をするなら、オッズをはじめ、いろんな数字が気になるはずです。

これは、経営とよく似ていないでしょうか。

 

競馬の勝ちとは

競馬をするなら、とうぜんオッズが気になります。

好きな馬を追いかけるのもアリですが、どうせやるなら、やっぱり勝ちたいですから。

なので、手持ちの資金をみながら、自分なりの確信やオッズとの兼ね合いで賭ける金額を調整しつつ、勝って帰れるように張りかたをかんがえるものです。

 

ただ、このときの勝ちってなんでしょうか。

それは、たんに馬券勝負で浮くことではないはずです。

だって、競馬をするにも、ほかの支払いがありますから。

 

競馬場へ行くなら、交通費が。

情報を手に入れるなら、競馬新聞代が。

時間が長くなってくれば、食事代も。

大勝ちして散財でもしようものなら、さらにお金はかかります。

また、競馬で勝てば、基本的には一時所得として所得税や住民税もかかりますし。

 

こうした支払いをすべて考慮して、それでも残るお金があるなら。

その時はじめて「勝った」といえるのではないでしょうか。

 

もちろん、趣味としてみるなら、とりあえず馬券勝負で浮くだけでも十分ですよね。

でも、もし勝ちにこだわるなら。

その姿勢は、経営ととてもよく似ています。

 

勝ちにこだわる競馬と経営は似ている

競馬のオッズにあたるのは、原価にたいする売上の比率です。

たとえば「100円」で仕入れたものが「120円」で売れたなら、オッズは「1.2倍」という風に。

 

ただ、現実には、買って売るを1回ずつ繰りかえすわけではありません。

いくらかまとめて仕入れるもの。

なので、「10,000円」の仕入れをしたものの、売れ残りがでることもあります。

そして、その売れ残りは、値下げをしないと売れないことも。

すると、売上として入ってくるお金は、当初の見込みでは「12,000円」のところが、「9,600円」だったり「10,800円」だったりと、終わってみたときのオッズはかならずしも「1.2倍」とはならないことも多々あるわけです。

 

これは建設業やサービス業でも、同じようなもの。

仕事を受注するときは、その現場や案件でかかる経費の見積もりをします。

でも、その後で、手に入らない資材がでてきたり、当初の予定とはちがう人に外注を頼んだり。

また、値引き交渉が起こることもあったりする。

と、当初のオッズが変わることもあるわけです。

 

こうしたことは、自分が馬券を買った後で、ほかの人も馬券を買うことにより、オッズが変動することと似ています。

勝ちにこだわるなら、ここまでも見据えるものではないでしょうか。

 

そして、ここまでで浮いたお金から、競馬における交通費や新聞代などがでていきます。

それらが給与や家賃など、売上とは間接的なあらゆる経費です。

もちろん、税金も。

 

ここまでを踏まえて黒字を目指すのが、勝ちにこだわる競馬のようなもの。

仕組みは、ほとんど同じと言えるでしょうから。

さて、どれくらい勝ちにこだわっているでしょうか。

 

勝ちにこだわるなら

勝ちにこだわるなら、数字は必須のものです。

オッズも分からずに賭けることはないでしょうから。

それに、オッズがあるゆえの楽しみも増えますしね。

また、馬券以外にかかる支払いについても、数字でちゃんと把握していなければ、賭け方だって変わってくるでしょうし。

 

競馬は、たしかに遊びです。

それに、胴元である国やJRAに、賭けたお金のいちぶを持っていかれ、勝てばさらに税金もかかる。

という道理を踏まえれば、勝つのは難しいものです。

なので、やるにしてもほどほどに…とは思います。

 

ただ、お金を増やそうとする姿勢や、そのときの数字を見る目は、経営にとっても必要なものではないでしょうか。

その動機はともかくとして。

 

きっと、数字を見ないで競馬に勝とうとは思わないはずです。

そこまで偶然だよりにすると、かえってつまらない…ということもあるでしょうしね。

 

これは、経営でもおなじです。

競馬と似ていることを考えてみれば、数字がないと不安になるのが道理ではないかと。

もちろん、勝ちへのこだわりが100%ではなくてもよいと思います。

事業の目的は、お金だけではないですから。

 

でも、お金へのこだわり度と数字へのこだわり度は、見合ったものになっているでしょうか。

そんなことも、気にしてみましょう。