ギャンブルの負債を取り返すことはできないが、負けを経営に活かす考え方

「ギャンブルの負債を取り返す」という表現は違和感なくきこえますが、会計的には正しくありません。

という細かい話もありますが、もし負けたのなら、ただで転ぶのはもったいない。

ギャンブルと経営の似ているところを意識して、すこしでも勝つためのことを考えましょう。

 

ギャンブルの負けは負債ではなく損失

ギャンブルといえば、宝くじやパチンコ・競馬などが身近です。

日本にはまだありませんが、カジノもギャンブルのためのものでしょう。

ギャンブルという言葉よりも華やかなイメージがありますが。

 

また、FXや株式・投資信託もギャンブルといえないこともない。

ギャンブルというと運に身をゆだねるところがありますが、これらの金融商品で儲けるには、運を連想させる部分もあるので。

 

これらギャンブルは、どうしても胴元が勝つようにできているので、たまには勝つことがあるものの、最終的には負けることになるのが自然の流れのように思えます。

でも、負けっぱなしで終わることは、受け入れるのがむずかしいもの。

 

「ギャンブルの負債を取り返す」

言わんとすることは分かります。

ですが、会計的にはギャンブルの負けは「損失」であり、「負債」ではありません。

 

損失とは、入ってくるより出ていくお金のほうがおおかった状態をいいます。

その最たるものが赤字です。

ほかにも雑損失、車などを下取りしたときの○○売却損など。

 

そして負債とは、これからお金を支払わなければならない義務をいいます。

たとえば借入金。

もしあるなら、これから返済しなければならないし、返済は義務です。

 

「負け」から「負債」を連想しますが、「負債を取り返す」ことはできません。

借入金を取り返す……

すこし変に聞こえますよね。

 

ギャンブルでの損失がつみかさなり、お金が足りなくなったので、誰かからお金を借りて負債ができた。

損失と負債は、このような関係にあるのです。

 

さて、このギャンブルですが、経営と似ているところがあるように思えます。

たまたま気になったので、お金をすてるつもりで宝くじを2~3枚買ってみた、というような場合はのぞきますが。

 

ギャンブルと経営の似ているところ

ギャンブルも経営も、すこしでも勝ちたいものです。

勝ちたいというのは「儲けたい」の意味です。

 

そのために、いろいろなことをするはずです。

 

まずは、その場の状況を観察するでしょう。

ならぶ宝くじ売り場があることの根拠はわからないのですが、パチンコ屋にもでる・でないがあったり、競馬にもオッズや馬の血統・騎手・馬場の状況・距離などが勝敗に影響します。

これを経営におきかえてみると、自分がいる業界、個々の能力、市場、お客さま、商品、ニーズなどが「勝敗」に影響します。

 

もし、お金をすてるつもりがないのなら、いきなり飛び込んだりせずに、自分なりに調べてから起業するはずです。

もともと仕事をしていた業界のなかで独立するなら、このへんのことは知らず知らずのうちに身についていることもあるでしょう。

 

それでも負けたらどうするか……?

「これならうまくいくかもしれない」と仮説をたてて、うまくいくまでチャレンジするでしょう。

 

パチンコなら良い台をえらぶためにお客さまでにぎわう休みの日をさけたり、競馬なら自分のすきな馬に入れ込み過ぎたりしない、など。

これを経営におきかえてみると、市場やお客さま・ニーズなどを絞ったり、それにおうじて商品・サービスを変化させていくようなものです。

 

そして、うまくいくまで、これらの仮説・検証・修正をくりかえしながら改善していくわけです。

ギャンブルなら、勝率や狙いの的中度があがっていくようなものです。

 

この仮説からの流れをPDCAといいますが、経営でもギャンブルでもつかえる仕組みです。

  • P(Plan)……計画をたてて
  • D(Do)……実行し
  • C(Check)……結果をチェックして
  • A(Action)……うまくいかないところを改善する

 

経営もギャンブルも、すべて勝つのはむずかしいものです。

なので、このPDCAをほとんどエンドレスで繰り返していくことになります。

失敗や負けから学ぶ、ということです。

 

失敗したくないし、負けたくもないものです。

でも、買わなきゃ当たらない。

宝くじのように。

 

なので、PDCAのサイクルをまわしていくことが、経営でもギャンブルでも大事なのです。

 

そして、経営もギャンブルも数字であらわせる部分があります。

  • ギャンブルの勝ち負けは、その日その場で計算できる。
  • 試算表や決算書はつくるのに時間がかかる

このような違いはありますが、すこしでも勝つためには、数字の活用も検討しましょう。

 

まとめ

ギャンブルと経営には、次のように似ているところがあります。

  • すこしでも勝つために、仮説をたてて、やってみて、結果をみて、うまくいかないところを直していく。

 

もしギャンブルでやっているのに経営ではやっていないことがあるなら、それはもったいないです。

 

※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。