固定資産は財産だが、その本質は「将来の経費=投資」
固定資産は「持っている」と表現することがほとんどです。
でも、事業において、その本質は将来の経費であり、投資ともいえるものです。
購入するなら考えて欲しいことなど、固定資産にたいする見方や意識を確認しましょう。
固定資産の本質は「将来の経費」
事業に必要なヒト・モノ・カネのうち、「モノ」について考えてみましょう。
そのなかには、商品など収入に直接つながるものもありますが、間接的に必要な建物・機械・車・備品などの固定資産もふくまれます。
プライベートでこれらの固定資産をもっていると、それらは「財産」ととらえるものです。
生活を豊かにしたり、所有欲であったり、趣味、ときには世間体や承認欲求なども感じるかもしれませんが、いずれも「自分の持ち物」として認識します。
それらを活用して、お金を稼ごうとは思わないものです。
いっぽう、事業でこれらの固定資産をもっているときは、おなじく「財産」でもあるのですが、その本質は「将来の経費」です。
たとえば、1つ10万円以上の固定資産は、購入したときにはらったお金を、つかう期間で分割して経費にしていきます。
(これを「減価償却」といいます)
使いはじめたときに、購入代金のすべてが経費になるわけではないのです。
いずれは「つかい終わるとき」がくるので、最終的には購入時にはらったお金はすべて経費になりますが。
もし、つかっている途中で売るなら、まだ減価償却していない部分が、売るときにまとめて経費になります。
売らずとも、壊れたので捨てたり、誰かにあげてしまう場合も同様です。
なんらかの形で、最終的にはらったお金はすべて経費になるわけです。
固定資産は、「持っている」と表現することがほとんどです。
- 建物を持っている
- 車を持っている
ですが、事業においては「将来の経費」という意識も持ちましょう。
- これから○○円が経費になる
この意識により、将来を見る目が変わるので。
とくに、購入するときには考えておくべきこともあります。
固定資産を購入するときに考えるべきこと
事業においてなにか「モノ」を買うときは、すべて「投資」だと思いましょう。
投資ととらえるなら、当然ながら「投資以上のリターン」を期待します。
固定資産なら「将来の経費」なので、「それ以上の収入」があればよいわけです。
もし、ある企業の株式を買うなら……
当然、値上がりや配当金・株主優待を想像しますよね。
その結果、値下がりしそうだったり、なんらかの事故・不祥事などで配当金が見込めないなら、買わないのが普通だと思います。
ときには「勘」とか「趣味」でバクチをすることもあるのでしょうが、よほどの事情がないかぎりは、シンプルに将来のリターンを考えるものです。
いっぽう、事業において投資(固定資産の購入)をするときは、なかなかシンプルにはいきません。
次のようなことが邪魔をするからです。
- 必要だから
- 欲しいから(趣味)
- お金があるから(使いたい)
邪魔とは言いましたが、人間なら誰しもこうした気持ちはあるものだと思います。
でも、こうした気持ちが強すぎると、目がくもります。
事業で大事なのは、まず利益を出すことです。
そうでなければ、事業は続けられないので。
なので、固定資産を購入するときは、かならず「将来のリターン」を考えるようにしましょう。
購入の動機は「必要だから・欲しいから・お金があるから」でも問題ないですが、それだけでは将来つまづいてしまうかもしれないので。
もし、最初の動機を満たしたいなら、いちど将来のことを考えてからにしましょう。
- 購入するなら、どうなるか
- 購入しないなら、どうなるか
実際に数字で将来のことをかんがえるのは、大変な作業です。
将来がどうなるかなんて、誰にも分かりませんし。
でも、だからといって全く考えないのも問題アリです。
固定資産は投資。
投資なら、それ以上のリターンが見込めるかを意識するようにしましょう。
将来の経費がいくらになるかは、購入時点でわかっていますから。
まとめ
事業をおこなっていくうえで、どうしても固定資産が必要になることもあります。
ですが、買ってから後付けで投資以上のリターンを考えるのではなく、買う前に考えるようにしましょう。
シンプルに、株式など金融投資をするときのように。
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。
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