「自分にしかできないこと」を考える時の5つの視点
自分にしかできないことを仕事にできれば、自分の力をより発揮できます。
それを見つけ、育てるのは簡単ではありませんが、始めなければ手に入らないもの。
自分にしかできないことについて、5つの視点からかんがえてみましょう。
目次
「自分にしかできないこと」は簡単ではない
自分にしかできないことを仕事にしたい…という希望は、おおくのかたが持っていると思います。
たった一回の人生だし、どうせなら自分のやりたいことをやってみる。
かつ、それが周りの人たちから認められるなら、この上ないことです。
起業するということは、自分にしかできないこと探しの始めの一歩ともいえます。
でも、おおくの仕事・職業には、おおくの先駆者たちがいます。
既に、おおくのことが試されているわけです。
それを踏まえると、自分にしかできないことは、なかなか簡単に見つかるものではありません。
もし、自分にしかできないことを「自覚」できれば、それはたんなる強み以上のものです。
それがあれば、仕事も取りやすくなるし、自信にもつながります。
でも、せっかく起業したのに、誰にでもできる仕事をしなければならないときもあるでしょう。
このような仕事は、おうおうにして値段勝負になり、儲けも減りがちです。
いわば消耗戦にまきこまれたようなことになるので、できれば避けたいもの。
なるべくなら強み、そして自分にしかできないことで勝負したいものです。
彼を知り己を知れば百戦あやうからず、といいます。
自分にしかできないことは、周りとの比較にもよります。
また、自分目線ではなく、ほかのひと目線でかんがえてみることも必要かもしれません。
もしかすると、すでに持っているのに気づいていないだけかもしれないからです。
普通にかんがえると、自分にしかできないことは時間や知恵をつかって育てていくものです。
ただゼロからではなく、なにかを「自覚」することがきっかけになることもあります。
自分にしかできないことを、5つの視点から考えてみましょう。
「自分にしかできないこと」を考える時の5つの視点
5つの視点とは、つぎのものです。
- お客さま
- 経費などの支払い先
- 同業者
- 新規に参入してくる事業者
- 代替品
お客さま
自分の商品やサービスを買ってくれるお客さまとの関係をかんがえてみましょう。
- ぜひ、○○さんのところで買いたい
- ほかで買ってもいい…
このどちらと思われるか。
仕事は、相手の役に立つから、ひきかえにお金をいただくものです。
相手の欲しいもの・悩みごと・困りごとなどを解決するかわりに、お金をいただくわけです。
そこに自分にしかできないことが、どう関係してくるか。
ほかではやっていない・できないが、自分のところではやっていること。
これが長じると、自分にしかできないことにつながります。
その起点は、自分が持っているものではなく、お客さまの悩みごとなどにあります。
ひょっとすると、お客さま自身が気づいていないことがあり、それについて自分の持っているものが役に立てることがあるかもしれません。
自分にしかできないことというと、どうしても自分のなかを探すことになりがちです。
でも、カギはお客さまにあるのです。
経費などの支払い先
事業は、かならず支払いが先にきて、それから収入などの入金がくる。
このような仕組みになっています。
その支払い、経費などの支払い先も、自分にしかできないことに関係があります。
- 商品の仕入れ先
- 現場での外注を請け負ってくれるかた
- 社員やパート
たとえばこのような支払いは、仕事の内容におおきくかかわってきます。
それぞれの支払い先は、なぜ自分のところにきているのか……?
仕事である以上、もちろんお金のことがあります。
でも、ほんとうにそれだけなのか、考えてみましょう。
たとえば次のようなことがないか。
- ○○さんて、○○だよね。だから来ている。
- ○○さんのところは、○○だよね。
自分にしかできないことは、自分ひとりで考えがちです。
ときには、周りの目線がきっかけをくれることもあるかもしれないのです。
同業者
自分にしかできないことを考えるとき、同業者がやっていることはどうしても気になります。
でも、仕事の起点はお客さまにあることを意識しましょう。
同業者だって、持っているものとお客さまの希望をくらべ、お客さまを絞ることもあるからです。
もし同業者の仕事をかんがえるなら、「どんなお客さまにたいして」ということも忘れずに。
そのうえで自分と比べる……と。
たしかに同業者のやっていることは、刺激や気づき・発見につながります。
でも、同業者よりも……とかんがえると、売上や利益などの金額勝負におちいる可能性があります。
自分にしかできないことは、あくまでもお客さま起点でかんがえるようにしましょう。
新規に参入してくる事業者
自分にしかできないこととは、言いかえると他人にはマネできないことです。
どうせなら、簡単にはマネできないものをかんがえてみましょう。
もしかしたら、アイディアひとつで出来るものがあるかもしれません。
でも、基本的には時間・勉強・知恵など努力が必要になるでしょう。
お客さま起点での。
代替品
自分の商品やサービスが、ほかの似たものでもよいよ…と思われてしまうこともあります。
それが代替品です。
たとえば次のようなもの。
- 紙の本……電子書籍
- 固定電話……スマホ
- レジ……無人レジ
- 調べもの……AI
- 税理士……もしかしたら AI
自分にしかできないことが、値段だけなら安いほうへ行かれてしまうのは当然です。
やっぱり考えるべきはお客さまのこと。
たとえば満足度です。
満足度とは、たんに仕事が良かったということではありません。
- 自分がやった仕事
- 事前にお客さまがもっていた期待感
この2つをくらべてみましょう。
満足度は、期待感を超えれば超えるほど、たかくなります。
この満足度がたかいと、お客さまは「○○さんにしかできない」と感じるのではないでしょうか。
やっぱり、自分にしかできないことは、お客さま起点でかんがえるべきなのです。
まとめ
「自分にしかできないこと」を考える時の5つの視点についてみてきました。
じつはこの視点は、マイケル・ポーターが提唱した5つの力によっています。
ファイブフォース分析・5F分析などと呼んだりするものです。
事業全般について応用できるので、より掘り下げたいときは本なども読んでみましょう。
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。
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