会社の交際費が800万円を超えるとどうなるか【お金の問題】

会社の交際費は、基本的に800万円までしか経費になりません。

800万円をこえると、お金は出ていったのに経費にならないわけです。

これは、お金がたりなくなる原因でもあります。

交際費のルールとその原因・対策を解説します。

 

会社の交際費のルール

取引先との飲み会やゴルフ。

お中元やお歳暮などの贈り物。

冠婚葬祭のときの支出　など。

これらを交際費とよびますが、つまりは取引先と仲よくなって売上につなげる、便宜をはかってもらうための経費です。

この交際費は、基本的に800万円までしか経費にならない、というルールになっています。（大企業はのぞきます）

 

交際費にはけっこうな歴史があり、じつは昭和29年（1954年）に導入された仕組みです。

何回かの改正があり、いくらまで経費になるか、はそのつど変更されてきました。

ただ、根っこにあるのは「ムダづかいはやめましょう」ということです。

導入された当時はともかく、いまなら経費がふえれば景気がよくなるという意見もありますが、交際費がふえれば税金はへる……

そんな理由で800万円までしか経費にならないのかもしれません。

 

さて、1年間の交際費がいくらか、を集計するときに注意することがあります。

それは、「取引先との飲食で1人あたり5,000円以下のもの」です。

これは実態が交際費であっても、すべて経費にすることができます。

（会議費として経理するのが一般的です）

うっかり集計にふくめて「800万円までかどうか」の判断をしないように気をつけましょう。

 

交際費が800万円を超えるとどうなるか

交際費が800万円をこえると、経費になるのは800万円までです。

交際費が1,000万円なら……

200万円が経費にならないのです。

 

このとき、もう一つの選択肢があります。

それは「取引先との飲食代の50％」です。

• 800万円
• 取引先との飲食代×50％

このどちらか多い金額までを経費にすることができます。

とはいえ、飲食代の50％が800万円よりおおくなるには、飲食代だけで1,600万円超つかう必要があります。

ぎゃくに大変かも……

 

交際費が800万円をこえたとき、お金は？

「飲食代×50％」のことはおいといて、交際費を1,000万円つかったとしましょう。

そのとき、お金はどうなるか。

説明のため、売上も1,000万円、税率25％とします。

 

表面上は黒字なのに、お金がたりない。

お金は出ていっているのに経費にならないものがあるときは、このようなことになります。

説明のため極端にしていますが、根っこにはこういう仕組みがあるのです。

 

このようなときは、経費にならない金額を利益でカバーしないと、お金がまわらなくなります。

次のように。

（売上だけ増やします）

 

お金が出ていっているのに経費にならないものがあるときは、それなりの利益をださないとお金がへるのです。

交際費だけではなく、次のようなときは要・注意です。

• 減価償却するものを買った
• 解約返戻金のある保険にはいっている（全損ではないもの）
• 借入金の返済がある
• 経費にしたものがプライベートの支払いとみなされた
• 駐車違反や延滞金などの罰金
• 寄付をした

 

減価償却については、将来ぎゃくの現象「お金は出ていっていないのに経費がある」がおこります。

保険については、解約するときに、収入にはならないお金がはいってきます。

定期預金の解約、みたいな感じです。

また、借入金については、借りたときに収入にはなっていない。

こういう仕組みなので、長いスパンのバランスをとれば、お金の問題は回避できます。

（上記のうち、これら以外はその年度でケリをつける必要がありますが）

 

でも、5年・10年といった遠い将来のことまで気にしているのも、むずかしい面がありますよね。

なので、お金が出ていったのに経費にならないもの。

これがあるときは、お金のことに気をつけなきゃいけない、と覚えておきましょう。

そして、利益だけではなく、資金繰り表などでお金のことにも気を配りましょう。

半年先くらいまでは、予想をしてみて。

その兼ね合いで、つかってもよいお金がいくらかを知ったうえで、経営していきましょう。

 

まとめ

会社の交際費は、800万円までしか経費になりません。

交際費を800万円もつかうのは難しいかもしれませんが、問題は「お金が出ていったのに経費にならない」ことです。

利益も大事ですが、お金も大事です。

どちらかにかたよらず、両方ともみておきましょう。

 

※　記事作成時点の情報・法令等に基づいています。