2%の値引きで利益はどう変わるか。利益を減らさない方法は?

経営の数字をみるときに「%」をつかうことがあります。

「%」をつかうのか、「金額」でみたほうがよいのか。

サンプルの数字をつかって考えてみましょう。

 

2%の値引きで利益はどう変わるか

2%の値引きをしたら、利益はどれくらいへるのか……?

値引きをすることで売上が98%になったら…ということです。

 

利益がへるのも2%だけであればよいのですが、次のサンプルの数字をつかって考えてみましょう。

 

2%の値引きをすると、売上は「98万円」になります。

すると利益は「8万円」に。

 

利益は「10万円」だったものが「8万円」になるので「20%減」となるのです。

 

では、値引きが「5%」だったらどうなるか。

 

利益は「5万円」になるので「50%減」です。

ちなみに、今回のサンプルでは「10%」の値引きをすると、利益は「100%減」の「0円」となってしまいます。

 

ふだん買い物をしているとよく見かける「○○%値引き」という表現ですが、こんな結果をふまえると、ちょっとした数字のマジックのように思えてしまいます。

そのため、値引きをする側では「△△円の値引き」と金額で表現したほうがわかりやすいですね。

  • 値引き「2万円」……利益も2万円へる
  • 値引き「5万円」……利益も5万円へる

このように売上も利益もおなじ金額がへるわけなので。

 

「%」のカラクリですが、○○%の値引きで利益がどう変わるかは、変わる前の売上・利益の関係によります

今回のサンプルでは「売上:利益」は「100:10」でした。

利益率「10%」ですね。

 

この利益率がたかくなるほど、「○○%減」の○○%は小さくなっていきます。

ふだん経営しながら会社の数字をみるとき、「金額」なのか「%」なのか

どちらにも使いどころはあるので、慣れるまでは両方ともみるのがよいと思います。

 

では、値引きをしても利益がへらない方法がないかも考えてみましょう。

 

値引きをしても利益を減らさないための方法

売上は、次の算式であらわすことができます。

  • 値段×客数×リピート率

 

値引きをする前は、次のとおりです。

 

値引きをしても利益が減らないようにするには、次のようにかんがえます。

「2%」の値引きをしても結果が「100%」のままでいるには……?

 

電卓では、98%をあらわす「0.98」にどんな数字をかけると結果が「1」になるか…とかんがえます。

その数字は、だいたい「1.02」つまり「102%」となります。

 

そこで、次のような解決方法がかんがえられるのです。

  • 客数・リピート率のどちらかを「2%」ふやす
  • 客数・リピート率をそれぞれ「1%」ずつふやす

もちろん「%」だけではなく「実際の数」でみることも必要ですよ。

 

さて、ここまで書いてきたのはベースになるかんがえ方です。

 

現実には「一律○○%」の値引きをすることは稀でしょうし、期間も1年とおしてではなく限定されると思います。

また、商品・客数・リピート率をさらに細かくわけることもできます。

どんどんややこしくすることもできるのです。

 

ただ、なんとなく頑張るのではなく「あとどれくらいやればよいのか」が数字でみえると行動にも移しやすいのではないでしょうか。

こんな風に数字を経営に活かすこともできるのです。

 

まとめ

経営のいろいろな場面で「何かを○○%にするとどうなるか」というかんがえ方をすることがあります。

ですが、数字をみるときには「%」だけではなく「金額など実際の数」でも確認しましょう。

 

経営において数字は、なにかの行動をするときの目安になるものです。

「%」でも「金額」でも、「あとどれくらいかが実感できるかどうか」を基準にしましょう。

 

※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。