減価償却費は年度頭や購入時に計算しておくのがよい
減価償却費は決算時にまとめて計上するという習慣がありますが、毎月計上するのもよいと思っています。
決算時に大幅に利益が動く…など予期せぬことに慌てないためにも。
減価償却費は決算時に計上することが多い
減価償却費は、金額の計算もふくめ、決算時に1年分をまとめて計上することが多い印象です。
その結果「黒字だと思っていたのに赤字になってしまった……」ということが起こったりします。
赤字になれば税金はすくなくなるので、それはそれで良いことかもしれません。
いっぽう融資を考えているかたにとっては、「赤字では貸してくれないだろうから、なんとか黒字にできないか」と慌てることにもなったりします。
どちらにしても「予期せぬことで慌てる」のは、誰もが望まないことではないでしょうか。
減価償却費は、固定資産の種類や使いかたにより計算されます。
なので、すでに使っているものなら年度が変わったとき、新しく購入したものなら購入時に計算はできるのです。
つまり「減価償却費がいくらになるか」は、決算時よりも前から知っておくことができるわけです。
経理を決算時にまとめるのは止めよう
経理を決算時にまとめておこなうことのデメリットは、「決算時には大したことは何もできない」ことです。
年度が変わる前なら多少できることはあっても、年度が変われば基本的には何もできません。
減価償却費がいくらになるかを知らずにいて、黒字になると思っていたのが赤字になってしまう……
こうなったとしても、できることは限られているのです。
その気になれば、金額は知っておくことができたのに。。。
税金のことだけなら、経理を決算時にまとめてやるのもアリです。
しかし、事業の状況やお金のこと
- 自由につかえるお金はいくらか
- つかってはいけないお金はいくらか
このようなことを知っておくためには、経理は定期的にやらないと分からないのです。
(経験や体感でわかるかたもいますが、それは例外的な存在と思いましょう…)
また、いま利益は○○円だから……
- このペースでOK
- △△をしなければならない
- すこし経費を抑えようか・増やそうか
- 仕入れの金額を見直そうか
- 車の買い替えは、時期を早める又は考え直そう
- 節税対策が必要だ
- 融資のことを検討しよう
- ボーナスを考えよう
- 臨時の休日を取って遊ぼうか
わかっていれば、このような考えにも繋がります。
そして、これらのことは決算時よりも前から手をつけておかないと間に合わないのです。
そのため、経理は定期的におこなう必要がありますし、減価償却費も決算時にまとめてではなく、1年分の金額を12分割して毎月計上することもできるのです。
なお、減価償却費以外にも、次のようなことで予期せぬ変化がおこることがあります。
- 支払った金額のうち次の年度のものは今期の経費からはずす……前払費用
- モノやサービスを購入したので今期の経費になるが、お金をまだ払っていない……未払○○
- 消費税の経理が税込み・税抜き
経理は税金のためではなく、「将来の」自分のためでもあります。
たとえば減価償却費は、年度頭や購入時に計算しておくのがよいでしょう。
まとめ
減価償却費のように、決算時にまとめておこなうのが習慣になっているものがあります。
黒字だと思っていたものが赤字になる、といった予期せぬことに慌てないためには、経理を定期的にやっておく必要があります。
減価償却費も1年分をまとめてではなく、毎月計上してみるのもよいでしょう。
※ 記事作成時点の情報・法令等に基づいています。
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