申告書の控えは今後どうなるか
ルール変更により、紙で申告をしても、税務署は収受印を押さないようになりました。
申告書の控えは、おそらく、e-taxの受信通知が代わりになっていく…とみています。
紙で申告しても収受印はもらえない
令和7年(2025年)から、申告書の控えには、税務署の収受印が押されないようにルールが変わりました。
その収受印とは、つぎのものです。
この収受印は、申告書や決算書などの1ページ目に押されてきたものです。
その1ページ目には、申告における重要な数字がのっています。
ベースになる所得や税額などが。
そのため、その申告が、そうした数字のもとでちゃんとおこなわれた…という証明のような役割もはたしてきました。
ですが、ルールは変わり、収受印がおされた控えは手にはいらなくなりました。
もし、どうしても紙で申告をするなら、つぎの用紙に税務署の印をもらうこともできます。
(国税庁:申告書等の控えへの収受日付印の押なつの見直しに関するQ&A より)
この用紙からわかるのは、「申告はした…」ということだけです。
これまでのように、「こんな数字で申告した」ということとの紐づけはできません。
数字がはいっている状態で、押印されるわけではないので。
証明のような役割は、果たせないのです。
となると、気になるのは今後の「控え」はどうなるか…ということ。
申告書の控えは今後どうなるか
申告書の控えは、補助金などの申請、あるいは金融機関などで求められてきました。
「どれくらいの利益がでているのか」などの裏づけとして。
このことについて、税務署は、金融機関や行政機関に「収受印がおされた控えを要求しない」ことをお願いしているそうです。
なので、「収受印がおされた」申告書の控えは、要求されないはずです。
ただし、収受印の代わりに「e-Taxの受信通知」が要求されるのではないか…とみています。
「収受印がおされていない」申告書の控えとセットで。
その受信通知は、つぎのようなものです。
(国税庁HPより)
申告した日付けなどのほか、とくに所得や税額もわかるようになっています。
そこから、「収受印がおされていない」控えとも、紐づけができるわけです。
なので、証明のような役割もはたすことができる…と。
この受信通知は、無料で手にはいります。
e-Taxのメッセージボックスで。
(5年ほど過ぎると削除されてしまうことに注意しておきましょう)
ただ、そもそも収受印をおさないようにしたのは、e-Taxの推進のためでもあります。
とくに相手が役所のばあいは、相手の言い分どおりにうごくのは気が乗らないかもしれませんね。
増税のように。
でも、e-Taxは、たしかに便利で、かなりの時間も節約できます。
所得税の申告のため、寒いなか行列にならぶことをかんがえれば、雲泥の差ですから。
申告書さえととのえば、送る(送信する)のにかかるのは、数秒です。
こんな観点からも、e-taxを活用することを検討してみましょう。
まとめ
税務署が収受印をおさなくなったいま、控えはどうなるかについてみてきました。
おそらく、e-Taxの受信通知が代用していくことになると思います。
紙には、紙ならではの安心感があります。
いっぽうデータは、存在しているのか…と紙ほどの安心感はないかもしれません。
でも、とくに時間の観点から、e-Taxを、すくなくとも一度はためしてみましょう。
「並んでいたあの時間はなんだったのか…」となるはずですよ。
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。
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