数字が苦手なかたの共通点
数字が苦手なかたには、過程を飛ばすという共通点があるように感じます。
ぎゃくに強いかたは、過程をひとつずつクリアするのが上手いな…と。
数字をつかうとは
数字をつかうということは、理詰めで考えたり、論理を組み立てるようなものです。
というのも、ルールがあるので。
といっても難しいものではなく、たとえば「1+1=2」のような。
ただし、絶対に答えは「2」になり、「3」とか「4」にはならない。
そんなルールのなかで、たとえば「1234+5678=?」をかんがえる。
もう足し算のやりかたはとっくに覚えていると思うので、そう難しくは感じないですよね。
でも、ゼロから始めるとしたら。
「1+1=2」からはじまり、1ケタそして2ケタ…と徐々に増やしていく。
そこで繰り上がりのようなワザも覚えていく。
その結果、4ケタの足し算もできるようになる。
こんな過程をたどってきたはずです。
おそらく、むずかしい数学の問題も、基本的な考えかたの構造は似ているはずです。
つぎのような階段を、下から1つずつ登っていくような。

AだからBになる、そしてBだからCになる…
こんな風に、矛盾のないように、ルールのなかで、ひとつずつ階段をのぼり結論をめざす。
数字に強いといわれるひとは、きっとこの階段を上っていくのが上手なひと。
うえの階段の1つめの情報を知ったら、いきなり結論の数字を出せるようなひとっていますよね。
普通だったら2段目、そして3段目と過程をかんがえるところ、それをすっ飛ばせるひとが。
頭のなかでササッとできるんでしょうね。
ただ、彼らはきっと、階段を登る作業をくりかえしてきたはずです。
世の中、足し算だけではないですからね。
むずかしい定義などもたくさん。
だから、階段をひとつ登るのにも、時間がかかることもたくさんあります。
ルールのなかで、矛盾のない結論が見つからないこともある。
だから、数字に強いひとは、見つからないことに慣れている人。
そんな耐性をもっているひとなのかもしれないですね。
いっぽう数字が苦手なひとは、といえば。
数字が苦手なひとの共通点
数字が苦手なひとは、階段をひとつひとつ登っていくことに抵抗があるひと。
いきなり結論だけを知りたくなるひと…といえます。
過程は「まあ、いいか」なんて。
ただ、数字から離れてみれば、それでも良い場面ってたくさんあります。
たとえば、好き嫌いとか直感。
「○○が好き」とか「△△な気がする」ことってありますよね。
これらは、うえの階段でいえば一番うえにある結論。
それをわざわざ、1段目から「なぜ…?」と登っていくでしょうか。
無粋というか必要のないことのように感じます。
理由がなくてもいいじゃないか…と。
そして、そんな結論にあたるもので、すごいものを持っている人達もいます。
スポーツの才能とか、文学、料理、音楽、絵画、などなど。
これらが理詰めや論理でできているとしたら。
その可能性もあるのかも…とは思うのですが、すこしガッカリした気分になりそうです。
夢が冷めるというか。
ただ、事業をしているかぎり、数字が苦手なことはデメリットです。
数字であらわされるお金をあつかうわけですから。
数字をつかうには
ピンチのときは、数字をつかわざるを得ません。
たとえば、お金がないとき。
それは、つぎの階段の一番上に「お金がない」という結論がある状態です。

こんなときどうするか…といえば。
お金は降って湧いてはこないので、まずは原因を探しにいきます。
その原因は階段の一番下にあるので、うえから「なぜ」「なぜ」と下っていくのです。
その過程で「○月△日の無駄遣いがよくなかった…」ようなことが見つかることも。
それをさらに下っていけば「見栄」だったりするかもしれません。
(数字ではないですけれどね…)
と理由はともかく、いちど下まで降りることができれば、登ることもできる。
すると、おなじ間違いをしないことにつながる。
こんな感じで、数字をつかうことを覚えることもできるわけです。
でも、事業というのはお金が足りなくなれば、基本的には終わってしまうもの。
それはイヤですよね。
であれば、階段を登ることに慣れていかなければなりません。
といっても、階段ひとつひとつは、それほど難しいものではないですよ。
会計でつかうのは、足し算・引き算がメインですから。
ただ、積み重なると、その量が問題です。
それが「面倒くさい」と。
数字をつかうには、その面倒くささと、どう上手くつきあえるか…という側面もあります。
ということもありますが、階段はひとつずつ登っていくもの。
それを「自分の足で」登っていくことで、数字をつかえるようになります。
過程を飛ばせば、いつまでたっても登ることはできない。
慣れないうちはイライラすることもあるでしょう。
でも、いちどカンをつかめば、ずっとつかえる武器にもなります。
分からないことは、飛ばさない。
そんな気持ちで会計と付き合っていきましょう。
・

