お金に色はないが、あえて色をつけるべき理由
お金には、通常、色はありません。
そのお金に色をつけるとは、つかってよいお金とダメなお金の区別ができること。
そして、つかった結果もあるていど予測できること。
お金に色がない・ある…の違いから確認していきましょう。
お金に色はないのが普通
お金に色はない…と言ったりします。
これは、どんな経緯で手にいれたにせよ、お金としての価値は変わらない。
そんな意味合いの言葉です。
逆をいうと、手にいれた経緯が分かれば、色をつけられる。
すでに金融機関では、マネーロンダリング対策をしていますしね。
…とまではいかなくても、たとえば次のような違いで色はつけられるはず。
- 苦労して手にいれたお金……あぶく銭
- お父さんが稼いだお金……お母さんが稼いだお金
- 良いことして手にいれたお金……人を騙して手にいれたお金
- 借り入れたお金……増資して集めたお金
こうした違いは、いったん財布に入ってしまえば分からないものとなります。
というか、それが普通のことです。
手にいれたお金は、何につかおうが自由ですから。
もちろん、特別な例外はあるでしょうけれどね。
手に入れたときに色をつけたとしても、つかおうとしたときに色がなくなるのが普通。
色のことを考えていたら、きっと気になりますよね。
すると、食べたいものも食べられない。買いたいものも買えない。
わざわざ色をつけると、気になってしょうがないな…と。
なので、お金には色がないのが普通なのです。
でも、その色がないことが、次のような問題を引き起こします。
- 生活費と事業用のお金が一緒になってしまう
- 会社のお金と個人のお金が一緒になってしまう
そしてさらには、「つかっていいお金とダメなお金が区別できなくなる」ことにもつながります。
たしかにお金には色がないけど、色をつけたほうが良いお金もある。
そうでないと、いつかお金が足りなくなるなど、お金のことで困ることも起こり得ますから。
そのためには、どうしたらよいのでしょうか。
お金に色をつけるには
お金に色をつけるとは、つかってよいお金かダメなお金かが分かっていること。
それを踏まえて、お金をつかう。
そして、つかった結果がある程度は分かっている・予測できることをいいます。
でも、お金は入ってきた以上にはつかえません。
つかう前に、どんな風に入ってきたかを知っておく必要があるのです。
入ってきた以上につかえば、結果は明白ですからね。
たとえば、本業でのお金の増減。
これは、継続的な目線でかんがえられるもの。
それに対して、車や設備などの購入・お金を借りる。
こうしたことは、数年に1回おこる単発的なもの。
もし、本業が赤字なのに、借り入れたことでお金があることに安心してしまえば。
なにも手を打たないなら、いずれは困ることが見えています。
もちろん、赤字の事情によりますけれどね。
いっぽう、本業がしっかり黒字で、臨時の修繕などでお金がすくない。
こんなことであれば、いずれお金は増えていくので、そこまで心配する必要はない。
あせって経費を削る必要もないわけです。
どんな風にお金が入ってきているかを知っていれば、上のような違いも生まれるのです。
まずは、どんな過去があって今があるのかを知る必要があります。
それから、将来のことを。
その将来のカギは、貸借対照表や経営者の頭のなかにあります。
たとえば売掛金は、これから入ってくるであろうお金。
借入金は、これから出ていくであろうお金。
車や建物などは、これから役に立って、その金額以上の売上をもたらしてくれるはずのもの。
こうしたことの按配や、経営者の「○○したい、○○が欲しい」。
そのほか、環境の変化など。
こうしたことを踏まえ、やっと出てくるのが「つかっていいお金とダメなお金の区別」です。
お金に色をつけるとは、簡単なことではありません。
でも、いちど身につけば、なにも知らずに突撃して大ケガを負うことを防いでくれる防具のようなものになります。
事業は、一気に上手くいくこともあれば、なかなか芽が出ないこともある。
そして、事業はながく続くものです。
であれば、身を守るものは多いほうがよいのでは…
そのために、お金に色をつけることを考えてみましょう。
まとめ
お金に色をつけるとは、つかってよいお金かダメなお金かの区別ができること。
そして、それを踏まえてお金をつかった結果の予測もできること。
きっと、お金には色がないほうがラクです。
自由に感じられますから。
でも、その自由はこの先もそのままでしょうか…?
それが気になるなら、お金には色をつけるべきです。
※ 記事作成時点の情報・法令に基づいています。